待つしかないか
「少し考えてみたんだけどさ、不戦勝って結構あるんじゃないかな?」
「何で?」
「だってさ、俺達みたいに登録だけしてみたけど、やっぱり面倒になったりする人多そうな気がしないか?」
「それに、ただでさえ胡散臭いサイトで登録の上に送られて来た玉と発信機はかなりしっかりしたものだったし。……ビビって辞めちゃう人も居るだろうな」
「言われてみればそうだな」
俺達は次の作戦会議を開こうと学校が終わってからカズの家に集まったのだが、話題は昨日の不戦勝の話ばかりだ
「不思議なのは急に辞めてもデメリットも特に無いんだよな」
「だよな、参加費取られる訳でも無いし負けたってまた登録出来るみたいだし」
「やっぱデマなのかな?」
「うーんデマにしてはやけに凝りすぎてるんだよなぁ」
「凝ってると言えば玉と発信機は?」
「手紙の通り送り返しておいたよ」
送られて来た小包みの中には試合が終わった後に送り返す様にと書かれた手紙と郵送用の印紙も同封されていた
「本当に手が込んでるな、悪戯には思えない」
「ちなみに荷物が送られてきた場所と送る場所も違ってたぞ」
「優勝してみなきゃわからんな、いくら怪しんでも答えはでないよ」
不毛な話に終止符を打つべくシンゴが会話を締めてくれた
「そうだな」
「しかし前向きな話も次の試合の日もわからんからな」
「結局待つしかないか」
「前向きな案一つあるにはあるけど」
カズがやっと実になりそうな会話をしだした
「お、何かあるのか。勿体ぶらずに言えよ」
「案て程のもんでもないけど、オレ達が嘘の登録したら次も不戦勝になるかなって」
「なるほど!」
俺はすぐに登録しようとしたが
「だが対戦相手をどんな基準で決めてるかわからないし単純に他の参加者を喜ばせるだけになりそうだけどな」
と、補足した
「何だよ、それじゃ意味ないじゃねぇか」
「だから案て程のもんでもないって言っただろ」
「仕方ないよな、SSSは謎が多過ぎる。デマの可能性も含めてな」
「んじゃ、そろそろ帰るとするか」
「そうするか、いつ試合になっても良い様にちゃんと寝ておかないとな」
「はいよ、お疲れ〜」
俺達は次の作戦など全く立てられずに解散した
そして家に帰ると次の試合様の小包みが届いていたのだった