俺までクリスマス気分を楽しみたくなってヤバイ
ベッドですやすや眠るポポル。
可愛い幼女だったポポルは、妖艶な美女になってしまった。
・・・もどして。
エイジ達もやって来たのでダダル国王の説明を聞く。
邪竜をおびき寄せる事は出来たが封印に失敗し、邪竜はポポルの体に入り込んでしまったそうだ。
ポポルの体は邪竜によって変化し、赤い髪は腰まで伸び、小さかった角はメメルさんと同じ大人の竜人の角になった。まな板はスイカになり、シーツからはみ出るすらりと伸びた手足がセクシーでグラマラスで危険がヤバイ。
「ポポルは元に戻らないのか?」
「うーむ。この様な事は初めてでな」
「あらあらまぁまぁ。困りましたね」
メメル王妃はおっとりしすぎてあんまり悩んでる様に見えない。一方ダダル国王は何か思い当たる節がある様で、頭を抱えてうんうん唸っていた。
「竜のことは竜に聞くしかあるまい」
「竜に聞く?」
「・・・聖竜に聞くのだ。ヤマト殿、すまないがポッサロ島の神殿まで行って貰えないだろうか?」
「ヤマト様、私からもお願いします」
「お断りするわけがありません」
ダダル国王とメメル王妃が頭を深々と下げたので、俺も深々とさげながら配達依頼を受けた。どうやら次の配達先はポッサロ島らしい。
モリオアの北にある海底洞窟を抜けて島に渡るそうだ。詳しい場所や説明を聞いていると、ポポルが目を覚ました。
「みんなおはよう!あれ?みんなどうしたの?」
「ちょ! ポポル服!!」
「エイジ目をつぶれ!」
「ん?なんだどうしたぐわああああああああああああ」
大人の体になった事をしらないポポルは、全裸のままこちらに歩いて来たのだ。
ダダル王が投げた角ナイフがエイジの両目に刺さる。俺はギリギリ目をつぶっていたのでセーフだった。
女性陣にシーツを被せられるポポル。
「あれ? みんな小さいね! ポポルおっきくなったの?」
どうやら頭は子供、体は大人になってしまったようだ。
「うほー! ポポルおっぱいおっきい!!」
「あらあら。私の服着れるかしら?」
「ワタシがメイクしたげるよ。マジカワだよ」
「ポポルおっきいねえ~」
女性陣がシーツを被せたままセリス達の部屋へポポルを連れて行った。
残された男達に沈黙が訪れる。エイジは目から血を流しながら倒れているし、スマちゃんは怯えておしっこ漏らしながらガタガタ震えていた。テシテシと角を手の平に叩きながらダダル国王が口を開く。
「わかっていると思うが・・・指一本でも触れたらこれだぞ」
ダダル王が角ナイフを持った右手で首を切るジェスチャーをした。俺とスマちゃんは無言でうなずく。エイジは倒れたままうなずいた。
しばらくして、ポポルを連れて女性陣が戻って来る。
ポポルの姿を見て俺と女神のギフトによって目が治ったエイジはお茶を噴き出した。
「ブフッーーーーーそれ、サンタコスじゃないか」
「しょうがないじゃん。これしか着れるのがなかったんだから。可愛くてマジ卍よ」
どうやら着れる服がなかったらしく、配送品の木箱の中からサンタコスを見つけてきた様だ。流石年末の配達中の荷物なだけはある。
ポポルの身長は170cmになり、モデル体型になったことから恐ろしくミニスカサンタコスが似合う。俺とエイジとスマちゃんがオーっと声を上げたら、ダダル国王が威嚇の声を上げた。
「この服すごいね!! ポポル! 力持ちになったよ!」
「どういうことなんだ?」
「ほら」
ポポルは軽々とベッドを持ち上げた。まったく重さを感じていないかの様に上下させる。
ミニスカサンタコスに何でそんな力が?おもちゃを沢山運ぶからか?
「ヤマト様もあの様な服がお好みなのでしょうか?」
「いいねー沢山あったから後でみんなで着よう!季節外れでウケるけど」
「まぁまぁ、私にも合うのがあるかしら?」
騒がしい女性陣の後ろで、角ナイフを研ぐ音が静かに聞こえていた。
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俺達は一度モリオア国へ戻り、国王と王妃を城に送り届けた。国王と王妃はポッサロ島に入れないらしい。ポポルをよろしく頼むと何度も頭を下げられた。
モリオア国の更に北へと進む。目指すのは海底洞窟だ。
ポッサロ島とモリオア国の海峡は常に荒れており、船で渡る事が出来ない。海底洞窟には危険なモンスターがいるらしいが獣機なら大丈夫だろうと言っていた。
レオヴァイザーの助手席にはミニスカサンタコスのポポルが座っていた。あどけない笑顔と性格は全く変わっていないが、見た目は大人だ。恥じらいのない恰好をしたりするので目のやり場に困る。
本当に聖竜に聞けば子供に戻す方法がわかるのだろうか?
神殿にいる聖竜とか言うのは大人しいのだろうか?
もし戦いになったら・・・
不安を抱えながら、自然豊かなモリオア国の草原を北に進む。他のメンバーは不安など微塵も感じていない感じだ。セリスはサンタコスの事ばかり聞いて来るし、エイジは鼻歌を歌っている。マイは化粧しながらリヴァイアサンを走らせている。当の本人のポポルは助手席で寝ていた。
草原を走り続けていると夕方になったので、今日はここでキャンプする。
だが、どうしよう。
最近はセリスとポポルが俺のベッドで一緒に寝ていたのだが、ポポルは大人になってしまった。
これでは川の字ではない。IIIだ。
真ん中がポポルでもまずいし。俺が真ん中でもまずいし。セリスが真ん中でもまずい。どのパターンもヤバイ。
なんて気にしていたら、セリス自分の部屋でポポルと一緒に寝てくれる事になった。
「ヤマト様。少し寂しいですがしょうがありませんね」
「やだーヤマトとねるー!!」
駄々をこねるポポルをあやしながらセリス達は自分の部屋へ入って行った。アップゥもついて行ったので今日は久しぶりに一人だ。
日頃の貯まりにたまったモヤモヤムンムンを、ちゃっかりと整理してから眠りについた。
ふと深夜に目を覚ますと、俺の目の前にはセリスの可愛い寝顔があった。また寝ぼけて侵入してきた様だ。いつも間に挟まれているはずのポポルがいない為、いつもより顔が近い。ちゃんとムンムンを整理したはずなのに呼吸が荒くなる。
たまらず寝返りを打つと、反対には妖艶な香り漂う大人になったポポルが寝ていた。ギリギリスイカには接触していないが、もう何cm動いていたら危なかった。
再び寝返り打ちセリスの方を向く。ポポルから逃げるように動いたのでさっきよりセリスに近い。
「エッ!?ヤマト様」
「しっー」
セリスが突然起きてしまったので、びっくりして胸元に引き寄せてしまった。モゴモゴなにか言っていたが、静かになったので寝てしまったようだ。俺も疲れていたのでそのまま寝てしまった。
結果的にぎゅーっとしたまま朝まで寝てしまった。