表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

7カ月かけて60万字改稿した話

作者: あきみらい
掲載日:2026/01/10


 なにやら改稿についてのお話を見かけたので、ちょこっとだけ語らせてください。


 タイトルそのまま。昨年、約60万字を7カ月間かけて、ひたすら見直し作業を行っていました。

期間中は、改稿を行っている作品の番外としての短編は週1で書いていましたが、新しいお話を書き始めることは自分に禁止していました。

新作を書き始めたら改稿を途中で投げ出してしまうのが目に見えていたから(苦笑)

実際、やっている期間、特に3か月過ぎた辺りでは、もう嫌だと半べそでした。

まさに改稿沼、改稿地獄です。

でも、きつかったけれど、やり終えた今はやって良かったと胸を張って言えます。


 では、順を追って、何故そうなったのか、何をしていたのかを話していきますね。




【何故そんなことになったの……?】


 該当作、私の代表作でもある『食堂の聖女』は、私にとって20年ぶりに書いた物語でした。

中学生から社会人1~2年目ぐらいまで、ひたすらルーズリーフに書き散らかして、数人の友人に見せるなんてことはやっていましたが、不特定多数に見える状態で書くのは初めて。

 なんで『小説家になろう』で書こうかと思ったかと言えば、単に名前を知っていたから、でした。

逆に言うと、ほぼ何も知らない状態から始めてしまったので、小説を書くお作法的なものも、Web小説の流行も、他の作家さん達との付き合い方も、何もかも分からない状態からのスタート。

なのに長編! しかもノンプロット!

今思えば、なんて無謀なことを(涙)


 そんな状態で書き始めたのには、実は理由がありました。

Xで普段から話をしている方には伝えてあるのですが、私自身には持病がありまして、今も少しずつ悪化しています。

小学生の娘にね。置手紙のように物語を置いていったら楽しいかな、なんて思いついてしまいまして。(笑)

自費出版でいいからこっそり本の形にして、自分の本棚に置いていけば、いつか娘に届くだろう。

そんな事情があったから、まずは完結させることが第1目標だったのです。

 執筆終盤、読者さんからの誤字報告に、もしや私の文章、そのまま印刷するにはかなりまずいのでは? と思い当たり、完結少し前に、印刷用に原稿の見直しをすることを決めました。

せっかくだから好きな絵柄の絵師様にイラストも描いて貰って、それを表紙にしよう。

全7章だから、7巻仕立てにしたら良いよね!

夢は風船のように膨らみます。……その後に地獄が待っているとも知らずに。




【改稿の計画を立てた】


 昨年3月半ばに物語は無事完結。

その際にはご祝儀のようにたくさんの反応を頂き、短期間ですがランキングにも載せてもらいました。本当にありがとうございました。

純粋無垢だった私は、もしかしてオファーがくるのでは、この体では受けられない、どうしよう?!と、かなり本気で悩みました。物知らずってこわいですね。内緒ですが3か月ぐらい本気でワクワクしていました。

 そんなおバカな私の心はさておき、完結したのだから印刷しなければなりません。

3月中はランキングに舞い上がり、浮かれポンチになりながら、まずは何をどうしたらいいのかを調べました。

どきどきしながら絵師様に連絡を取り、絵の依頼をしました。

自費出版向けの入門本を手に入れ、ぱらぱらとめくり、何を用意しなければなのか、どこを直さねばならないのか、頭の中でイメージを作りました。


 少しばかり文字数に波はあるけれど、物語は7章仕立て。

なら、1か月に1章ずつ直し印刷していけばいいんじゃない? 7カ月かけてやるならそこまで負担じゃないよね。冬ごろに本が全部完成するなら終活としても安心!


 慣れていないから、作業は3段階に分けてみよう。

★1段階目:書き出しの1段下げと、登場人物の口調のチェックなど

★2段階目:表記揺れと誤字・脱字チェックなど

★3段階目:説明不足なところの加筆など

これを1章、約40エピソードずつ、順にやっていけば良さそうかな。ノンプロットだったけどストーリーは破綻していないので章単位での見直しだけで大丈夫! 伏線もほぼほぼ回収できてるし!


