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2『聖女と王女』

<<サイド聖女>>

第二王女アマラ・ライ・プレテギールは目の前で猿轡をはめられ、縛られてる。私たちは15年前に死んで、この世界に転生してきた。神様からもらったスキルが五つあった。それなのに、誘拐犯達には手も足も出なかった。

誘拐犯の話では、これから隣国に売られるらしい。だけど私は信じる。神様は私たちを見捨てないと。

外から戦闘音が聞こえた。

やっと騎士団が助けにきた。私とアマラの目は希望に溢れた。

しばらくすると、音が止んだ。私たちは全身を鎧で包む騎士団が助けに来るのを待った。

音が止んで数分。不安になってきた。

すると、コツコツコツっと音が近づいて来た。

ドアが開かれ、騎士団長のが入って来た。

「ファルヘルト!」

アマラは希望に満ち溢れた顔で猿轡を咥えながらも叫ぶ。

だが、騎士団長アルベルト、王宮騎士団歴代最強の戦士、の顔色は悪かった。それどころか、死んで見えた。

そして騎士団長が倒れた糸の切れるように。

そこには誘拐犯の姿があった。

「残念でした!王国自慢の騎士団も私一人にかかれば瞬殺ですよ」

「う〜!」

アマラが騒ぐ。

「黙れクソ王女!お前も騎士様の元に逝くか?」

アマラの顔は恐怖に染まり大人しくなった。

「さあて、明日王都を出てすぐに公国にいくぞ」

この時、私もアマラも、諦めた。


<<サイドタカ>>

そろそろ王都を出る頃かな。。。

俺は王都の裏門に張り付いた。調べたところ、誘拐犯は馬車を持っていて表門は封鎖されてる。

この裏門は表向きでは大商会の格納庫だが、商会に金を払うと訳ありの人たちは通れるようになってる。4等級になったら3等級の先輩に教えてもらった。お忍びの貴族がよく利用するらしい。

とにかく、表向きには門が全て閉じられ、今はこの裏門しか無い。

俺の他に何人か冒険者達が集まっていた。みんな金の使い道などの陽気な話をしてる。

だがその時、シーフらしき人真っ青な顔をして入って来た。

「騎士団長を含む騎士団の遺体が発見された」

この知らせで空気が一変した。

「俺は降りる」

知り合いの先輩冒険者が宣言した。

「「「「俺も」」」」

と、次々と冒険者達がこの場をさる。

先輩は俺に聞いた。

「タカ、お前は?」

「俺は大事な妹の命が掛ってるんで、続けます」

「その目。。。お前を説得するのは無理だな。一つ忠告しよう。誘拐犯は一人で騎士団を壊滅させたんだぞ。俺ら全員で騎士団長すら倒せないのに。お前はそれほどの化け物と対峙するんだぞ。いくら天才だからって無理だ。お前の家族に伝えとくよ」

「ああ、ありがとな」

「最後に一つ聞かせてくれ」

「なんだ」

「お前は本当に十五か?」

「ーああ。そうだ」

「わかった。お前の冥福を祈るぞ」

「無駄になることを祈りたいな」

先輩が離れておよそ三十分。

馬車が裏門に近づいた。

馬車の窓は不自然に閉じてあった。多分これに第二王女と聖女がいるんだろう。

俺は城壁を飛び越えた。<<縮地>>のスキルは二次元的な動きで壁では使えないけど、スキルではなく、体の動きでスキル再現して、城壁と見張り塔の壁でできる角を伝って縮地を繰り返すと登れる。

門を通過した馬車の上にわざとらしく大きな音立てて着地する。

誘拐犯はすぐに馬車を止め、俺の方を見て笑う。

彼は剣をお鞘から抜く。しかも、剣は剣でも刀だった。月明かりに照らされ、刀の波紋が妖しく映る。

俺は居合斬りの構えで待ち受ける。彼が一歩、また一歩、と俺の間合いに近く。そして、俺の間合いに一歩踏み入れた瞬間。

「スキル<<居合斬り>>!」

それを軽く止められる。

「おや〜。ここに極小流派のスキル持ちがいたんですか。ですが残念でしたね、あなた如きでは私は倒せない」

「スキル<<縮地>>!」

俺はすぐに後ろに飛ぶ。

「この国はスキルに頼りすぎてますね。これでどうやって生き残ってるのか不思議です。今度は私から行きますよ」

気付いたら彼が目の前に現れた。彼もまた、<<縮地>>持ちだったんだろう。しかも、スキルで発動せず、体でやって、距離が通常より増えてる。

俺は縮地と共に襲って来た刀を剣で弾いた。この一撃の衝撃を受け流せず、後ろに飛ばされた。

ヤバイ。これほどの実力者だったとは思いもしなかった。

それが顔に出たのか、誘拐犯は嗤った。

「あははははははははははははは!君その顔だよ。絶望するその顔が似合うよ。君の未熟な<<縮地>>と<<居合斬り>>では俺は倒せない。君の範囲は基本値の3メートル。比べると俺のは5メートル。剣技も俺の方が上。君には死んでもーー」

キィイイン

「俺暗器も使うぞ」

俺は6メートルぐらい離れたところで手持ちの投げ針を放った。

「人の話をちゃんと聞こうか」

彼の<<縮地>>で届く無いはずの距離に彼は現れた。

「なっ」

「これで終わりです」

ここで俺がスキルの<<縮地>>をしたら、相手も<<縮地>>ですぐに追いつく。

もし防いだら、スキルが使えずに彼に剣技で負ける。詰んだ。

だが俺は嗤う。俺が体を動かし<<縮地>>をした。彼から7メートル離れた。

条件反射で相手もすかさず<<縮地>>を返してくる。だが、

「<<縮地>>これでおわーへ?」

俺は彼の目の前に居なかった。彼は俺と同等の距離を飛ぶためにスキルを使ったが、俺はそれ以上の距離を駆けた。そして<<縮地>>と<<居合斬り>>を合わせて、相手を通り過ぎる瞬間首を斬り落とした。

彼の刀を回収しようとしたら、彼の腰にあるアイテムに目が行った。

「魔法袋!やった!」

叫ばずには居られない。この世界では超高級品。超便利。どれだけ荷物を入れたとしても、容量はこの小袋。

ドンドン。馬車から扉を蹴る音がした。

しまった。王女達を助けに来たことを忘れてた。スキル頼りじゃ無い戦い方を経験できたことは大きい。

魔法袋から馬車の鍵を取り出し、ドアを開けた。そこには猿轡をされ、縛られた第二王女と聖女が居た。彼女達の拘束を解き、表門に向かった。

「開門!」

門番の返事は早かった。

「第二王女アマラ・ライ・プレテギールさま及び聖女ラウラ・べル・プレテギールさまの捜索のため、開門はできない」

「その二人を門の外で保護した。確認を願う」

「何、今すぐに確認する。。。王女様、聖女様、よくぞご無事で」

その夜、俺は王女と聖女と共に王城に向かった。

王城に向かってる途中、新しいスキルの知識が入って来た。

スキル<<剣舞>>

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