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1話

現実での俺は雨風勇樹はあっけなく死んだ。

・・・・・・・・そう。あっけなく。


 他人よりちょっとかっこよさげな名字を持っているだけが取り柄の俺は、車に轢かれて死ぬのでなく、ましてや殺されるわけでもなく。ただ、学校の階段から足を踏み外して死んだ。 ・・・・じじいか。俺は。

 打ち所が悪かったのか、骨粗鬆症気味だったのか、死因は頭蓋骨の陥没骨折。即死だったそうだ。サイヤ人でもない俺はこれで死なない方がおかしいと言うものの。

(どうせなら・・・・もっと格好いい死に様が良かったなあ)

 と、今更ながらに後悔するのである。



―――だが、神様とは居るもので。


「うわああああああああああああああああ!!!」


俺は生き返っていた。

絶対に日本では、太陽系第三惑星地球では無いところに。


 光の入らない洞窟の中。それでも前が見えるのは壁に所々張り付いている光った苔のような物のお陰だろう。そこら辺にキノコが行列を作っておりやたらとカビ臭い。

 そんな湿度高めな空間の中で俺は目覚めていた。

 死んだはずの俺は、身長背丈顔の作りに至るまですべて同じの五体満足。特殊能力とやらに憧れていた時代が俺にもありました。だが、そんなことは有るはずない。

 俺はごくごく普通の一般人であり、こんな所に投げ出された俺を迎えたのは、女神様でも美少女でもなく。


「キキッ!!」


 子供程度の大きさを持つなにやら化け物じみたコウモリの大群であった。

 まず、大きさがおかしい。それに・・・・


「なんで目ん玉が三つも四つも有るんだよおおおおおおおおおおおお!!」


 帰宅部の俺はきっと生きていた頃もこんなに叫び、こんなに風のように速く走ったことは無いと思う。だが、人間と言うものには火事場のバカ力というものが有るわけで。

(ヤバいヤバいヤバいヤバい!!)

 ついさっき、死んだばかりだと言うのに何故命の危険を再び感じなければならないのか。何故、こんな思いをしなければならないのか。俺は先程まで崇めていた神とやらを恨み、呪い殺す勢いである。


 それにしても・・・

 さっきからおんなじ所をグルグルと回ってる様なのは気のせいだろうか?


 走ってもキノコ。

 走ってもキノコ。

 走ってもキノコ

 キノコキノコキノコキノコキノコキノコキノコキノコキノコキノコキノコキノコキノコキノコキノコキノコキノコキノコキノコキキキキキキキキキキキキ。


 ヤバいッ!!!!

 キノコにゲシュタルト崩壊を起こしていた!!

 それでも・・・・走るのを止めたら死ぬ!!

 俺はなぜかそう確信していた。

 これが一度死んだ者の勘というやつだろうか。

 だが、

「キキキキッ!!」

 いくら走ってもコウモリどもから逃げられる気配がない。

 それどころか・・・・


「キキッ」「キキッ」「キキッ」


 なんか多くなってない!?

 それと同時に、

(分かれ道?)

 目の前のキノコ・・・じゃなかった道が二手に分かれていることに気がついた。

 そうなれば選択肢は・・・


1 右に曲がる

2 左に曲がる(ク○ピカ理論)

3 壁があったら殴って壊す!! ギガァァドリルブレェェェェェイク!!


 ひねくれ者の俺が選んだのは・・・・



(右っ!!)


 右足に力を入れ柱の役割を、左足には・・・・・・何だろう? 何でもいい!!

 取り敢えず右に曲がって・・・・・・・・・あれ?


(・・・行き止まり)

 どうやら2が正解だったらしい。

 嗚呼、俺の人生終わった。

 さようなら現世。こんにちは来世。生まれ変わったら新世界の神になりたいです・・・



「つあああああ!!」

「キシャ??」


 あれ?


「ふんっ!!」

 目の前に現れたのは少女。

 ただひとつ違うのは・・・・・・

(・・・剣?)

 その娘は鈍く光る銀色の刃。つまり剣を持っていた。見れば全身は鎧におおわれて露出している部分がほとんどない。だが、兜はしていないようでその可憐な容姿がいやというほど目につく。

 どこか幼さを残す顔立ちだが目元はキリッとしており、戦士の風格を漂わせる。

 でも、美少女にはかわりない。


「はあああああ!!」

「キキッ!?」

 その娘は炎のような髪を揺らしながら、化け物どもをあっという間に殲滅していった。

 それに目を奪われたのは言うまでもない。


 その娘は俺に気づいたのか、帰り血を浴びた剣を鞘に納めそして手袋を外し、

「大丈夫? 怪我はない?」

 そう言って手を差し出してきた。


 俺は彼女の手を握り返していた。



 手のひらを返すことになるがあえて言おう。

 やっぱり神様ってゆうもんは居るもんだ。

 それに・・・いい仕事するじゃん。

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