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不死身のリミット  作者: nimano
1章 はじまり
3/3

誰のせい

名津陽(なつひ)は自分の部屋に戻った後、ある人物とパソコンのテレビ電話で会話をしていた。


「やぁ名津陽(なつひ)、久しぶり。あの子は元気にしているかい?」


赤い髪の少年が画面を介して元気に話しかけてくる。


「あの子って誰。」

「あの子はあの子だよ。千咲都(ちさと)だよ。染谷の大好きな千咲都(ちさと)だよ。」


赤い髪の少年にとっては大事なことなので2回言ったらしい。


「染谷、千咲都(ちさと)のこと写真でしかみたことないだろ。」

「あるよ。」


名津陽(なつひ)が染谷と呼んだ少年の返答に少し驚いた。

染谷と千咲都(ちさと)が会っていたなんて記憶に全くなかったからだ。


「何回か。」

「そうだっけ」


うん、と彼は大真面目な顔で言った。ただしどこで会ったか彼は一言も述べてはいない。

名津陽(なつひ)は言及しなかったが、彼のいうみたというのは夢の中でのことである。


「染谷がどれだけ千咲都(ちさと)を愛してるか知りたいかもしれないけれど」


別にそんなどうでもいいこと知りたくもない。

ところでお前黒髪じゃなかったっけ、いいのか?染めても。あ、駄洒落じゃないぞ。


「染谷は一度も染めてないぞ?紅いのはただの返り血だ。さっき敵から襲撃を売られたから襲撃を買ってきたんだ。」


喧嘩じゃなくて襲撃で、血染めかよ。

名津陽(なつひ)の言葉を無視してにっこりと上機嫌な顔で染谷は話す。


「こっちの仕事がもうすぐ終わるんだ。だから、名津陽(なつひ)をころ…デリートして千咲都(ちさと)を自分の手で護るんだ。」


物騒なセリフが彼の口からでたが、名津陽(なつひ)は椅子の背もたれの上に頭を預けてダラダラしている。

「ちゃんときいてるのか?名津陽(なつひ)。」

「きいてない」

「きけよ!!大事なことなんだから!!!」


名津陽(なつひ)のパソコンのイヤホンからキンと染谷の声が漏れでる。


「きーきーうるさいな。だっていつも同じことしか言わねーだろ。」


染谷はコホンと咳払いをしてから、睨みながらこう言った。


「染谷は近々そっちに戻る!!そんでもって名津陽(なつひ)をデリートして、千咲都(ちさと)

「やだね。」


遮るように名津陽(なつひ)が反論し、先ほどまで崩していた姿勢を正した。


「僕は最低の人間だけどそれでも兄の僕がいなくなったら千咲都(ちさと)が悲しむ」

「それは困る」


名津陽(なつひ)デリート案が一瞬で消失した。

「そうだ、それは困る。染谷は千咲都(ちさと)を泣かせたくはない。精神的にも守らないとな。」


染谷は勝手に自分で言って勝手に実行しようとする。

誰かがストップをかけなければそのまま実行しようとする。

染谷自信と千咲都(ちさと)のためならなんでも。

千咲都(ちさと)を守る為には丁度いい奴だけど、思考回路がなぁ…)

まだ悩んでいる染谷に名津陽(なつひ)はこう質問した。

「そんなに僕を殺したい?」

千咲都(ちさと)をあんな体質にしたのは誰だ?」


画面越しだというのに、冷たい空気が染谷のほうから流れ出てくるような気がした。

「染谷は昔は名津陽(なつひ)のことを信用していた。でもそれは間違いだった。咲夜(さや)ねぇが死んだのも「死んでねぇよ…」


名津陽(なつひ)は少し枯れた声で言うとデスクトップから視界を外し、横目で机の上にいつもある写真を見た。

赤いもので少し隠れているが、咲夜という少女が満面の笑みで写っている。

彼が問いかける。


「彼女が生きていたとしても、今ここにいないのは、」


誰の所為だ?


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