第54話
30年経ちました!桧山さんが62才です。
「社長!この会社に年金とか退職とかそういうのはあるのでしょうか?」
そんな社長は20代前半のお姿をしております。
「はあ、福利厚生のこと考えてなかった。年金はいいけど、桧山が抜けるのは痛手よ。年金分給料に上乗せするから、退職しないで~!」
確かにね。桧山さんの力はネロさんが嫌がるくらい強力だから、抜けられるのは痛手。
「それと、あんまりヒナタを甘やかさないで下さい。ハイブランドのお店を二人でウインドウショッピングしたんですか?やめて下さい。うちではそんな贅沢させてません!」
「あらそうなの?大人の女に成長してきたからちょっと一緒に買い物をって思ったんだけど」
ああ、昔のアレをやったのか…。荷物持ちは誰だったんだろう?
「桧山抜けんのか?俺の時代が来た!って感じだな」
「抜けないですよ?」
ネロさん的には抜けて欲しかったみたいです。
「桧山さんがいなくなると、私も困ります。疲れます」
ミシェルさんは覿面ですよね。
私・志和聖も47才なのですが、私の倒しもらしを大神君とレオンちゃんで取り合うという構図は続いています。
なんだかんだとこのメンバーの中で一番先に亡くなるのは桧山さんじゃないのかなぁ。天寿を全うして。
その次社長なんだけど、社長亡きあと、このツクヨミセキュリティは誰が継承していくんだろう?
「社長、社長の後継者とかって誰なんですか?」
「ふふふ、聞いて驚きなさい!桧山ヒナタちゃんよ!」
ハイブランドの服とか賄賂?
「魔力は最上家の血を引いてるからかしら?結構あるし、この鉄扇を継承するって約束しちゃったっ」
20代女性のてへぺろ。
桧山さんが怒っています。当然でしょうね!
「桧山。血圧上がるわよ?」
「誰のせいですか!」
「ヒナタちゃんねぇ、魔力も多いんだけど、なんと神聖力も使えるのよ~」
あの子スゴイ!桧山さんがブツブツと「そんなつもりで格闘技を習わせたつもりじゃないのに……」って言ってる。ちょっと不憫。
それからはヒナタちゃんがちょくちょく事務所に来るようになりました。
「確かに我々を従えるだけの魔力を持ってるみたい」
「で、桧山に似て神聖力が使えるんだろ?」
いいと思う。
社長が買い与えたの?ハイブランドのスーツ着たヒナタちゃんが来た。
「ヒ、ヒナタ~~~‼あれほど社長に似るんじゃないと言い聞かせて育てたのに……」
ハイブランドのスーツ着たヒナタちゃんは社長の昔にソックリ。いや、今も姿は変わらないんだけどね。
「どう?お姉様っぽい?」
「スッゲー社長っぽい」
それは肉をくれってこと?
「あ、聖さん!うさちゃんに会いたいなぁ。私に懐いてくれるかなぁ?」
その姿なら、怯えるかもしれない。
「普段の格好がいいかもしれない。うさちゃんね、怯えるのよ。社長を見ると」
「わかった。家で着替えてきますね」
数分後、普段着でヒナタちゃんがやってきた。
「それじゃあ、うさちゃんのところに行きましょうか?」
私とヒナタちゃんで志和神社に行くと、神社の参拝客様に囲まれているうさちゃんを発見。
「あ、うさちゃん!」
参拝客様が蜘蛛の子を散らすように去って行った。何故?
「えーっとね?こちら桧山ヒナタちゃん。何回かあってるでしょ?うんとねー。今の社長が亡くなったらこの子が二代目の社長になる事になったの。仲良くできる?」
「頑張る」
「いい子いい子」
「うさちゃんはいい子ですね」
「そうよ。うさちゃんはいい子なの」
会社の福利厚生は大事ですよね。桧山さんはなんか可哀そう…。ヒナタちゃんは楽しそうだけど。




