第33話
物理的攻撃でもないし、ごく普通に依頼として来たのですが、社長の今までの活躍を考えるとハッキリ言って遅い!
胡散臭いので、私は占いました。
『裏がある』と出ました。相手にするのが面倒だけど、コレを断ると恐らくネットとかにいろいろ書き込まれるんだろうなぁ。と思います。
アウラさんも魔法で視たようですが、胡散臭いようです。
まず、依頼主が名刺を渡してこなかったこと。こっちから連絡できないじゃないですか!ビジネスであり得ないですね。
しかし……土産に持ってきた生肉を大神君が既に食べてしまったので、こっちはその依頼を断ることが出来ません。
「で?何を?取材って色々あるじゃない?」
「そうですね、社長に密着24時みたいなものをこちらは考えています」
「どちらなの?名刺も受け取っていないわ。ビジネスパートナーとなるのに名刺もないんじゃ信頼はできないわ」
言ってしまえ~。
「だいたい、最近は依頼がないのよね。ミト警備会社に依頼した方がいいんじゃないの?」
「この時代に多種族で活動しているというのがいいのですよ!」
「ああ、そう。名刺を持ってきたらこの先の詳しい話を聞くわ。ルチアーノ、お帰りよ玄関まで送って差し上げて」
ルチアーノさん…すっかり執事ポジションですね。
「さて、私も」
社長の占いでも「胡散臭い。裏がある」と出ました。
「この落とし前はどうつけましょうか?」
「ただの社長のファンがこの家に来た。という事も考えられますよ?」
「ストーカー?嫌だ。考えてなかった。アウラ、ストーカーが入れないようにもしておいて」
「了解です」
社長は魔力が増えたので、アウラさんに頼むことも増えました。
数日後に依頼主がこの家に入ろうとしましたが、無理でした。ストーカーだったんですね。
「杞憂であってほしかった。ストーカーかぁ。まぁ?この美貌なら間違いなくいるでしょうけど?」
「自惚れてんじゃねーよ!俺はアウラさんが好きなんだよ!」
「あら、アウラのファン?アウラなら今、ルチアーノを連れて亜空間にいるわよ?亜空間で何をしているのかしらね~。オホホ」
社長はおちょくってるけど、ルチアーノさんは敬愛の念を抱いているだけですよ。
「ルチアーノさんにアウラさん好きなんですか?」とか聞いたら、「烏滸がましいです、自分なんぞ路傍の石ですよ」って言われました。そこまで卑下しなくても……。
「アンタみたいに俗っぽくなく気高く美しい。光り輝く彼女こそこの世の王、いや、神!」
「アウラは精霊王よ。十分俗っぽいわよ?昼寝するし、給与の割り増しを要求するし…」
「そんなのは彼女の仮の姿だ!」
ああ、この人は自分の理想像しか見えていないみたいですね。
「社長、読んだかしら?」
「ああ、アウラ。この人が言うアウラって俗っぽくなく気高く美しいらしいわよ?」
「気高く~はそうかもしれないけど、俗っぽいと思うけどなぁ?因みに今の推しはLOOKねぇ。まだインディーズだけど、これから伸びてくると思うのよ」
「へぇ、精霊王様がそう言うんだもの。彼らもやったわね!ちなみに株とかわからないの?」
「株は仕組みがわかりません」
「そっか残念。と、アウラはこんなのが真実の姿だけど?」
「嘘だぁぁぁぁ」
と走り去ってしまいました。そんなにショックだったの?推しがいる事。まぁすごく俗っぽいけど。
ただの理想像押しつけファンだったのかぁ。他のメンバーだってファンがいそうなものだけどなぁ。




