第3話
警護当日、いつもならスカートの社長がパンツスーツで警護に向かったと大神君に聞いた。
「ねえねえ、聖ってば大神君と付き合ってるの?」
「違うよ~?バイト先が同じなの。その情報をちょっとね」
とてもじゃないけど、クラスメートに『‘ツクヨミセキュリティ’社員です。』とは言えない。
「大神君、カッコいいじゃん。八重歯も可愛い!あー、大神君なら噛まれてもいい!」
多分大神君に噛まれたら死ぬよ?
「大神君のどこがいいの?」
「聖ってば何も思わないの?ルックスもいいし、運動神経抜群じゃん!」
「学業悪いよね……」
「それはそれよ!目の保養にはいいわ~」
ふ~ん。私にはわからない世界。
社長がパンツスーツで行った理由は政治家のオヤジが血迷ってスカートの中に手を突っ込んでこないように。らしい。
パンツスーツの上から脚を撫でられるとかも気持ち悪いけどなぁ。今まさにその状態なの?社長!
「ふふふ、市川様おやめください(攻撃しちゃいそう)」
「君、私の専属の護衛にならないかい?いくらほしい?」
「私には仕事がありますので」
「その仕事の2倍は出すよ?」
「‘ツクヨミセキュリティ’は国家予算くらいの収入がありますよ?」
「なに?そうなのか?国は何をしているんだ?」
「私は今回何故市川様の警護に指名されたのでしょう?」
「君は魅力的だ。是非私の専属にと思ったのだがな」
「護衛の仕事がないのなら失礼します」
朔夜が車のドアを開けた途端に禍々しい気配を感じた。
「あー、これはネロの配下の?誰?」
「あの魔王など過去の遺物だ。ヒトになど使われて!王たる者として情けない!」
「で?もうすぐネロが来ると思うけど?あ、来た。早いわね~」
「お~ま~え~!社長を怒らせてんじゃねーよ。社長!こいつがスイマセン!もう俺がボコボコにしますから!」
「私にも1発やらせてくれない?こいつのせいであのギッシュなオヤジの警護をすることになったと思うと虫の居所が悪いのよね」
そう言って、社長は鉄扇で1発殴った。この時点でこいつは白目を剥いていたが、有言実行のために意識のない配下をボコボコに殴っておいた。
「さ、もう帰りましょう?こいつの意識がなくなった時点でギッシュなオヤジの耳鳴りとか偏頭痛が治ってるはずだし、用はないわ。安売りのスーパーで大神君が食べる生肉買って帰りましょう」
「社長、結構由々しき問題です!大神君が、大神君が…再試験を受けなきゃいけないことに!」
「バカだバカだと思ってたけど、そこまでなの?これは再教育が必要ね……」
大神君を除くツクヨミセキュリティのメンバー5人は皆、鳥肌が立った。
女王様でお金持ちだけど、安売りのスーパーでお買い物…なんか似合わない。大神君が食べ過ぎなのか?




