六画目・墨滅会の襲撃
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〜山奥に聳え立つ城〜
蒜山「大塩様…ご報告があります。」
大塩「蒜山か入れ…」
水色の着物に身を包む巨漢の男、この男は墨滅会幹部
"大塩 十三郎"(おおしお じゅうざぶろう)である。
蒜山「本日、墨客学校の教師に襲撃を試みましたが…生徒に邪魔をされ撤退してしまいました。」
大塩「お前は素直な奴だ、嘘をつかない。俺はそういうところを評価している。」
蒜山「はっ、ありがたき幸せ。」
大塩「まぁ急ぐことはない、こちらは既に"部首を複数保有する方法"を発見した。」
蒜山「なんと…ついにできたのですね!」
大塩「あぁ…」大塩は葉巻を燻らす。
蒜山「またすぐにでも墨客学校の字操師を探し出して、襲撃に参ります!」
大塩「その必要はない…次の一手は打ってある。」
大塩はゆっくりとまばたきをした・・・
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〜墨客学校校庭〜
一二三「先日の墨霊討伐、ご苦労だった。正直君たちの成長に驚いている、もうお前たちは立派な字操師だ!」
生徒たちの顔に自信が宿る。
雪咲「そうよ!超立派よっ!」
一二三「お前…いたのか…」
雪咲「います!あなたの近くに!」
生徒たちは微妙な空気になった。
一二三「で、今日はこれから体力向上の走り込みをしようと思う。さぁ準備体操やるぞ!」
「え〜……」みんないやがった。
「えーーっ…」雪咲もいやがった。
・・・その時・・・
――――――――――
[[ドッオォォォォッン]]
――――――――――
ドデカい爆発音が地面を揺らす、校舎の窓ガラスが割れ壁全体にヒビが入った。
雪咲「なっなに?!?!」
桜木「何事ですの?!…」
生徒一同が困惑する中、上空から声が聞こえた。
???「筆法・墨霊懸腕」
一二三(筆法だと……)...
一二三「全員走れっッッ!!!」
次の瞬間、上空からおびただしい量の墨霊が落下してきたッ!!
一二三「11画・猫」続けて雪咲も反応した。
雪咲「冫・17画・冷凍!」
そして、生徒で唯一反応したものがいた。
「土偏・20画・壘!」城ヶ崎である。
猫が小さい墨霊を引っ掻き潰す、雪咲の冷凍が中型の墨霊を凍結させた。
そして城ヶ崎の壘で地面が窪み、大型の墨霊の落下をギリギリで避けたッ!!
慧一「くそ…反応できなかった。」
桜木「私もですわ…」
言葉を交わしている時間はない、辺りを見回すと墨霊がわんさかと唸り声をあげてせまっている。
先程、筆法で墨霊を具現化した男が降りてくる。
???「ふぅ…1人も潰せなかったか…さすが墨客学校…」
一二三「どうやら、墨滅会のようだな…」
???「そうです…」
この男の名前は"筒井 佐賀"(つつい さが)
筆法の使い手である。
一二三「まさか学校に襲撃に来るとは思わなかったよ。」
筒井「今日の目的は学校の破壊です、活動拠点を奪えとの命令で。」
一二三「お前ら!今日ここで全力を出しきれ!さもなくば明日は来ないぞ!!」
生徒「「「「「はい!!」」」」」
そして一人一人が自分にできる最善の行動をとった。防壁を作るもの、攻撃を仕掛けるもの、仲間を回復するものもいた…
――――――――――――
一二三「雪咲は生徒の援護に行ってくれ、コイツは俺が止める!」
雪咲「はいっ!!」
筒井「"一対一"ではありませんよ?僕には墨霊がいる。」
一二三「おれにも、けもの達がいる…召喚勝負と行こう….」
「けもの偏・32画・狐狼獅!」
