1『ようこそ異世界へ』
そこは何も無い空間だった。
痛みも感じない。見えないのに見える。聞こえないのに聞こえる。
白でもなく、黒でも無い。ただの虚無。
そこに女性が現れた。そして彼女が手を鳴らすと三年間通った教室が現れて、気付いたら自分の机に座ってた。あたりを見渡すと、異様に広い。生徒の数もいつもの教室の何倍もある。
「私はあなた方の世界から見て異世界の女神、創造神ルテナです。まず貴方達に言わないと行けない事があります。
貴方達はあの飛行機の事故で死にました。」
女神が告げこの事実に教室がざわめく。ある者は泣き、ある者否定する。
「だが、救済処置があります。異世界で生きてみませんか?」
この提案で反応が別れた。否定し続ける者、泣き続ける者、喜ぶ者、混乱する者。
「勿論、断っても構いませんが、断ると死にます。断りたい方々は退室して構いません。」
そこで、俺は立ち上がろうとしたら幼馴染み二人に引き止められた。立ち上がったのは数名で、主に40過ぎた先生達だった。生徒で立ち上がろうとしたのは俺だけだ。
「おい!タカ。あのドアを出たら死ぬんだぞ。」
「そうよ。隆史考え直して。異世界だよ。チートだよ。俺 TUEEEEEEEだよ」
「それがどうした。俺は面倒だから。やりたく無い。それにー」
女神に遮られた。
「じゃあ、残った人は全員転生希望ですね。ではこの世界のシステムの説明をします。」
チャンスを逃した。俺は異世界などラノベで十分だ。異世界になんて行きたく無い。
そんな思いもむなしく女神が説明を始まる。
「この世界には亜神と主神がいます。。。」
要約すると:
この世界には亜神と主神がいる。
亜神は人から神になった。主神は亜神からさらに神になったもの。だが、原初の神として作られたものもいる。
神になると願いを一つ叶える。神になることを拒否した場合、二柱神から祝福をもらえる。
神は代替わりする。死ぬ時に新たな神が任命される。
神になる方法;
神に選ばれる、だが選定基準は神それぞれ、
神を殺し、成り代わる
神に認められる
神格を100以上にする
信仰を集める
この世界の種族は所謂ファンタジー種族だった。重要違いは悪魔や魔神は悪では無い事。
それと、この世界は剣と魔法の世界らしい。
「ー以上です。どうか、この世界を滅びから救ってください」
神がが頭を低く下げた。
「勿論です!」
「だから、頭を上げてください!」
そう答えたのが幼なじみの二人だった。
説明を終えた女神は俺たちの生まれる時の境遇を説明した。
俺らは貴族の元に生まれるらしい。そして、生まれた時に、スキルを貰えるらしい。生まれた時に持ってるのも珍しいが、神の力でいくつか貰えるらしい。
「では良き第二の人生を!」
ラノベのありきたりの設定を聞いたら突然飛ばされた。
「ーそして、出来ればこの世界の最高神である私と私の直系の神達と『代替わり』してください」
この願いを聞いたのは俺だけだった。
<<。。。>>
結論から言うと、俺は王と郊外にある平民の家に生まれた。こっちの世界の名前が偶然なのか、タカだった。
ま、父さんが冒険者をやってるだけまだマシだった。俺には姉が三人、妹が一人。
俺は今六歳。
「父さん、俺に冒険者になるために必要なことを教えてくれ」
「なんだ、ついに俺の子供モテ期が来るのか?」
魔法は五歳の時に母さんに魔力循環とこの世界の読み書きを常識を教えてもらってて、父さんが寂しい思いをしてた。
母さんから習った魔法の知識は一般に知らされてることらしい。家庭に魔法具などを置くために最低限の知識が昔広められたみたい。
魔法は魔法陣の知識、必要魔力量そして魔力放出量さえあれば、誰でも好きな魔法が使える。魔力が多いほど、自己再生と身体強化が予め掛かった状態になる。
属性や適性のことを聞いたら変な顔された。それはひと昔に考えられてた理論だけと、間違ってることを昔の賢者が証明したらしい。
ちなみに俺の魔力量と魔力放出量は共に上の中ぐらいで、近所では天才って呼ばれた。
大事だったのは魔力量と魔力放出量は魔法を使えば使うほど、増える。そして、父さんの自慢のおかげで様々な近所の家庭で魔法でお手伝いをやらされた。
このお世界の通貨は銅貨百枚で銀貨。銀貨百枚で金貨。金貨百枚で白金貨。無理やり換算すると、銅貨一枚十円ぐらい。やっぱりお金のことは主婦に聞くのが一番わかりやすい。
