男子寮生の戯言
僕は、立花高専の学生寮「立明寮」の寮生だ。
名前? そんなもの、どうだっていいじゃないか。ネットだって、だいたい匿名だろう?
たまに、ツイッターなんかで問題投稿があったりすると、すぐ炎上して個人情報まで特定されちゃうじゃない。そういう奴って、だいたい名前とか学校名とかプリクラ載せてるだろ? だから、実名を書いたりするの、そういうのよくないと思うんだ。
あれ、言ったそばから、最初に学校名バラしちゃってんじゃん、僕。駄目だな、意識が足りないな……。
まぁ、とりあえず、名乗らないでおくことにする。別に武将の一騎打ちじゃないんだからね、気にしない気にしない。
これから、一寮生である僕の戯言にお付き合い願いたい。
☆
寮生の朝は、ラジオ体操から始まる。
点呼も兼ねているため、サボったら減点となる。あ、寮には規則があって、それを破ると減点になるんだ。減点が多ければ、次年度の入寮選考から外されたりするし、暴力・いじめなんかをすると即退寮になる。朝点呼の遅刻は小さい減点だけど、あまりしすぎると寮務主事の指導が入る。
話を戻そう。
ラジオ体操は、春から夏にかけては、すがすがしい気持ちでできるんだけど……。
夏は、暑い。もちろん寮の部屋にエアコンはついているけど、うちの寮はエアコンの使用時間が決まっていて、夜のあいだしか、かけることができない。つまり、起床するころにはエアコンが切れ、部屋の温度が上がっている。あ、ちなみに、寮は相部屋だから、二人とか三人分の熱気が部屋にこもるわけ。もう、起きたときには寝汗でぐっしょりなんてことはザラじゃない。まぁ、こういうときは扇風機が大活躍するわけなんだけど。
うん、また話が逸れてるね。
夏は、熱気が躰に溜まったまま寮の外に出てラジオ体操をするもんだから、暑いったらありゃしない。朝六時過ぎには、もう太陽も燦々としてるわけだし、体操が終わるころには汗だくなんてことも少なくない……こともない。そんなに激しい運動じゃないしね。
秋口は一番過ごしやすい。涼しい風を全身に受けながらするラジオ体操は最高だ……というわけでもない。ほんとは、もっと寝ていたい。オフトゥン(お布団)の呪縛からはみんな逃れられないのだから。まぁ、減点されるのも嫌なわけだし、夏ほどの不快感を覚えるわけでもないので、僕らはラジオ体操へ向かうわけだ。
でも、いつまでも過ごしやすい気候が続くかと言えば、そうでもない。日本には四季があるからね。地軸が傾いていなければこんなことにはならなかった。
そうだなー……、十一月に入るころからかな、朝がぐっと冷え込むのは。そりゃもう、冷たい風が吹き荒れるなか、外に出ていくわけですよ。寒いのに。たまに半袖を着てる奴もいたけど、そんな奴を見るとこっちまで鳥肌が立つ。まぁ……目覚めることには目覚めるから、寝起きにはちょうどいいのかもしれない。いや、よくない。
ずっとラジオ体操があるかといえば、そうでもない。試験まえや試験期間中は、ラジオ体操が無くなるんだ。それで、その期間は、いつもより少し遅い時間までぐっすりできるわけ。え? 早起きして勉強しろよ、だって? 夜にがんばってるから、いいんですよ、別に。高専生は徹夜が大好きだから。ゴミ箱を覗いて見ても、栄養ドリンクとか眠気覚ましのドリンクばっかだしね。
そして、ラジオ体操のあとは、食堂で朝食をとる。
軽い運動をして、脳も躰も覚醒した状態でとる朝食はおいしい! うん! おいしいよ! お、おいしいんだからっ! これ以上は知らぬが仏なの!
とまぁ、寮生の友人たちと楽しく朝食をとるわけなんですね、えぇ。朝食をとらずに、部屋で寝ている学生も多いみたいなんだけど。やっぱり、朝食はちゃんととらないとね。いや、食べたくない気持ちもわかりますけど、朝の養分補給は重要なんですよ、みなさん。
ご飯かパンかは選べるから、割と良心的。でも、日本人ならお米食べろ! あ、いえいえ、何でもないんですよ。無視してください……。
おいしいおいしい朝食を食べたあとは、自分の部屋に帰って、登校の準備をする。
学生寮は高専の敷地内に設置されているから、通学の時間は数分。JRやバスを利用して数十分、何時間もかけて学校にくるよりは、ずっといいと思う。そのうえ、寮はあまりお金がかからない。下手に下宿するよりは何倍もいい。
ということで、登校のまでの時間、ギリギリまで寝ている寮生もよく見かける。朝食をとらないのは、だいたいがこういう寮生。
ずっとオフトゥンに潜っていたい、スヤァ( ˘ω˘)していたい人には超オススメなのが、学生寮。十分な睡眠時間が確保できる、これが一番のメリットだ!
……と、オフトゥンが恋しい人には、高専の学寮に入ることを強くおすすめしておきますね。(:3[___]
でも! 登校拒否をしないよう、注意しなければならない。ずっと寝ていたい気持ちはわかるけど、世の中は残酷なもので、切り換えのできない人間は切られてしまう。退寮したくなければ、オフトゥンから出る能力を身につけることも重要となってきてしまうんだ。
とまぁ、熱く(?)語っちゃったけれども、寮生の朝はこんな感じ。
一応ここで終わっておくけど、また何かあれば、よろしく。