俺が大切にしていた相棒が戻って来てヤバイ
ワラサ街が燃える(2回目)
2日連続で行われたギバライ国の攻撃により、城郭に穴が空き、街は炎につつまれた。
街役所職員の疲労は極限に高まり、消火活動も捗らなかった。
が、街の中を冷気が包み込み、炎は巨大な水の玉によって消え去った。
目撃者によると蒼いフリフリの魔導装備の少女が、強力な水の魔法を使用したらしい。
街役所は少女を探したが見つからなかった。
少女はワラサ街の伝説として語り継がれる事になった。
あるお婆さんは孫に語る。
「その者蒼き衣を纏いて業火の地へ降りたつ・・・」
ヤマト達が森に辿り着くと同時にナビの声がする。
「PON!トラック形態変更アンロックしました。」
「トラックだって〜やったねヤマト〜」
はしゃぐアップゥはセリスとハイタッチしている。
ハイタッチされたよくわかってないセリスは頭にハテナを浮かべていた。
その前にちょっと確認するか。
ナビ水晶でステータスの確認をする。
名前 サガワ ヤマト
種族 エルフ
性別 男
年齢 20
JOB 聖操者
レベル 8
HP 160/160
MP 40/40
STR 16
DEX 12
VIT 18
INT 10
MND 12
女神のギフト
状態異常無効化
体力自動回復(S)
魔力自動回復(S)
スキル
不意打ち
短距離高速移動
称号
理の破壊者
聖獣人機
レオヴァイザー
操者 サガワ ヤマト
属性 聖
HP 4500/4500
EN 180/180
装甲値2300
運動性115
照準値120
サイズM
シールド防御
ホバー移動
GP333
女神のギフト
状態異常無効化
体力自動回復(S)
魔力自動回復(S)
スキル
不意打ち
短距離高速移動
聖障壁
形態変更
人機形態
トラック形態
飛行形態(作業状態3%)
どうやらまたレベルが上がったようで8になっていた。
考えられるとしたら昨日の狼かカバ。
狼は一匹も倒してないからカバで上がったのだろうか。
ステータスは相変わらず強いのか弱いのかわからない。
セリスのを今度見せてもらおう。
レオヴァイザーが人型形態だからか聖獣人機になっていた。
トラック型にしたら聖獣車機かな?
GPが333に増えていたのは間違いなくカバ。
32+100-100+300で333
あれ1多いな。兎でも撥ねたかな。
333で何かスキルを取るか迷ったが、貯めておくことにした。
はじめに誰かさんが100万GPも使わなければもっと楽に敵と戦えたかも知れないのにな。
セリスと笑いながら話をしているアップゥをジト目で見る。
あんな雑魚っぽいカバに苦戦するようではこの先生きのこれない。
戦いは避けたいが襲われてはしかたがないのだ。
そう言えばセリスはアレイオンでどうやって戦うのだろうか?
「なぁ、セリスはアレイオンでどうやって戦うんだ?」
セリスがビクッとして後ろを向く。
「アレイオンて武装とか無いよな。どうやって戦うんだ?」
「・・・脇腹に体当たりとかですね」
また脇腹か、確かにコア狙いならそうだが。
「実は実戦は初めてでして、あ、学校の模擬戦では負けた事ありませんよ」
なんかの部隊の隊長とか言ってた気がするんだが。実戦は無いらしい。
なんで馬型にしたんだろうな。戦い難いだろうに。
ステータスの確認も済んだのでトラックに変形させる。
ガチャガチャガチャズキョン
終わったようだ。運転席からでは何もわからないので降りて見る。
うむ。
ほぼ俺のトラックだ。おかえり相棒よ。
ほぼと付けたのはカラーリングが白と金縁のレオカラーになったからだ。
型は前とほとんど変わらない。イス●のエル●だ。
ハッ!まさか俺がエルフになったのってまさか・・・そんな訳ないよな。
荷台を開けると運転席の上の部屋だった。そういう仕組みか。
これならコアを積めそうだ。入り口もギリギリ3m以上ある。
ここに固定して順番を伝票通りにって仕事の癖がでてしまったか。
アレイオンとウルフィの残骸を警備していた兵士達に頼んで、コアを転がして積んだ。
爆発する可能性は伝えなかった。幸せな嘘ってあるよね。
ナビに目的地を入力しようとしてMAPを見る。
広域ボタンをタップして地図の縮尺を大きくする。
思ったよりこの大陸はでかい。
そして、海の上にはこの大陸しかない。
大陸しかない昔のアレ。なんて言うんだっけなあ。
思い出したくてついつい独り言を言う。
「パン・・・パンベナ?」
「ジパンゲアです。この形はこのジパンゲア大陸です」
「そうかジパンゲアか」
本当はパンゲアと言いたかったのだが、意図せずセリスから大陸名を聞き出せて良かった。
このワラサの北にギバライ国、更に上にモリオア国。
ワラサの西にはヴァチがあるらしい。
「西に向かうって事だな。途中のマヤタチ砂漠を越える事になりそうだ」
「砂漠は危険ですので、迂回して北のワシカ密林を抜けた方がよいかと」
言われてMAPを確認するが砂漠を越える事にする。
「密林じゃトラックは走れない。砂漠を進むぞ」
「確かに、ヤマト様なら大丈夫でしょう」
「さばく〜さばく〜」
俺は砂漠を抜けるルートを選択し目的地をセットした。