「いいぞ、ドンとこい。」
「じゃ、まずは。。。」
俺は父さんに剣術やこの世界のことを聞いた。女神の説明で省かれた魔法やスキルの事が聞けた。読み書きと金銭をマスターし、最悪冒険者として生きて行けるぐらいになった。
スキルは技能を使う知識と使えるようになる能力がつく。大抵、スキル持ちは努力で手に入れるから、能力と知識が備わってる。発動すると、均一に体が自動的に技を出す。スキルなしの方が、高火力出せることは達人では普通。ちなみに父さんはスキルを三つ持ってる。
「じゃあ、スキル持ってても強いわけじゃ無いんだね?」
「基本的に強いぞ。だけど、今で言うと近衛騎士団長のレベルまで行くとスキルよりも自力で技能を出した方が強い。この前の剣術大会なんてほとんど騙し合いのような戦いだったぞ」
スキルは技能を使う知識と使えるようになる能力がつく。大抵、スキル持ちは努力で手に入れるから、既に能力と知識が備わってる。発動すると、均一に体が自動的に技を出す。スキルなしの方が、高火力出せることは達人では普通。ちなみに父さんはスキルを三つ持ってる。スキルは言わば底上げだ。ある程度はできるが、上級者同士だと通じない。生まれ持った人たちは、三歳の時に使えるようになる。ある勇者は三歳の時に<<絶対切断>>を覚えてて、家をおもちゃの木の包丁で切ったらしい。スキルのつながりで、父さんはある噂を聞いてた。貴族達で黄金の世代が俺と同じ年に産まれたらしい。スキル持ちが続々産まれたみたいだ。
これって、多分じゃなくても、同級生達だよな。ま、平民になった俺は関わりを持つことはないだろう。
<<。。。>>
「準備はいいか?」
「バッチリだよ父さん」
周りの野次馬は俺たち親子の勝負を酒の肴と賭け事にしてる。
「アレク(父さんの名前)お前に賭けてるから負けるなよ!」
「タカ、今日こそ勝てよ!冒険者としてはもうアレクのやつを超えてるんだから」
今、俺は十二歳。俺は父さんの手伝いで冒険者登録もすましてるし、一応最高の1等級から最低の6等級のうち父さんと同じ4等級。所謂新人以上ベテラン未満。
俺は父さんよりも頼りになる冒険者として評判がよかった。父さんはこのギルドにいる冒険者達の中でも腕っぷしが強い分類に入る。何せ、スキル三つも持ってて、魔力量は結構ある。ただ、魔力放出量は少なく、魔法がほとんど使えない。だけど、連携ができない。そのせいで、4等級に止まっていた。。俺が依頼を手伝いに行くと、俺が合わさる形で戦闘する。そのおかげで、サポートに徹するのは得意になった。そのおかげで、パーティー組む事としては俺の方が評判が良かった。
この日、俺は父さんと模擬戦をギルドの訓練場でやっていた。
俺は剣術を磨き、戦闘スキル獲得数は四つになった。
<<見切り>><<居合斬り>><<縮地>><<連撃>>の四つは組み合わせもよかった。
元の世界でちょっとした黒歴史が役に立ったとは微妙な気分になる。
魔力量もコツコツ練習を続けて、上の中以上上の上未満になった。
俺はスキルに頼らず、自分自身の技術を磨いて来たが、人目の前ではスキルを使ってた。
「<<見切り>><<居合斬り>>」
<<見切り>>は後の先、つまり、相手の攻撃を完璧に把握できる。実力差があり過ぎると使えない。
<<居合斬り>>自分の間合いに入って来た物を高速で斬る。ただ、スキル使用時は速度は一定で起動もある程度しか変えられない。
俺は細めの片手剣を刀のように構えつつ、鞘ぬ収めた状態で父さんの出方をみる。
「<<斬撃上昇>><<二連撃>><<追撃>>」
<<斬撃上昇>>は斬撃系の攻撃をより上手く使える事。刃のあるでスキル使えばなんでも、それこそハサミでも、革鎧ぐらいは斬れる。
<<二連撃>>は斬撃系の攻撃を二回連続で出せる。単に、手数を増やす。俺の連撃はそのスキルの上位互換の<<連撃>>で、自分、もしくは相手に止められるまで斬り続けることができる。
<<追撃>>攻撃が終わったところで何故か攻撃回数分の攻撃が出る。是非とも追撃と連撃の組み合わせを試してたい。
父さんが俺の間合いに突っ込んだ。
<<二連撃>>の一撃目を俺の<<居合斬り>>で弾くと、追撃が俺の剣をさらに弾く。隙だらけの胴にに二撃目は無慈悲にも入ってる。
「<<縮地>>」
<<縮地>>はどの方向でも3メートルの距離をに一瞬で進む。
