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プロローグ

挿絵(By みてみん)


 きっかけは、フルーツバスケットだった。

 正確には、フルーツバスケットの拡張版、なんでもバスケットとも呼ばれるゲームだ。

 まさかそんな。軽い冗談のつもりだった。

「それじゃ、その。…実は自分は、異世界からの転生者だよーっ、って人」

 誰も席を立つはずがない。軽い笑いが起こるだけ。そう思った。目の前の男女9名が、一斉に立ち上がるのを見るまでは。

 しかし一番驚いているのは質問した俺よりも、立ち上がった9名の方だったのかもしれない。

「え! ウソ!」

「マジで? 僕だけじゃなくて?」

「みんな、そうなの?」

「まさか、俺だけだと思ってたのに!」

 各々が驚嘆の声を上げ、それぞれの顔を見つめている、そんな密室。


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