第9話
‘ミト警備会社’の警備方法は最低だった……。女としてあり得ない‼
社員のうちの一人に政治家の息子とイチャコラさせて、その間に政治家の息子を狙う輩を倒していく。というやり方だった。
「なんです?あのやり方!」
と私がぷんすか社長に抗議しても、「アレがあの女のやり方なのよ」と返された。
うちは男性陣中心でいくみたいだけど、大丈夫なんだろうか?確かに警備対象として政治家の息子は楽しんだでしょうね。女と。それに対して、うちは男性陣。どうするんだろう?
「いつの時代だって男は楽しいのよ、冒険とかスリル」
とりあえず、社長を信じよう。
「お前が警護対象の政治家の息子か?」
「あれ?女はいないのか?」
「女はいないが、女がいないと死んでしまう病気とかか?」
「そんなものじゃない!それから、俺の名前は和幸だ!」
「長いからカズでいいな。俺はリヒト=ヴァン。ヴァンパイアだ」
「私は桧山正一」
「俺はネロ=エンドラ。これでも魔王」
「俺は大神芯矢。男子高校生で狼王だ。平日は警護できないから皆と遊ぶといい」
「まずは俺でいいな。カズを我が城に招待しよう。光栄に思うがいい。瘴気があるやもしれない。桧山に加護でもかけてもらえ」
初日はリヒトさんの空間。2日目はネロさんの空間に招待したそうだ。
「狼王の俺は亜空間に暮らしているわけじゃないから、亜空間はない!」
というと、カズさんはがっかりしたそうだ。
3日目はリヒトさんの空間。4日目はネロさんの空間。というように『亜空間体験』をし続けた。桧山さんは加護をかけていたのと、皆が部屋からいなくなるのを‘ミト警備会社’の連中に見られないようにダミーのような役割もしていた。必ず部屋に誰かいる。という。
5日目はリヒトさんの空間。6日目はネロさんの空間。6日目からは大神君も合流したらしい。7日目についてはカズさんの希望を聞いた。
「「どっちの空間がいい?」」
かなり食い気味に聞いてたので、カズさんが引いていたようだけど、カズさんとしてはRPGっぽいネロさんの空間の方を選択。リヒトさんとネロさんの中でネロさんが勝者のようになった(勝敗ないんだけど)。
カズさん曰く、「リヒトさんの空間は完成されていて、これからどうにかするって感じじゃなかった。拷問器具とかあったのはけっこうドキドキだったな。自分で使わないのに、コレクション?ネロさんの空間はさぁ、ネロさんの配下の人(?)とかもいてザ・RPGって感じだったんだよね」
この警護対決はカズの判定。
「女とイチャイチャはいつでもできるからさぁ。やっぱり、‘ツクヨミセキュリティ’の警備の方が良かったなぁ」
という判定だった。
「やっぱりね。男はどこまでいってもRPGの世界が好きなのよ。自分がRPGの世界を体験できたら最高じゃない?」
社長の読みは凄いと思う。
「こんなんで勝ったと思わない事ね!」
そう言って、‘ミト警備会社’の社長は帰っていった。塩を撒きたいところだけど、ダメージを受けちゃうメンバーが社員にいると思うと迂闊なことはできない。
社長は強いなぁ、色々と。
塩…撒けないのか…それもなんか悲しい。




