第12話
「私の鉄扇を盗もうとしている輩がいるってこと?」
「すでに盗んでいる可能性もありますけど」
「このまま追跡するわよ!」
社長のお怒りを買ったみたい。買った人は誰なんでしょう?
なんとその輩は首相官邸へ。
「何よ、12億を出し渋り?鉄扇を人質見たいにしようっての?それともこの私は鉄扇がなければ弱いとでも?」
なんて恐ろしいことを考えるんでしょう?
ツクヨミセキュリティのフルメンバー(高校生を除く)が首相官邸に乗り込んだ。入り口のセキュリティ?そんなもの、このフルメンバーにかかれば首相のSPなんぞ赤子のよう。
「ごきげんよう、首相。来月あたりに選挙があり忙しいんじゃないかしら?私の鉄扇を返して下さらない?」
「はて?何のことですかな?鉄扇?貴女のものではないのですか?」
「そうですよ。それが行方不明になったので、魔力をたどってきたところ辿り着いたのがここですの」
「魔力?そんなものを信じているのですか?」
「あらあら大変。他種族が嫌いアピールしちゃって、もうすぐ選挙だというのに。ここに入る方はみんな選挙権を持っていますよ?ヴァンパイア・神父・魔王・精霊王・天使。神父以外は魔力を持っていますよ?神父は神聖力でしたか?」
「はい、そうです。天使様も魔力ではなく神聖力ではないですか?」
「あ、そうでした」
「だそうですよ。首相だけが時代遅れなんです。私さえ魔力を持っているんですよ?ま、余談はここまでで、鉄扇をお返しください。今なら15億で勘弁します。先日の12億と合わせて27億ですね」
「SPはどうした?」
「はい、入り口の連中も中の連中も漏れなく戦闘不能になっています」
「その治療費を請求してもいいのだろうか?」
「まぁせいぜい50万くらいでしょうね。それよりも、鉄扇を返していただきます。そして、27億忘れずに振り込んでくださいね。分割でも構いませんよ?こちらには選挙に不利となる証言を録音したものがあることをお忘れなく。鉄扇をかえしていただければそれでいいのです」
「最終手段だ。あいつをここに連れて来い」
「あいつには27億も払わないでしょうに、まぁいいわ」
見るからに『俺は強いぜ?既に数人は手にかけてる』という男が出てきた。
「ふぅ、仕方ないわねぇ。リヒトさん、暴れる?」
「さっき、太陽の下でSP達と戯れたから疲れが……」
「ネロ、暴れていいわよ。あ、やっぱりほどほどに。建物は壊さないように。建物の修繕費とか支払わなきゃならなくなると面倒だから」
「了解です。それだと急所を一突きとかで終わってしまうのですが?」
「一突きする前にボコボコにすればいいじゃない?」
ネロさんがニヤリと笑った。
「随分余裕な話をしてるじゃねーか?俺は知る人ぞ知る、暴君ネロだぜ?」
「あー、その偽者さんかぁ。ご愁傷様」
「今日が命日ですか、貴方の魂が安らかに眠りますように」
「っお前らぁ、馬鹿にしやがって!」
と偽ネロは言うけれども、馬鹿だったのはネロさんのフリをしたからです。
ネロさんは予告通りにボコボコにし(普段配下にしているから慣れてる)、最後に一突きで終わったのです。
「これで終わりかしら?では27億頼みますね」
「最上朔夜嬢!ツクヨミセキュリティと専属で契約をしたい」
「ああ、そういう議員さんは過去にもいらっしゃいましたけど、その場合の金額ですが、国家予算程度ですがそれでもよろしいのですか?」
首相さんはそれ以上何も言えませんでした。
残念首相さんですね。偽物囲ってた時に偏頭痛とか起きなかったのかな?




