第8話
「社長、お客様です。‘ミト警備会社’の社長の山田みと様がいらっしゃいました」
「ああ?あいつがここに来たの?追い返してよ!」
「あーら、客に対しての対応がなってないんじゃなくて?」
「勝手に入ってきておいてどうかと思うわよ。なんなら不法侵入で警察を呼んでもいいのよ?」
この二人は幼稚園からの犬猿の仲で、使う武器も鉄扇。……ただ、‘ミト警備会社’は完全に多種族を排除するような姿勢で、‘ツクヨミセキュリティ’が多種族のトップで成功をおさめているのが、気に入らないようだ。
「あら?メンバーが増えたんじゃなくて?」
「ああ、彼女は堕天使のミシェル」
「天使まで配下にしているの?」
「まぁ、それだけ私の力が圧倒的というか、彼らをまとめられるのよね。他の人じゃこうはいかないでしょうけど?」
確かに他の人じゃこうはいかないだろうなぁ。
「貴女の警備会社じゃヒトしかいないじゃない。だから、警備に限界があるのよ。このご時世にヒトだけの会社は古臭いのよ。貴女の名前も古臭いし、まあ、お似合いね~?そういえば、貴女だけ時間が止まったような感じね。第2次性徴真っただ中かしら?」
‘ミト警備会社’の社長はまぁ、貧乳というかお子様体型だなぁ。そんなコンプレックスもあって社長に突っかかるんだろうなぁ。
「今度の警備で勝負をしない?」
「一銭にもならない仕事はしたくないのよね。ここのところ一銭にもならない仕事が重なって……」
なんだか申し訳ないです。警備で勝負?警備できれば万々歳じゃないの?勝負の分かれ目はどこなの?
「警備対象を楽しませながら警備をした方が勝利よ」
「構わないけど~」
社長!もっと考えて!ソファで足を組んでる場合じゃないですよ!
「警護対象は政治家の息子。次の2週間警護するのよ」
「いったい何から警護するの?」
「とにかく警護してほしいらしいわ」
胡散臭い。ちょっと占ってみましょう。うわっ、最悪。息子は女好きとか占いで出た。
「まずは私の会社の方で警護をさせてもらうわ。次の1週間は貴女の方で警護をしてちょうだい。話はそれだけよ。それじゃあね」
そう言って‘ミト警備会社’の社長は帰っていきました。
「社長、話は聞きました。あまりに胡散臭かったので、政治家の息子について占ってみました」
「あら、仕事が早いのね」
「えへへ~。じゃなくて!その政治家の息子、女癖が最悪です!」
「あの女が持ってきた仕事じゃないもの、その時点でまともな仕事じゃないことはわかるわ。よし!うちは男性陣で警備しましょう」
「はあ?」
私には社長の思惑が理解できなかった。
社長のライバル?自称?社長は歯牙にもかけてない感じだけど?




