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俺が女騎士を助けてヤバイ

ギズモはこの世界に生まれた初の操者である。

だが、ギズモ一人という訳ではなく世界の各地に操者は生まれていたのだ。

5歳になるとお祝いの意味で行われるステータス確認。

それを商売としていたのは冒険者ギルドだった。

当初の目的はステータスの確認と共に本人の才能を知り適正にあった職業についてもらう為であった。

が、基本となる15のJOB以外の操者があることが判明した事で違う意味も持つ事となった。

ヴァチ国内で生まれた操者は、その身分を問わず首都へと送られ研究が行われた。

ギバライ国からの開発情報は筒抜けだった為、ほぼ同時期に獣機が完成した。

ヴァチ国では獣機の操縦者教育学校を極秘裏に作り、操者はそこに集められた。

操者教育学校を優秀な成績で卒業した者は士官し、ヴァチ国特務獣機部隊(ガルビースト)へと配属され、極秘任務にあたっていた。

先月の事だった。訓練中の特務機獣部隊(ガルビースト)小隊が壊滅した。

10機の羊型獣機ガルシープがたった1機の黒い豹に破壊されたのだ。

諜報部の数少ない情報によって名前だけは判明した。


ディソニクス



「やまと~やまと~おきてよ~」


アップゥの悲痛な声で目を覚ます。


「アップゥ・・・どうなったんだ」

「ヤマト!よかったよ~」


泣きじゃくるアップゥの頭をそっと撫でてやる。

「ヤマト手と足がきれちゃって~レオに穴があいちゃって~」

言われて思い出す。あの痛みを。

女神のギフトのおかげで左腕と左足は何事も無かったかの様にくっついている。

体調も問題ない。フロントガラスごと切断されたレオも治っている。


アップゥは俺が気絶している間ずっと泣いていたらしい。

どのくらい時間がたったのだろうか。


俺は両手と両足が無事動く事を確認すると周りを見渡す。

街の兵士達が倒れた白馬獣機の周りに集まっていた。

あの騎士のお姉ちゃんが乗ってクッコロしていた奴だ。


窓を開け兵士に聞く。

「どうしたんだ?死んだのか?」

「あ、ヤマト様。どうやら開かないみたいなんです。」


ん?今ヤマト様って言った?

どういう心境の変化だ?さっきまでお前らに太縄をかけられていたんだが。

とりあえず騎士の姉ちゃんを助けるか。


「さがってろ」

集まっていた兵士をさがらせ、レオを人型から白獅子に変形させた。

兵士たちがオーと声を上げる。

レオの鋭い爪で白馬の脇腹をえぐる。表面だけ削ぐように。

バキバキ・・・

装甲が外れ中が露出する。すごい謎の光る石を中心に複雑に金属が絡み合っている。

あの石の中か?レオの爪で石を取り出す。

ブチブチッバキバキッ

色々なケーブルぽい物やパーツを剥がしながら取り出す。


「ヤマト様操縦席は頭の方です」

兵士の声に驚く。

えっ!?もっと早く言ってよ・・・

色々引きちぎっちゃったぞ。


白馬の頭の方を見ると確かに扉の様な物がある。

少し変形してしまっているようで開かない様だ。

レオの爪をひっかけて扉をこじ開ける。


バキッ!


扉が取れて中の操縦席が見えた。


中にはひっくり返ってパンツ丸出しの女騎士が気絶していた。

アップウがだめーっと目隠しした。


兵士達が赤面しながら中の女騎士を助け出す。

どうやら大きな怪我はないようだ。

白魔法を使える兵士が治療を行っている。

たまにうなされながら「クっ・・・殺せ!」と言っている。

いつの間にか兵士たちが全員あつまって女騎士を見ていた。

いつも兵士達は辛い任務にあたっているだろうし、これくらいのご褒美あってもいいよな。

よく見るとミーサのお父さんの元勇者もまざっていた。


怪我したからかものすごくお腹が減ったので運転席の上の部屋へ行く。

木箱の中を漁ると不思議な事に気づいた。


食べかけだったクッキーとカニ缶が元に戻っていた。

飲んだビールの空き缶も箱の中に戻っていた。当然中身は元に戻っていた。

試しに山田花子さんのクッキーを食べる。バリバリボリボリ


昨日と同じだ。


もしかして・・・・

女神のギフトはレオの中の物全部に効果があるのか?

やったぜビール飲み放題!!!

後で木箱のチェックをしよう。


木箱の中身チェックをしているとアップゥが飛んできた。


「やまと~女の人が呼んでるよ~」

「ふむ。しょうがない顔だけだすか」

「ヤマトのタイプだもんね~」

うるさい個人情報暴露妖精め。


レオの窓をあけて声をかける。

「呼んだか?」

「貴方がヤマト様ですか?危ないところをありがとうございます。私は特務獣機部隊(ガルビースト)隊長セ・・・」

俺は自己紹介をし始めた女騎士を無視して窓を閉める。

女騎士は両手をあげてキーキー何か騒いでいるが気にしない。

こういった場合絶対めんどくさい事に巻き込まれる。

ヤダ!

無理!

駄目!絶対!


すでに巻き込まれているかもしれないが・・・

食料問題も解決しレオから出る必要が無くなった。

俺は絶対外に出ないぞ!

流されるのは終わりだ!

絶対負けないんだから!


トイレ以外は絶対外に出ないんだから!



トイレ以外は・・・・うっお腹痛い・・・

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