……なんだか順番など色々おかしいですが、当時の私はこれで大丈夫!と思ってしまったのです。

えぇ、本気で初心者だったんです。ツッコミどころ満載なのは分かっているので、そこはぬるく見守ってください。




【改稿1段階目】


 まずは、『小説家になろう』の編集画面で出来ることから始めました。

本は読んでいたけれど、普段、文章のお作法なんてまったく意識していなかった私。しかも私自身は極振り状態の理系出身でして、真面目に中学卒業レベル程度の知識しか国語についてはなかったのです(汗)

普段使ってない内容は忘れてますし、ね。


 最初に見たのは、いわゆるお作法。

書き出しは一文字下げてね。「」の最後は「。」はつかないよ。

そういうレベルのところを、片っ端から機械的に直していきました。目についた誤字や脱字も一緒に直します。

一括変換? 使いませんとも。全部手作業です。目で見て確認して手で修正です。


 実は、長編だったこともあって第1章を通しで読むのは半年ぶりぐらいでした。

自分が書いた文章なのに忘れている所もあって、これが逆に中々良かったみたいです。

見ていると登場人物たちの口調も終盤に比べて微妙に違う。これも違和感がないようにここで調整を行いました。

 最終的に、1段階目と言いつつこの時点で作業中のエピソードを3~5回読み直しながらの作業になりました。

第1章は約6万字。1段階目でおよそ一週間。

頭を初期化するために、数日休む間に息抜きで番外の短編を書いたりしていました。




【改稿2段階目】


 2段階目ではWord先生にご指導をもらいました。

Excelさんとは普段から仕事でご一緒していたので仲良しだったのですが、Word先生は仕様書作る時ぐらいしかお付き合いがなかったので、知らない機能がいっぱい。

まず縦書き用のフォーマットを作るところでかなり翻弄されました。

デフォルト状態だと、2ページ並べた時に本のように右から左じゃなくて、左から右になってしまって非常に見辛い。ネットで検索してアラビア語設定を使えばいいと知り、やってみたらメニューなどが全部アラビア語になって叫んだとか、今ではいい想い出です。

それはさておき。


 Word先生の校正機能を使ってみることにしました。

すると、出てくる出てくる、あちこちに赤線と青線。

ら抜き言葉に、い抜き言葉(やってる→やっている、等)

1段階目で目に付くのは直したはずなのに、半べそレベルで誤字やら脱字、誤用の指摘が(汗)

これを片っ端から直していきます。

ものによってはセリフ内などで直す必要はなかったので、機能は使うけれど今回も全部手作業。


 漢字をひらくということを覚えたのもここでした。

表記揺れなどは手元にリストを作って、Wordの機能を使って検索し、見つけたもので修正して良いものはやっぱり手で修正。


 縦書きにしたことによって見た目が変わり、長い文なども目に付くようになりました。

なので、ここも手を入れていきます。文がシンプルになるように、分解したり並べ替えをしたり。

この時点でかなり文体がマシになった気がします。捻じれ文とかもそうと意識せずに直せていたようです。

2段階目も、なんだかんだと2~3回は読み直しをしていたように思います。


 ちなみに色んな人から音読や、機能を使っての音読再生は勧められたのですが、どうにも合わなくて使えませんでした。実は私自身が軽度ディスレクシアでして、目で読んだ文字を音読しようとすると脳内で変換が掛かってしまい、おかしなところは勝手に置き換わってしまって、まったく意味をなさなかったのです……(涙)

しかもWord先生の音読機能はイントネーション等の、本来と違うところが気になってしまいストレス過多で続けられず。折角教えて下さったのにすみません。無理でした。


 修正し終わったら、なろうの画面にもコピペして戻し……。2段階目もおよそ1週間かかりました。

ここでも、頭を初期化するために、数日休憩を入れました。

休憩期間中に短編を書くのがご褒美みたいになっていました。(苦笑)




【改稿3段階目】


 そして、いよいよ仕上げの3段階目。ここでは印刷用の原稿を作るのも同時にやっていました。

今回もWord先生を使っての作業です。

するのは、説明不足なところの加筆など。3段階目にして初めて内容重視の見直しに。……順番おかしくない? と思うのですが、そこは初心者なので仕方ありません。

ただ、ここまでの作業があったおかげで、やっと内容に集中できる状態になったというのもあったのかな、と。


 実際に何をしたのかと言えば、読者になったつもりでじっくり読みました。

読んでいて気になった箇所に一文追加してみたり、逆にくどく感じたところは削ってみたり。

場所によっては500字ほどの短いワンシーンを加筆も行いました。

多分一番改稿らしい改稿作業だったかなと思います。

これも調整しては読み返し、更に直して……と3回ぐらいずつ見直しをしていたと思います。


 そうして直したものを、印刷用のフォーマットにコピペして、再度読み直して体裁を整えたりしました。この作業も大体1週間ぐらい。

 



 ……こんな感じに3段階の修正作業をしていたのが第1章のラストまで。

予め少し余裕をもたせて計画していたので、予定通り1ヵ月で終わりました。

終わった後に試しに旦那に読んでもらったところ、格段に良くなったと評価が!

