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第6幕 〜了解〜

「いいよ」

軽い……非常に軽い。和やかな主人は……

「軽い人……あ、いや、本当にいいんですか?自分で言うのもあれですが、こんな摩訶不思議なお話で」

シイノさんの事、今日ドームの天井を壊して欲しい事、全て話した結果だった。

「まあ、石尾さんに嘘をつく利点があるとも思えねぇし、可愛いシイノトモシビタケの願いとあればな」

物わかりのいい人で良かった。

「しかし、俺もしゃべりてぇなあ」

「シイノさんとですか?」

私は手の上に乗せていたシイノさんを主人の方に差し出した。

「シイノさん?」

「シイノトモシビタケなんで……」

「なんか可愛くねぇな。娘みたいなもんなんだろう?じゃあよう灯り(あかり)ちゃんにしよう」

「あかりちゃん」

シイノさんは嬉しそうに、私を見ていた。

「しかし、ただのキノコ泥棒にしか見えねぇけどな」

主人には私が、シイノトモシビタケを手の上に乗せているとしか見えていなかった。

「まあでも、俺はいいんだけどよ……あいつがどう言うかだなあ」

「あいつ?」

「いや俺と同じ発起人の一人なんだけど、まあ実質ほぼリーダーというか、牧田っていう奴なんだけどね」

和やかな主人の顔が、苦笑いに変わる。

「あれが堅物なんだよなあ...まあ一回連絡してみるわ」

そう言うと主人は、自室へと消えて行った。

「あの方は、良い方ですね」

手の上のシイノさんが言った。

「ええ、とてつもなく。シイノさんはついてますよ。ただ......このまま順調にいけばいいんですが」

その牧田さんという方が、果たしてどのような反応をするのか。堅物な人……自分の正義を貫くような人はややこしいと認識している。

「あの...」

シイノさんは、私の手の上でモジモジしている。

「なんでしょ?...まあ心配してもあれですので、とりあえず結果を待ちましょう」

「ああ、はい。それもそうなんですが...」

「はい?」

「あの...私のことを...あかりちゃんとですね、決まったかな?...なんて」

恥ずかしそうな笑顔を向けられた。とても女の子らしいキノコ。

「なるほど...あかりさん」

「さん?」

「ちゃんは、私には無理です」

きっぱり断った。

「ちゃん付けで呼ぶのは、恥ずかしいのです私は」

こう見えてシャイなのだ私は。

「そうですか」

あかりさんは少し残念そうだったが、それでも嬉しそうだった。そんなあかりさんから顔を上げて、部屋に帰ろうとした目の前に、主人の奥さんが立っていた。その目は冷たい眼差しで軽蔑という感情が色濃く出ていた。

「石尾さん...キノコと話すのがご趣味なんですね...。しかもそれ、シイノトモシビタケですよね」

そう言うと、奥さんは民宿中に響き渡る大きな声でご主人を呼びに行った。

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