第49話
そんなわけで、桧山さんが会社を休む日が増えました。そんな時は皆「美月さん、なんかあったのかなぁ?」とか言ってたり、私なんかは美月さんの状態について占ったりしていました。
「桧山がいなくても大丈夫だろ?なんせ天使のミシェルがいるからなぁ」とはネロさん。神聖力、無限じゃないから一人でも多い方が助かるんです。
桧山さんがお休みだという連絡があった時はうさちゃんも一緒に事務所に行きます。うさちゃんも大事なツクヨミセキュリティの戦力です。
とは言っても、現在高校2年生の夏真っ盛り。私はそんなに興味がないのに、友人に「ひと夏のアバンチュールよ」などと言われる始末。
レオンちゃんは暑いって氷にしがみついているし。寒いのもダメだったのに…。
大神君はというと『ひと夏のアバンチュール』という女子高生に言い寄られて困っています。『アバンチュール』って何だ?食べ物か?と聞かれた時は返答に困りました。
「若い子が「ひと夏の経験」に憧れるのよ。その‘経験’の部分よ、アバンチュールは。食べれないわよ?」
「ひと夏の経験ってその経験で妊娠しちゃったらどうするんだ?」
「それはその時よ?だいたい男が責任をとって結婚ってパターンかしら?」
「俺は絶対ダメなやつじゃん」
「そうねぇ。結婚して、旦那が生肉食べてたらちょっと嫌ね。子供は普通に育てよう。とか思うわ。でもこの場合、フェンリルとヒトのハーフになっちゃうわ。困ったわね」
レオンちゃんが獅子王とヒトのハーフだからフェンリルとヒトのハーフもあり得る話だと思う。
「俺、この夏はずっと事務所の中にいよう。仕事の時以外。冷房利いてるし」
それがいいと思う。大神君の貞操の危機。プレゼントとかに媚薬が入ってたりしそう。怖いわぁ。
そうは言っても高校3年生の最後の夏にスポーツの戦力として大神君を助っ人にしたい部が結構あって、そちらからの依頼は受けるみたい。カラダを動かすの好きなんだよね。……頭使うの苦手だけど。部活動の助っ人の報酬は生肉!とは言えないから、ちょっとしたお菓子を貰う程度らしい。本音を言えば肉が欲しいらしいけど、それは無理があるから。部員全員で焼き肉バイキングならいいんじゃない?とアドバイスをしてみた。焼肉屋さんゴメンなさい。食べ盛りの男子高校生が食べ放題で食べまくります。
社長はデザイナーさんと桧山さんの新居について相談中です。
「本人の希望は、掃除がしやすい、アイランドキッチン、収納が多い、老後も考えた作り だそうよ。お願いできるかしら?」
「最上様からのご依頼ですので当方としましても全力で何パターンかデザインを用意して参ります。土地の方は?」
「アラヤダ。用意してなかったわ。同時にここに近い場所を押さえてもらえると助かるわ。金に糸目はつけないわよ」
「でしたら、すぐにでも取り掛かりたいと思います。他のお客様をお待たせしても、まぁいいでしょう」
他の方もお待たせしないであげて~!しかも事務所付近の土地って地価が高騰してるんじゃないですか!ナイスバディなのに太っ腹ですね。
アラヤダ。本当に忘れてました。しっかし金持ちって存在するんですよねぇ。強盗で1000万奪ったとかあるし。自宅に?とか思う庶民です。