それを読んでた父さんが叫んだ。上段からの攻撃。
「もらったああああああああ!<<斬撃上昇>><<二連撃>><<追撃>>」
「<<連撃>>」
父さんの攻撃を全て<<連撃>>で防いだ。
「なっ」
そこで俺は父さんの息子を蹴り上げた。ま、俺も息子だけど。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」
「俺の勝ち」
父さんが床に転がりながら悶える。
周りの男性冒険者達が全員顔を竦める。
そして同時にー
『『『痛そう』』』
そうして、俺は初めて父さんに勝った。
俺は屈んで、父さんの股間に回復魔法を使った。治った途端ー
「てめえええ。息子だからって俺の息子を蹴るか?!勃たなくなったらどうするんだ」
そう怒る父さんを無視し、周りの先輩達が酒場に俺を連れ込む。
「先輩、俺酒はダメです」
「ああ、知ってる。」
エルフの先輩が俺に話しかけた。
「なあ、自分の魔力値を測ったことあるか?」
「ありますよ。金かかるけどギルドで一年に一回は」
「最後はどこまで行けた?放出量は?」
魔力量測定は魔力を含む水の中に潜る。深さによって魔力濃度が違うらしく、人は魔力量が多いほど、密度が高くなるらしい、潜った距離によって魔力量がわかるみたい。深さをは1から10あって、10まで行けた人は伝説の大賢者、現魔法神しかいない。今は平均4ぐらいで、8まで行けたら魔力量が多い。
俺はその測定法で7の真ん中まで行ける。そこそこ多いが、まだ上には上がいる。
放出量は魔法具に魔力を通して、器具の中に入った玉を浮かせる一瞬で最大を込めて、その飛距離を測る。これも1から10あって、10まで行けた人は伝説の大賢者、現魔法神しかいない。今は平均4ぐらいで、7まで行けたら魔力放出量が多い。7で上級魔法が使えるようになる。
俺はその測定法で8、ほぼ9の所まで行ける。結構高いらしい。
「7の真ん中ぐらいです。放出量は一応8ですね」
「それは将来有望だな。お前俺のー」
「魂力は測ったことあるか?」
エルフの先輩を遮ったのはドワーフの先輩だった。
「すいません、魂力って、なんですか?」
「それも知らんのか?いいか、魂力は魂の力だ。魂力は魔力と似た感じに体を強化する。一番の違いは命が懸かってる時に何倍も力が膨れ上がったりする。大事なのは魂力は強化するが、魔力と違い筋肉とか関係なく強化する。鍛え方は何度も死ぬ思いをすること、命を懸けることだ。とにかく、すごい力なんだ。お前の模擬戦を見た時、魔力では説明できない力があると思ったのじゃ。」
「それでー」
「測ってはみぬか」
「大掛かりなことならー」
「この槌を握って、この聖鉱石を叩いてろ」
言われた通りに槌と握り出された鉱石を叩いてみた。
すると、聖鉱石が立方体に変わった。
「なななななっ。3級だと。」
「それって良いですか悪いですか?」
「良いも悪いも最高の1から10級のうち3級だぞ。逸材だぞ。俺のパーティーにー」
「おにぃいた!早く帰ろう!」
「おい、タカ。我らの天使がお迎えにきたぞ!」
「俺の天使だ!」
そして、妹を肩車して帰った。
魂力か。。。
<<。。。>>
俺が十五歳になった。
「おにい誕生日おめでとう!」
天使が俺を起こす。妹のアンジェラは可愛い。シスコン?何それ。アンジェラは「おにぃだいすき」って言いながら抱きついて来たり、甘える時もあれば手伝いをしてくれる時もあるんだぞ。
前世では一人っ子で、兄弟もいなかった。ここに来てからは俺を慕う妹がいるのはとても嬉しい。
俺は朝飯を食べに食卓に向かった。
「愚弟、誕生日おめでと」
「おめ」
「。。。」
そこ、悪口言いながら言うな。
そこ、最後まで言え。
そこ、なんか言おうか。
姉達とは中が悪い。俺が姉達よりもできることが気に食わないらしいが、俺が依頼で稼いだときは必ず金をせびりに来る。そんな、特別のように聞こえて、普通な日が過ぎていく。
そして事件が起こった。聖女と第二王女の誘拐。
ではなく、何故なら俺には関係なく、事件と呼べるほどではないどうせ同級生達のチート軍団が何かするだろう。
事件とは俺の母が騙されて、借金ができました。金貨五枚ぐらい。利子もやばい。このままじゃ、妹と姉達が売られる。だから、俺は報奨金金貨百枚の聖女と第二王女救出をやることを決断した。可愛い妹のために。姉?ついでだよついで。