第32話
すごいな、社長の交渉術。どっちに転んでも地獄を見るという感じ。命が惜しければ社長に刀を渡すべきだけど……。
「この刀は……」
「お母様の魔力?それがお父様にとって心の拠り所?ふぅ、いい刀っていうのは折れやすいのよね。物理的にどうなのかしら?大神君!牙で折ってみて!」
「若造が!頭を真っ二つにしてくれる!」
「残念だけど、大神君はフェンリルなのよ。そんな簡単に魔力は吸えないし、斬れもしないわよ?」
大神君の力でバキっと刀が折れた。怪力だなぁ。学校の備品壊したらダメだよ。
折れた刀からは持ち主に魔力が戻っていったよう。
「あらあら、私にも魔力が戻ったみたい。これでアウラに特別給与を支払えるわね。あ~、ついでにミトからも私の魔力が抜けてるみたい。なんか目に見えるわ~。パパ活したのに残念だったわね。そもそもヒトばかりの事務所なんだから強い魔力は特別必要ないでしょ?あ、もしかして。私の真似して強い異種族を従えようとか思ってたの?馬鹿じゃないの?そいつらの‘王’が私のところにいるんだから無駄な抵抗よ」
社長のお母様の魔力は社長の鉄扇に戻っていった。そっかぁ、だから鉄扇がなくなった時に動揺したのかぁ。
今回の事で鉄扇がパワーアップしたみたい。社長のお母様の魔力が全部入ってるから。
社長のお父様は呆然自失状態。今後の財閥運営にも関わってくるんだろうなぁ。
「事務所も引っ越す必要がありそうね。簡単に部外者が侵入するようなとこはダメね」
「俺の学校に近いところにして下さい!」
大神君…学校でも寝てるのに、ギリギリまで寝てるつもりなの?
「うーん、ルチアーノはどうする?」
「できたら自然が豊かな所がいいのですが、そんなところはないので社長について行きます!」
精霊王のアウラさんを慕っていて、たまにアウラさんの亜空間に連れて行ってもらっていることを知っています。
慕うといっても恋い慕うわけではなく、敬うという感じですね。ルチアーノさんにとっては、アウラさんは神!って感じでしょう。
社長は買い物途中だったので、ポーンと一軒家を買ってしまいました。そこに大神君の部屋とルチアーノさんの部屋があります。
今度は物理的結界を5重に張って、どんな物理的攻撃もこの家には通用しません。社長に害をなす予定のものは敷地に入る事すらできません。入ろうとすると、まずルチアーノさんに連絡がいく仕組みになっています。ルチアーノさんが夜間だから、とお帰り願ったりという仕事をします。執事さんみたいですね。
社長に取材を申し込むという依頼がきました。今更?なんだか遅い気がします。
社長に取材??本当に今更ですよね。警備会社の優勝直後とかいろいろタイミングあったのに。




