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俺も転生者の一人とばれてヤバイ

 転生の女神は15人+αいる。その女神はそれぞれが一つのJOBを担当し、転生者のある程度のお願いを聞いてジパンゲア大陸に送還している。細かな注文をする者もいれば、おおざっぱな注文をする者いる。何個お願いを聞くかもその裁量に任されており、転生後の生き方に様々な影響を及ぼす。


 女神の間1に召喚されるのは大変名誉な事で、その理由はJOB担当が聖騎士な事である。聖騎士は前回勇者となったJOBだ。無限の可能性を秘めており、ジパンゲア大陸を平和にするのも地獄にするのも彼次第だ。


そんな転生者の彼が望んだもの。


それは・・・



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 ネールに事実を突きつけられて沈黙する俺。

畳みかける様にネールは言った。

「私がエルフかと尋ねた時、エルフらしいですと答えたにゃ。自分の種族を()()()なんて普通は言わにゃいにゃ。更に言うとJOBに聖とつく奴は全部転生者にゃ」


ドーンと指さし。


な、なんだってーーーーーー!!!??


セリスと顔を見合わせる。セリスは驚いて口を開いたままだ。


「そ、そういえばレオヴァイザーの中の文字。あれは日本語ですね。祖国の古い文字とヤマト様はおっしゃってましたが」

「そうにゃ。まちがいにゃいにゃ」

うんうんと頷くネール。


「ヤマトは~日本のシロネコトマトの従業員だよね~ 転生者じゃないよね~」

アップゥの嫌がらせのフォローまで飛んできたぞ。


俺はもう隠しきれないと素直に謝る事にした。

「すまん。隠すつもりはなかった。俺は日本から転生してきた」


・・・・・・・


鎮まる場。やはり転生者とばらしてはダメだったか。


ネールとセリスは両手でハイタッチすると喜びだす。

「ね。ヤマト様は絶対転生者だって言ったでしょう」

「やはりそうだったにゃ。よかったにゃ」

ハイタッチしたまま踊りながら回りだす二人。

アップゥはその上をクルクル回って喜んでいる。


「えっと、どういうことだ?」

俺はてっきり追い出されたり、捕まって処刑されるのかと思っていた。

「ヤマト様が転生者でよかったです」

「よかったのか?」

「ええ。もし性格の悪い方が転生すると魔王になったりするんです」

「ま、魔王か・・・」

魔王って兎だよな・・・もしかしてあの兎も転生者だったのか?

だが確かに死んだはずだ。


「ヤマト様。何番の女神だったのですか?」

「確か16だったかな?」

セリスとネールは口を揃えて驚く。

「16!?ほんとですか(にゃ)」

「ああ間違いない。新人で派遣社員とかなんとか」

「今回は16人以上召喚されたって事ですね」

「すでにどこかの国では転生者を囲ってるはずにゃ」

「まずいですね。魔王とかにならないといいですが」


 なんだか置いて行かれている気がするが、転生者は俺の予想した通り15人以上いるらしい。

そして100年毎に召喚されているそうだ。転生者はみんな素晴らしい能力や知識を持っているので、見つけ次第国が呼び出すらしい。もちろん国の為に働く奴もいれば、働かない奴もいる。無理に自分の国の為に働かせようとすると、その()()()()()()()で国が痛い目にあい滅ぼされる。だから国は転生者に無理なお願いは辞めた。それがジパンゲア大陸の歴史だそうだ。


「エルフ、いや、ヤマト殿。お願いがあるにゃ」

「断る」

これ絶対めんどくさい事に巻き込まれる奴。

駄目だって。ここまでの配達ですら大変だったのに。


「話位きくにゃ」


ヤダ。


駄目。


絶対無理!


「ヤマト殿は他に大事な用事があったり、帰る場所があるのかにゃ?」

うう、確かに・・・別に用事も無いし帰る場所もない。

レオの中でずっと生活する事もできるが・・・・


「わかった。話だけ聞こう」

俺は渋々話だけは聞く事にする。

「よかったにゃ。現在ヴァチ国は、ギバライ国とサカオオ国の両方と戦争状態になってる事はしってるかにゃ?」

「え、え?せせせ戦争状態?初めて聞きました」

セリスさんあなた・・・何とか隊の隊長だったのでは?

「セリスも知らなかったのにゃ?特務獣機隊(ガルビースト)は解散になったのにゃ」

特務獣機部隊(ガルビースト)が、か・・・か・・解散?あわわわわわ」

セリスは泡を吹いて倒れてしまった。今日は驚いてばっかりだな。


「俺は戦争をする気はないぞ」

ましてや人殺しなんて・・・あ、俺トカゲの人を潰したんだっけ。あいつ生きてるかな?

「頼むのは戦争じゃないにゃ。配達にゃ」

ピクッ。


「荷物をモリオア国まで届けて欲しいのにゃ」

配達か・・・異世界に転生したのに運命は変えられないんだな。

まぁ戦争するよりはいいか。


「わかった。そのかわり・・・」

「わかってるにゃ。セリスなら連れて行くといいにゃ」

気絶しているはずのセリスがピクッと反応した気がした。


「ち、違う。俺が転生者とばらさないでくれ」

「それは無理にゃ・・・みんなもう知ってるにゃ」

なん・・・だと・・・誰にも言ってないのに。まさかこれY●utubeで生放送中なのか?


「ヤマト殿が冒険者ギルドに登録したにゃ。冒険者ギルドには全国共通の情報が登録されてるにゃ」

このうすっぺらいチラシの裏の台形のGランクの冒険者ギルドカードに登録した時のか!!

「くっそ!!はめられた!」

特に誰かにはめられた訳ではないが、勢いでギルドカードを破り捨てる。

ビリビリッ!

ヴァチ国語の分かるようになった今では裏面のチラシが悲しい。

「激安よせてあげる天使のチェストアーマー」なんて書いてある。

あの青い髪の淫乱受付嬢め!!!


「それで、運ぶ荷物はなんだ?また爆発する物じゃないだろうな?一応危険物取扱なら資格があるぞ」

「人間にゃ」

「に、人間だと?」





「モリオア国のお姫様にゃ」

運ぶ荷物が()と聞いて気絶しているはずのセリスがピクピクッと反応した。

いつもお読み頂きありがとうございます。ブクマ評価して頂けるとヒャホーいです。


土日は1話更新となります。

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