一度に三匹の獣を出した、狼は遠距離、獅は近距離・狐は回復の用途である。
筒井「へぇ…ちゃっかりと回復まで用意するとは…なら僕も…」
「筆法・墨霊廻腕・スナイ」
[ギィィヨォォォ]高い鳴き声をあげ、現れたのは薄い水色のからだに、カニの目とゾウの脚を持ち直立する墨霊であった。
筒井「僕はこれ一体で十分です…」
一二三「舐められたもんだね…」
筒井「あくまでも目的は学校の破壊、字操師の抹殺は後回しです。とりあえず貴方の実力を測ります。」
一二三「いけぇっ!!」号令がかかり獣たちが動くッ!狼は墨霊の首に飛びついた、墨霊の体から墨のオーラが流れる胴体上部の無数の穴から人間の手が飛び出し、狼を掴んだ。
一二三「悪趣味だな….獅よいけ!」
獅は墨霊の足に噛みつくが…ダメージは入っていないようだ。
筒井「こんなもんですか?」
一二三(狼と獅だけでは無理か…あいつを使うしかない…)
一二三「けもの偏・38画・獄猛猿」
[バフゥーン]大量の煙と共に現れたのは地獄から現れたかのような憤怒に心を焼かれている猿であった。
一二三「こいつは誰の言うことも聞かない…目に入ったもの全てを攻撃する…」
[ヴォォォォッッッ]凄まじい怒号を放ち目の前の墨霊に飛びかかる、その巨体は動くたびに大地を揺らす。[ヴォァァァ]墨霊の頭に一撃が入るッ!墨霊は倒れた。
獄猛猿はすかさず頭を噛みちぎろうとする、墨霊の下半身から針が発射し獄猛猿の肩に強く刺さる…!
[ヴァァァ]その攻撃で獄猛猿はより怒りに飲まれる。両腕での無慈悲の連続打撃を墨霊の体におみまいするっ!
一二三(いいぞっ!こっちには狐もいる十分戦える)
「どうだ?悪くないだろ?」
筒井「強いですね…じゃあもう一匹。」
「筆法・墨霊枕腕・コング」
[ゴュァァァ]ゴリラに似た墨霊が現れる。
獄猛猿と睨み合い、一寸の静寂の後 打撃のラッシュ勝負が始まった[ゴンッゴンッシュッグブァ]両者の壮絶な打撃の交わし合いにより突風が巻き起こるッ!
一二三「獄猛猿と張り合うとは…」
やがて両者は力尽き消墨となった…。
ゾウ脚の墨霊も消え去った。
一二三「お互い、策がつきたか?」
筒井「?…僕はまだ部首をつかっていないですよ。」
「弓偏・18画・強引弓」
それはそれは大きな弓が現れ、矢が一二三めがけて飛ぶッ!
一二三「やっ…やばいっ、、」
[グゥーン]一二三の右肩に矢が刺さり鈍い音が響く。
一二三「ゔぁっ…ぅ」
筒井「勝負ありだよ〜ん」舐め腐った顔で煽る。
一二三「いや・・・まだおわってねぇ…」最後の力を振り絞り、構えに入る!
一二三「漢字創…」
漢字創成を発動しようとしたその時、聞き馴染みのある声がした。
校長「やめておけ一二三」
一二三「校長っ……」
校長「まだやるつもりならわしが相手じゃ」
筒井「校長先生かぁ…やめときます、強そうだから。」
筒井「筆法・墨霊」プロペラの生えた墨霊をだし、それに捕まって、空へと消えていった。
校長「大丈夫かの?」
一二三「情けねえ…」一二三の傷を狐が必死に癒していた。。。
―――――
〜つづく〜
〜人物紹介〜
"大塩 十三郎"(おおしお じゅうざぶろう)
墨滅会幹部 年齢38歳/黒髪/身長200cm/
保有部首は"氵"(さんずい)/葉巻を愛している。
"筒井 佐賀"(つつい さが)
墨滅会所属 年齢不明/赤髪/身長180cm/保有部首は弓偏/筆法を使い墨霊を具現化する。
〜用語解説〜
"筆法"(ひっぽう)
筆法とは、筆に墨を込めてそこから墨霊を発生させる技である。いくつかの種類があり、懸腕・提腕・枕腕・廻腕が存在する。




