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俺までソファーで寝てヤバイ

 ノリコがマモルと一緒の部屋で寝たくないと言った理由がわかった。まるでアメリカンバイクだ。

 爆音で眠れないので明かりもつけず、リビングのソファーに座る。


 ポポルは大丈夫だろうか? 皆を心配させない為に強がり「大丈夫だ」と言い張ったが、実際そこまで強く言える訳じゃない。レンヤが間違えた怒りからポポルを殺す可能性もある。あくまで人質として使われる可能性が一番高いだけだ。


 ため息をつきながら、戦力を整えて来るだろうレンヤ達に対しての戦略を考える。


 お仲間のガールズ三機は間違いなく強化されてくるだろう。なにしろあれだけボコボコにされたのだから、相当の強化がなされているはずだ。こちらの戦力が二機増えているが油断ならない。

 ベヒモスの硬い装甲対策については新しいJOBスキルを2個覚えた。上手くいってくれるといいが。

 レオヴァイザーの強化については、結構なポイントが貯まっていたので明日一気にやる予定だ。

 仲間の聖獣機達も戦略に合わせた強化をして貰うつもりだ。


「ヤマト・・・様?」


 振り向くとそこにはセリスが立っていた。


「眠れなかったのか?」

「ええ、ノリコ様の寝言が激しくて」

「ハハハ、そっちもか」

「ええ? ではマモル様も寝言が?」

「寝言じゃなくてイビキだ」

「ウフフそうですか。お似合いですね」


 セリスは俺の横に座った。薄暗いリビングのソファーに二人。外はシンシンと雪が積もっていた。

 セリスの方を見ると、ポポルの事が気になっているようで不安げな表情で外を見つめていた。


「大丈夫だ。ポポルは必ず取り戻す」


 セリスの為だけではなく、自分自身への決意をこめて口にだした。彼女は小さく頷くと、俺に寄り添って体重を預けてきた。肩に腕を回し、優しくひきよせ頭を撫でてやる。彼女の不安が少しでも減るように。


 やがて彼女はスースーと寝息を立て始めた。ノリコの寝言で寝れなかったと言っていたが、実際は不安で寝れなかったのだろう。俺は綺麗な顔で眠るセリスの頬をなでた。




「お、やるじゃんヤマトっち。いつ誰が来るかわからないソファーかー。 そのスリルマジ卍」


 顔面白パックのマイが俺達を起こす。綺麗な顔を見ながら寝たはずが、汚いギャル語で起こされた。いつの間にか寝てしまっていたらしい。

 腕の中で目をこすりながら起きるセリス。


「お、おはようございますマイ様。す、すみません寝てしまっていたようで」


 髪の毛を整えながら小走りで自分の部屋に帰っていくセリス。完全に事後だが、完全に()()()だ。


「ヒュー」


 吹けもしない口笛のものまねをするマイ。やはり勘違いしているな。


「ヤマトっちさー。大事にしてやんなよー。あんないい子中々いないよ」

「大事にしてるつもりだが」

「うーん。ヤマトッちはさ。確かに大事にはしてるけど、なんか吹っ切れてないんだよね。言い方わかんないけど。未練? 違うなーわかんないけど早く抱いたら?」


 以外にマイはよく見てるんだな。ギャルなのに。あ、元は25歳なんだっけか。

 未練。いや現世に対する執着か、死んだ彼女に悪いと思っているのか。どうにもわからない。

 マイに言われた通り、セリスに対して手を出さずにいるのは吹っ切れていないからだろうか?


 いままで(ことわり)破壊者(フラグブレイカー)のせいにしてきたが、セリスを抱けないのは自分の心の弱さかもしれない。


 心のどこかのモヤモヤをズバリ言い当てられたようで無言になってしまった。


「ま、時が解決するかー。こういうの焦らない方がいいっていうし聞かなかった事にして」

「ああ、ご忠告ありがとう。すこし気が楽になったよ」


 悩み事に対して一番遠そうなギャルが、逆に真実に近かい事もあるようだ。


 朝ごはんを皆で食べ、戦略会議をしようとリビングに集まった。

 作戦の説明をしようとするとノリコが先に口を開いた。


「その前に待つにゃ」

「なんだ?」

「まず、私とマモルは何の義理もないにゃ。だから協力するかわりにレオヴァイザーにしばらく住ませてほしいにゃ」

「そうだな、俺とマイも同じくレオヴァイザーに住まわせてもらおう。正式にお願いしてなかったからな」


 君たちそんなにレオヴァイザーのディメンションマイホームが気にいったのか。このマイホームは異世界感台無しの諸刃の剣な気もするが、確かに女性に風呂トイレ無しはつらいよな。


