最悪だ
SSSゲーム二回戦、今日は深夜の二時からである
前回寒空の中、待った挙げ句不戦勝だった事もあり今回はカズの家で待機する予定だ
「もうちょいで始まるな」
「相手チーム何て名前だっけ?」
「かぐや姫だってさ、女の子チームかね」
「だとしたら余り手荒い真似はしたくないよな」
「そうだな、素直に渡してくれれば良いんだけど」
コタツに入りながら談笑である
「ピー!」
急に発信機が鳴った、どうやら試合開始のようだ
「これせめて自転車無いときついな」
カズが言い出す
発信機は町全体が映し出されアップ画面も可能なようだ。
自分達の五個の他に町の端に五個の反応がある
「遠いな」
小さな田舎町とはいえ、歩いたら一時間は確実に掛かってしまうだろう
「制限時間は二時間か、すぐに行くべきだろう」
ガシャン!!
俺達が立ち上がろうとした瞬間、窓ガラスが割れドアからバットを持った連中がなだれ込んできた。
俺達は状況を理解する事すらできずバットの一撃を喰らった
フルフェイスを被った男達が言う
「こいつら素人だな、よく一回戦突破できたもんだ」
「玉も全部ここに置いてありやがる」
「ラッキーだな、こんなので三回戦進出だ」
俺達の玉が奪われるとどこからか携帯の鳴る音が……
そこで俺の意識は無くなった
次目が覚めたのは病院だった。
前の椅子にカズが座っている、どうやら腕を折った様だ。首から三角巾をかけている
「気がついたか、気分はどうだ?」
「最悪だ」
身体が痛くて動けない上に吐き気までしている
「舐めてたな、まさかあんなに何でも有りだとは。下手したら死んでいた」
「そうか、あれはSSSだったのか」
カズに言われやっと状況が呑み込めた
そこで思い出す
「シンゴは?」
カズが俯きながら重々しく口を開く
「重症だ、まだ目が覚めない」
言葉を失った
「とにかく休め、どうせ動けないだろ。これからどうするにしても骨折くらい治さないとな」
カズは立ち上がりシンゴの様子を見てくると部屋を出て行った
これからどうするか、か