身内の言葉なのでどこまでが本当かは分かりませんが、とりあえずは印刷して良し、と自分で言えるところまでの改稿が終わりました。


 そう、まだ第1章が終わっただけです。これを7章分繰り返すのです。


 第2章も同じようにしようとしたのですが、自分でもびっくりしたことに第1章に比べて1段階目2段階目の直しが格段に少なくなっていました。

どうやら、第1章の執筆自体がリハビリとなり、頭の中が整理された結果が文章にも出ていた模様。

以降は1・2段階目を合わせたものと、3段階目という形で少しだけ簡略化しました。

ちなみに第3章、第4章と進むほど段々書き慣れていったようで、修正箇所は随分と減りました。

この歳になっても成長ってするんだ、と、しみじみしました(苦笑)


 冒頭にも書いた通り、途中第4章あたりを直している頃は、かなり疲れてヤサグレていました(汗)

やってもやっても終わらないし、やればやるだけ直す場所が見つかるのです。精神衛生的に良くないですよね。

しかも、連載をしてた時と違い、読者さんの反応なんていうご褒美もありません。

完結ブーストはとっくに切れて、ブックマークなどはありがたいことに少しずつ増えていましたが、PVも緩やかに減っていく。


 それでも、最後までやり切れたのは、たくさんの方に支えてもらえたからでした。

一巻ずつ描いて下さった絵師様の素敵な表紙絵だったり、それをお披露目すると反応してくれるX上での友人たちだったり、なろう内で読者さんから貰ったメッセージだったり。

本当にありがとうございました。お陰様でなんとか終わりました。


 今は、自分のお小遣いや絵師様の絵の都合などと折り合いをつけながら、ゆっくり印刷作業を進めています。

当初予定からは少し遅れていますが、すでに5巻目まで本のかたちになりました。

残り2巻。

全部揃ったら自分の本棚に収めるとともに、お世話になった方に配布しようかなと考えています。




 最後に、この長い改稿沼のおかげで私が得たものを紹介して結びとしますね。




【改稿沼で手に入れたもの(笑)】


 大きく分けて三つあるのかな、と。


 一つめは、極単純に書く力。

散々直しまくったおかげで、一段下げもその他諸々も執筆中に自然にできるようになっていました。

まだ変な癖はついていますが、まぁ、これは私の個性ってことでいいのかな、なんて(笑)

今作を読んでくれている旦那が言うには、気になるところの量は、前作と雲泥の差らしいです。

……本当かどうかは、正直私にはわかりません(苦笑)


 二つめは、作家仲間とのご縁と、知識。

直すにあたり、あちこちで情報を拾い集めてみたり、他の方々の作品を手に取ったおかげで、何人か、きっと書かなくなっても笑い合えるだろうなって作家仲間の友人が出来ました。

それに、多くの方から、小説に関係あることないこと様々な知識を分けてもらいました!

ありがとうございます。

知らないことを知る、ってやっぱり楽しいですよね♪


 三つめは、やり切った実績。

長編を書き切ること、そして、書き切っただけじゃなく放置せずに直し切ったこと。

これはやっぱり経験として大きかったなぁ、と。

次同じようなことをしようした時に、この経験が道しるべになってくれる。大丈夫、最後までいけるよって、私の背中を押してくれる。


 初心者マークついてたド素人が、ほぼ自力のみで行った見直し作業。

きっとプロの方やちゃんと勉強した方が見たら、まだまだ文章も粗く、拙いものだろうと思う。

それでも、きっとやった意味はあって、ちゃんとその経験は私の中で実を結びました。


 なかなかキツい作業だったので、同じことをしてごらんよとは誰にも勧められません。

でも、私自身はやって良かったと思います。




 ここまで読んで下さり、ありがとうございました。

これを読んで、あ、自分もちょっとやってみようかなと思った方が居たら楽しいなと思います。


 最後になりましたが、改めて感謝の言葉を。

前作および今作を書くにあたり、本当に沢山の方々に支えて頂いています。

ありがとうの言葉を何度重ねても足りませんが、今一度、言わせてください。

私の物語を見つけてくれて、ありがとう。


お陰様で、娘に置いていけそうです。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