「わかった。こちらこそ正式に協力をお願いするよ。ディメンションマイホームは自由に使っていい。我が家だと思って守ってくれ」

「わかったにゃー」

「了解だぜ」

「助かる」

「マジ快適だよねサイコー」

「みんなこれから仲間だね~」


 仲間か。アップゥもたまにはいい事を言うな。一人になりたくて選んだトラック運転手が、今や大所帯だ。


「改めてみんなこれからよろしくな」


 よろしくと言いながら、部屋の拡張が出来るか後で確認しようと心に誓った。

 このままではレオヴァイザーの持ち主の俺が、毎日ソファーで寝る事になる。


「それじゃまずポポル奪還作戦だが・・・」


 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 作戦を説明し、各々が準備に入る。俺もレオヴァイザーの強化をする為ナビ水晶を操作する。

 まず5段階で止めていた改造を10段階強化した。ヴァイザーソードも2段階強化しておく。

 ヴァイザーソードのスキルツリーの先は???になっていて、これ以上強化出来なかった。


 聖獣人機 

 レオヴァイザー

 操者 サガワ ヤマト

 属性 聖

 HP 10500/10500 (3500up)

 EN 430/430  (150up)

 装甲値 4800  (1500up)

 運動性 215   (50up)

 照準値 230   (50UP)

 サイズ M


 ヴァイザーソード レベル3 (2up)

 ヴァイザーシールド レベル3 

 シールド防御

 ホバー移動


  残りGP23452P


 女神のギフト

 状態異常無効化

 体力自動回復(S)

 魔力自動回復(S)


 スキル

 不意打ち(バックスタブ)    :死角からの攻撃がクリティカルヒットになる。リキャスト1分

 短距離高速移動(とんずら)   :短時間高速で移動出来る。リキャスト5分

 高度跳躍(ハイジャンプ)    :一度だけ高く跳躍出来る。リキャスト3分

 聖剛壁ホーリープロテクション:ダメージ3000以下を無効化し超えた分は軽減する。武器の強度アップ。オート発動スキル

 盾防御術(シールドバッシュ)  :相手の攻撃を防ぎながら隙を作る。リキャスト1分

 集中(しゅうちゅう)      :集中力を高める。リキャスト3分

 城壁防御(ランパート)ランパート:一定時間物理防御力、魔法防御力がアップする。リキャスト2分

 遮りの盾(パーティースクリーン):後方の味方へのダメージを肩代わりする。リキャスト5分

 挑発(ちょうはつ)       :相手を怒らせてターゲットを引き付ける。リキャスト30秒

 

 ウェポンスキル

 ヴァイザーブーメラン       :遠隔攻撃。ある程度軌道を決めて攻撃出来る。リキャスト2分

 スピンスラッシュ         :範囲攻撃。周囲の相手に物理ダメージ。リキャスト3分

 獅子十文字斬り          :単体攻撃。3倍撃。一度に縦横の二回斬る。リキャスト5分


 形態変更

 人機形態

 トラック形態

 飛行形態(作業状態60%)


 かなりの強化になった。これに合わせて対ベヒモス用のJOBスキルを2個覚えた。作戦通りうまくいけば倒せるはずだ。

 少しGPが余っていたので部屋の拡張もしておいた。その結果個室が3部屋増えた。

 これでイビキに悩まなくてすむ。


 他のメンバー達もそれぞれ強化を行ったようだ。聖獣機はGPで強化出来るのが強みだ。


 ナビ水晶のMAPでポポルの位置を確認する。ギバライ国を離れこちらにむかっている。

 意外に早い。むしろ早すぎる。正直あと2~3日はかかると思っていた。

 まさかお仲間ガールズを強化をしないで来るつもりなのか? それとも違う手を考えているのか。 




 いずれにしても明日が決戦になりそうだ。

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