第13話
「あ~、なんか最近イライラするわね~」
「更年期障が…
大神君は発言の途中で帰ってきた鉄扇で気絶させられた。社長には年齢に関わるような事、言っちゃダメなのに…。それも年取りました~みたいな象徴の『更年期障害』は禁句でしょう?
「イライラの発散にショッピングに行きましょう!聖ちゃんもいっつも巫女の衣装ばっかりで着替えれば可愛いと思うのよね。荷物持ちに大神君とリヒト!さぁ、この4人で行くわよ!」
私はともかくとして、社長は美形のスーパープロポーションですし、大神君も学校でモテモテ。リヒトさんだって、細マッチョでオッドアイなのかな?そんな魅力もあるし、そんな美麗集団はとにかく目立つ‼
「いらっしゃいませ、最上様。ごゆるりと店内をご覧ください」
ここは…立ち入ることがためらわれるハイブランドのお店なんですけど……。社長はお得意様なんですか?
「今日はこの子を着飾るのにいい服を探してるのよ」
「それでしたら、本日入荷の服に良いものがあるので試着をしてみるとよいかと思います」
ひえ~っ。私が試着?なんか畏れ多い。爪は切ってある?爪痕でもつけたら賠償問題になりそうで怖い。
そう思いながらビクビク試着をしていたというのに社長は……。
「うーん、ここからここまでいただけるかしら?そうねぇ、荷物持ちにあの男達を連れてるんだけど、ちょっと野暮ったいわよね。もうちょっと洗練した服にかえてくれない?」
「かしこまりました。メンズ部門でも本日入荷の品がありますのでそちらなどどうかと思います」
「大神君、リヒト、試着してみてよ」
大神君には爪で服に傷をつけないように言っておいた。
試着後、
「やっぱり思った通り、聖ちゃんは洋装も似合うじゃない!」
「普段の制服はまるっきり洋装ですよ」
「彼女、高校生なんですか?てっきりもう高校は卒業されている方だと思いました」
「大神君とリヒトは?へぇ、馬子にもって感じね」
「この格好で外を歩くんですか?なんだか恥ずかしい」
「何を言うの?野暮ったい格好で私の傍を歩かれる私の方が恥ずかしいわよ!」
「リヒトは……ズボン丈が短い?」
「日本人サイズだと合わないようで……」
「つんつるてんだな」
大神君……店の雰囲気と言葉のチョイスが合わないよ?
「これ以外にないの?なんとかならない?」
「こればかりは……」
アウラさんがいたら魔法で丈を何とかしてもらうところだけど、いないし。
「敢えて、丈が短いものを履いてるんだオーラを出しなさい。社長命令よ」
無茶ぶりですね。
こんなことをあと2軒ハイブランドのお店で行い、社長のショッピングは幕を下ろしました。
同行しなかった桧山さんは自分で買うからと言い、ネロさん・アウラさん・ミシェルさんはそれぞれの世界での特有の織物を使った服を着ているので悪気は全くありません。
社長もそのことがわかっているので、何も言いません。
私とリヒトさんと大神君はヒトと同じ服なので、社長に声を掛けられたというわけです。
この日、私の全財産に衣服が加わりました。取り扱いですが、何でもクリーニングに出すそうです。面倒で箪笥の肥やしになる事間違いなしです。しかし社長に頂いたものですので虫に食われるなどの被害は絶対におこすわけにいかず、扱いが難しいのが私の悩みです。
つんつるてんってイマドキでも言うんですか?まさかの北海道弁??




