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俺の聖獣が誘拐犯でヤバイ

ワラサの街はその周りを堅牢な石壁で覆った言わば城郭都市じょうかくとしだ。

街の中心には以前城だった建物が街役所として存在する。

120年前までは独立したワラサ国であったが、ヴァチ国との戦争に負け吸収された。

ヴァチ国と肩を並べる位巨大な隣国ギバライとの貿易も盛んで、これにはギバライ国の内情を察知する意味あいもあった。

伝統あるワラサ街はその石造りの街並み自体が重要文化財として指定され、落書きでもしようものなら処刑もあり得るくらい住人達に愛されていた。


その街が今燃えていた。


その燃える炎を背景に、巨大な白獅子が気絶した小さな少女を見つめていた。


「無事だったみたいだな」

「ヤマト〜カバさんすごかったね〜クルクルば〜んて」

「あぁ。レオに損傷は無いようだな」


レオには傷ひとつなかった。

衝突前にバリアの様な光がレオを覆っていた気がする。

気がするというか、そう感じた。そう念じた。

トラック運転手である俺は多数の交通事故を目にしてきた。

車同士で事故を起こした場合、ぶつかった方もぶつかられた方もボコボコになる。

ハンドルを握り、攻撃だけでなくレオ全身の防御を意識した。

その結果なのだろうか。


「ひとまずミーサを安全な場所に連れて行くぞ。この平原には魔王ウサギがいるかもしれないからな」

「ヤマト〜カッコイイね〜」


先程体当たりした事でレオの操作方法がわかった。

ハンドルを握って頭にレオの動きを思い浮かべ念じる。

と言っても漠然とした動きの想像ではダメだ。


近くの木に試してみよう。


例えば「あの木を攻撃しろ!」ではダメ。

「前に歩きながら右手を上げ、右手を早く下ろし、爪で木を切れ」と念じる。


ズバシュッ。


木は2m位の高さから斜めに切断され、ズシンと倒れた。


言葉にすると長いが自分の体を動かすのとあまり変わらない。

慣れていけばスムーズに動かせそうだ。

前に歩けと念じた時にアクセルプレートは踏んでいない。

だが、アクセルプレートもハンドルと同じ様に願いを感じ取ってくれる。

トラック運転手の俺にとって前に進む=アクセルを踏むなので踏んだ方が動きやすい。


俺はレオにミーサを咥えて運べと念じた。

親猫が子猫を咥えて運ぶイメージだ。


ハムっ


レオは骨を横に咥えて歩く犬みたいにミーサを咥えて歩き出した。

ん〜何か違うけどいいか。


「ワンワンみたいなだね〜ヤマト〜」


嬉しそうに車内を飛び回るアップゥを横目に俺は森に向かってレオを歩かせた。



レオが試し斬りした木の後ろにはギリアム含む4人の冒険者が震えながら隠れていた。

ギリアムはレベル30を超える熟練冒険者だ。

当然他の3人も何度も死線を潜り抜けて来た強者である。

だが、隠れていた直径1mの大木を頭上スレスレに切断され、本物の死の恐怖を感じ、震えていた。


「ギリアム見たか?白獅子が女の子をさらって行ったぞ」

レオの斬撃で折れた銀の長槍を背負った髭の冒険者がギリアムに聞く。失禁していた。


「あぁ。アレは門番の娘だな。」


「一応存在位置把握(マーキング)試したが効果無かったぜぇ。強力な魔法障壁(プロテクション)がかかっている様だな。しかも、こちらを察知した途端ズバッだ。あいつはやべぇな」

黒いフードローブのガリガリ冒険者が震えながら言った。失禁している。


「ギバライ国が機獣とかいうのを開発しているとか聴いたことがある。それかも知れないな」

小盾と長剣をを装備した短髪のおっさん冒険者だ。失禁中。


「俺達じゃ手に負えねぇ。街に帰って報告するぞ。」

巨大なハンマー装備のギリアムが冒険者達に指示をだすが、当然失禁していた。



ヤマトは体に痛みが無くなっている事に気づいた。あれだけ痛いと騒いだ脇腹も全く痛くない。

もしかしてハゲの冒険者の唾が効いたのか?

この世界の回復方法は唾・・・そんなのは嫌すぎる。

でも可愛い女の子の唾なら・・・飲みたい不思議!?


ギフトについて気になったのでナビ水晶でスキルを表示してみる。

メニューでも確認出来るがレオのステータスも見たかった。


名前  サガワ ヤマト  

種族  エルフ

性別  男

年齢  20

JOB   聖操者

レベル 5

HP    100/100

MP    25/25

STR   13

DEX   9

VIT   15

INT   7

MND   9


女神のギフト

状態異常無効化

体力自動回復(S)

魔力自動回復(S)


スキル

不意打ち(バックスタブ)

短距離高速移動(とんずら)


称号

理の破壊者(フラグブレイカー)


聖獣機 

レオヴァイザー

操者 サガワ ヤマト

属性 聖

HP 4500/4500

EN 180/180

装甲値2300

運動性115

照準値120

サイズM


GP132


女神のギフト

状態異常無効化

体力自動回復(S)

魔力自動回復(S)


スキル

不意打ち(バックスタブ)

短距離高速移動(とんずら)

聖障壁(ホーリーガード)


形態変更

人機形態

飛行形態(作業状態2%)


レベルがまた上がっていた。カバ機獣を倒したからだろうか?

レベルが上がった時にファンファーレでもなれば理由がわかるんだが。

俺のステータスの上昇具合を見るに前衛向きだ。

なのに武器スキルは選べない。魔法も使えそうもないな。

女神のギフトが復活していた。どうやらレオに乗っている時限定の様だ。

レオに引きこもるしかないな。外は危険が危ない。

俺が覚えたスキルはレオも使用出来るらしい。

逆にレオが覚えたスキルは俺も使える。


・・・


なんて美味い話はなかった。

新しいスキル聖障壁(ホーリーガード)が俺にないから確定だな。


森に着く頃にはあたりはうす暗くなってしまった。

ミーサを森の中に寝かしておけないのでレオの車内までお姫様抱っこで連れて行く。


う、湿っている。漏らしてしまったのか。



いたいけな少女に・・・カバ機獣めゆるさんぞ。

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