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俺だって盗賊退治くらいズバッと終わらせてヤバイ

 誰がどこで寝るか問題が発生した。レオヴァイザーには2部屋が4部屋しかないのだ。現在の人数は7人。人数的に考えれば足りるのだが、男女で同じ部屋で寝る訳にはいかないのだ。

サチコは「あら、ヤマトとセリスが一緒にねたら解決じゃない」と軽く言ったので、「イサムとサチコさんで一緒に寝たらいいですね。どうせ離れられないんでしょう?」返したら黙った。


「ナナとイサムが一緒にねるのら~」

「流石イサム様ですワタクシめを選ぶとは」

「ポポル!ヤマトと寝る!!」

「えっと・・・じゃあ私がヤマト様と・・・」


 お互い好き放題言い合う戦争になってしまった。結局、俺が一部屋。セリスとポポルとアップゥで一部屋。サチコが一部屋。ナナとショコラで一部屋。イサムがリビングのソファーで寝る事で収めた。

これならイサムもサチコの部屋に夜いけるかとおもったが、朝までソファーでぐっすりだったようだ。


 俺が朝起きると、今日もセリスとポポルが俺のベットに潜り込んでいた。ポポルがトイレに起きてそのまんま俺の部屋に来る、付き添いでトイレに行ったセリスも寝ぼけて来るようだ。女性の寝顔というのは誰でも美しく愛おしくなる。そんなに沢山の女性の寝顔を見た訳ではないが。


 セリスは起きると赤面しながらそそくさと出ていく。その可愛らしはまさに乙女だ。ユニコーンの獣機があれば彼女が乗るべきだろう。


 朝食もごちそうし、聖騎士PTとはお別れとなった。彼らはギバライ国へ、俺達はモリオア国へ。お互い今は敵国になっているらしいが、イサムならなんとかしてくれる。そんな気がした。


 イサム達と別れ、静かになってしまったレオヴァイザーで、世界樹の森を目指す。ハイママ鉱山からはレオヴァイザーでも3日以上かかりそうだ。


 途中、何匹も野良獣機がいたので倒しながら進む、一体何匹位いるのだろうか?何でも万機将軍の獣機達らしいので、もしかしたら一万機以上いるのだろうか。


 ナビ水晶で見ると1Km先に、赤い点が10個程見える。おそらくいつもの野良獣機だろう。だが、ちょっと違うのは隊列を組んでいる事だ。

 

 段々近づくにつれ正体が判明する。カバ3機サイ6機キリン1機の獣機部隊と、その頭や胴の上に盗賊? いや山賊? 獣機を使っているから獣賊が何人か。明らかにこちらの方向へ向かっている。

ナビ水晶で見つけた時から、離れようとしてきたが駄目だった。何か特別なスキル持ちでもいるのだろうか?


このまま前に進んで森や沼地などの不利な地形で出会うより、人型にし、平坦な草原で待機する事にした。


ナビ水晶に通信が来る。


「おい!そこの白い奴!!命が惜しかったらその獣機を置いて行け。おっと置いて行くのは女もだぞ」

獣賊のボスらしき汚い髭づらの男が脅迫してくる。


「断る。死にたくなかったら道を開けろ」

「この数がみえねぇのか?死にてぇようだな。お前ら!やっちまえ!!」


ナビ水晶の通信が切れる。一斉に襲い掛かって来る獣賊達。


「なぁセリス。こっちの世界で賊と出会ったらどうするんだ?」

「もちろん、皆殺しです」


 笑顔で言うセリス。やはり命が軽い。と、言っても死ぬ訳にはいかないからな。

やむをえず、決意と共に聖剛壁ホーリープロテクションを展開する。こないだレオヴァイザーを強化した結果、聖障壁(ホーリーガード)が強化され、聖剛壁ホーリープロテクションになった。まだ試していないので丁度いい、試してみよう。


 獣賊達が迫る。レオヴァイザーはあえて動かさない。


「ヤマト様!」

「大丈夫だ。見てろ」


カバやサイが次々と突進してくる。レオヴァイザーを纏うバリアが、攻撃を防ぎ弾き返す。

突進が効かないと知ると、近づいて噛み付いたり長い首で叩いてくる。全く効果はない。


「大分堅くなったな。もう十分か・・・スピンスラッシュ!」



纏わり付く獣機達の中で、回転しながら円形範囲攻撃のスピンスラッシュを放つ。10機の獣機は強化されたヴァイザーソードにより両断される。獣機の上に乗っていた奴らごと爆発し、四散した。


「野盗まで、獣機を使う様になったんだな」

「はい。びっくりしました。野良の獣機を捕まえて使っていた様です」

「操者の扱いはいいんじゃなかったのか?」

「中には学校や軍が嫌で抜けた者もおりますから、その方々でしょう」

「だからって犯罪者にならなくてもいいと思うが」


軍や学校を抜けてまで獣族に成り下がるなんて、余程ギバライ国は緊迫しているのだろうか。

放って置けば人の乗った獣機が、村や旅人を襲うかも知れない。野良獣機を倒す理由が増えた。



レオヴァイザーはトラック形態で走り続ける。やがて荒れた大地に緑が増え始め、木もパラパラと生え始めてきた。


道路は無いので走りやすそうな場所を選びながら走る。夜はちゃんと寝て。3日間ひた走る。マイホームと温泉のおかげで、長旅も苦にならない。戦闘面の強化だけでなく、生活面の強化もしてよかった。


木の数が増えだんだん走り難くなる。どうやら世界樹の森に着いた様だ。レオヴァイザーを獅子型にして、木の間を抜けていく。ここはすでに、どこの国の領土ではない。


その昔、世界樹の森にはキウトウ国があり、内乱により滅んだ。首都だった場所には世界樹が生え、周りは森には飲み込まれた。全部セリスの投げ売り情報だ。

古代の時代の神話だから本当かどうかはわからないと付け加えていたが。


その森の端っこを通る。世界樹の方へ向かえば恐ろしいモンスターがいる。サチコが絶対に行くなと止める程の。


「あなた達。世界樹の森に行くなら。絶対に奥までは行かない事。特にセリス。あなたは降りるのも禁止よ」

「そんなに危険なのか?何故セリスだけ特に危険なんだ」

「ウネウネのツル型モンスターがいるからよ」

「ああ、それは危険だ。気をつけるよ」

「よくわかりませんが、植物のモンスターに気をつければいいんですね」

「そうよ。あなたは女騎士ぽいから特にね」


セリスは良く理解していない様だったが、俺にはよくわかる。ウネウネがニョロニョロでらめぇだろう。


見たいけど行かない。助けられないし。


森との境界をレオヴァイザーで抜けて行く。森から出ればギバライ国の領土だ。兵士にでも見つかるとヤバイ。ギバライ国の兵士と揉めて、戦争の理由を増やす訳にはいかないのだ。


森を走り続け、何日か経ったある日。

いつもの様に布団に潜り込んで来るポポル。だが、いつまでも経ってもセリスが来ない。

ポポルのトイレには必ず付き添うセリスだが、今日は寝てしまったのだろうか?


「ポポル。セリスはどうした?今日は一人でおしっこできたのか?」

「セリスはね。おトイレの後、誰かに呼ばれてるってどこか行っちゃった」

「誰かって?」

「わかんないよーむにゃむにゃ」


ポポルは又寝てしまった。

嫌な予感がし、セリスを探す。リビングにも風呂にもいない。露天風呂から外を見るとセリスが外を歩いていた。

こんな夜更けに何故森の中へ?



俺は慌てて追いかけ、森を走る。

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