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焼きそばパンを巡って?  作者: 暦海


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2/6

幸い?

「おはよう、雪那ゆきなちゃ……あの、大丈夫?」

「……うん、大丈夫だよ暁人あきとくん」



 それから数分後。

 通学路にひっそりと佇む神社の前で、心配そうに声を掛けてくれるあどけない顔立ちの男の子。彼は斉川さいかわ暁人――私と同じ松代まつしろ高校の一年生でクラスメイト……そして、愛しの恋人だったりするわけで。


 なので、本来ならもっと前の地点から――願わくば、どちらかが家まで迎えに行って、そこから一緒に登校したいくらいなのだけど……如何せん、私達の家は校舎を挟みほぼ反対側に在するわけで。

 そういうわけで、間を取ったこの辺りでいつも待ち合わせをしている次第で……まあ、でも今日に限っては幸いか。絶叫あれとか見られてたら、早くも心折れそうだし。



「……あの、雪那ちゃん。その……ほんとに大丈夫? なんか、すっごく大変だって聞くし……ほんとに、無理しなくて良いんだよ?」 

「……暁人くん」


 そう、尚も心配そうに尋ねる暁人くん。……ほんとに優しいなぁ。だけど――


「――うん、大丈夫だよ暁人くん。今日は、私がばっちり食物を調達してくるからふんぞり返って待ってて!」

「いや、ふんぞり返りはしないけど……」


 ビシッとサムズアップしてそう伝えると、少し困ったように微笑み答える暁人くん。……まあ、私も全く想像出来ないけど、彼のそんな姿。


 ともあれ――いつも私にお弁当を作ってくれる暁人くんに、いつかお返しをしたいと思っていた。そして、その絶好の機会が本日と言うわけで――



 ――それから、数時間後。


 間もなく四限目が終わらんとする頃、俄に教室が慌ただしくなる。……いや、俄でもないか。数十分前……いや、朝のホームルームの時点で、大半の生徒がそわそわしてた感じだし。


 ――それから、数十秒経て。


 ――キーンコーンカーンコーン。


 チャイムが響くやいなや、即座に教室を駆け出していく生徒達。もちろん、負けじと私も駆け出し……うん、今日だけは最前列で良かった!




 その後、普段はまずお目にかかれない人混みを掻き分け到着した先は、購買――正確には、購買の前に広がるロビーの中で。


 そして、改めて見渡すと……うん、何とも溢れんばかりの人、人、人。これが通勤電車なら、きっと速攻で勤欲が落ちて……いや、元々ないか。あと、勤欲ってなんだ。


 ともあれ、時間が来たようで――卒然、黒一色に身を包んだ男子生徒が、メガホン片手に快活な声で告げる。



『――皆さま、本日はお集まりありがとうございます。間もなく、本日限定50食――スーパープレミア焼きそばパンの争奪戦を始めます!』


 ――直後、地鳴りのような歓声がロビー内に響き渡った。





 

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