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四画目・命のやりとり

コメントや反応をください。是非、知り合いに広めてください!よろしくお願いします。


〜次の日〜


「コケコッコー〜」鶏が鳴く。


「ふぁ〜朝か」慧一が目を擦りながら階段を降りる

家には誰もいない、一人暮らしである。 


 慧一が中学卒業後に両親は家を出た。父は大学で漢字研究をしていたが、ある日「まだ漢字の一つも理解できていない」と旅に出た。母は書道家であり出張教室を開くため全国を飛び回っている。


家の中には幼い頃から家族で楽しんだ、書道の作品が張り巡らされている。


(とめ・はね・はらい・ちゃんとしろって怒られたなぁ…)そんな事を考えている慧一であった。


〜墨客学校校庭〜


一二三「今日から墨霊の討伐に挑戦してもらう。

前回組んだチームでの行動だ。俺1人では対応できないため応援の教師を呼んだ。」


?「はぁ〜い、みなさんよろしくネっ!」

女は色気のある声で挨拶した。


一二三「彼女は"雪咲 瞳"(ゆきさき ひとみ)

他クラスの担任だが、今回は付き添ってもらう。」

   「慧一チームは俺と来い、残りは雪咲と行動だ。」


雪咲「もうっ//瞳って呼んでよぉ…いじわる」

雪咲の甘えた声にクラスはシーンとなる。


一二三「ゴッホン..ともかく墨霊討伐に街に向かう、ここからは実戦であり、命のやりとりであることを忘れるな。出発!」

一二三の号令と共に生徒はそれぞれのチームに別れた。


雪咲「それじゃあ墨霊討伐にレッツゴーっ!みんなついてきて〜」彼女はテンションが高い。


一二三「慧一たちはこっちだ。」


桜木「どこへ向かいますの?」


一二三「ショッピングモールだ。」


―――――――――――――――――


〜ショッピングモール〜


慧一たちは街で一番のショッピングモールに着いた。平日だが人が多く賑わっている。


日輪「こんなところに、墨霊なんているの?」


一二三「あぁ、ここらで多数の目撃情報がある、周囲を散策しよう。」


桜木「平日の昼間にショッピングモールにいるのはなんだか背徳感がありますわね!」


紗織「ねぇ、見てあのスイーツ美味しそう。」


桜木「ホントですわ!あとで買いましょ。」


日輪「慧一くん、緊張してる?僕は緊張してる。」


慧一「あぁ緊張して当然さ、この間まで普通の学生だったんだから。でも、人を守れるなら俺は戦うよ。昔からテレビで見てたヒーローには憧れてたんだ。」


日輪「"ヒーロー"か、ちなみに守りたい人って紗織さんのこと?」日輪はにやけながら聞いた。


慧一「おぅ……」シャイな慧一である。


談笑をしていると、一二三の目の色が変わった。


一二三「止まれっ!あれだ。」


一二三の指さす方向には、二つの首を持つ足の長い、まるでキリンのような墨霊がいた。


一二三「俺が後方から支援する。できるだけお前たちで討伐しろ。」


慧一「こんな人が多いところで戦うの?!」


一二三「多少の被害には、目を瞑れ 今ここで仕留めなければ、後々どんなことになるかわからないからな。」


桜木「じ、じゃあ…いきますわよっ!」

  「木偏・9画・柳!!」


墨霊の体の下から柳の木が突出する。[ドンッ!]

大きな音と共にモールが揺れる、[グォワァァァツ]


墨霊は体を仰け反り慧一たちに目線をむける。

[シャァダァガァ]長い足を交差させ突進してくる。


日輪「くっ、くる」紗織「みんな、構えて!」


慧一「14画・銃」日輪「22画・車輪」


紗織「15画・縄」3人が同時に具現化する。


一二三(いいぞ…上出来だ。)


「おらぁっ!!」墨霊に対して銃をぶっ放す慧一

怯むことなく墨霊は向かってくる。


日輪「4人なら大丈夫さ!!」「ハッ!」


日輪は墨を込めて車輪を回転させ、激突させたッ!墨霊の体制が崩れる。


「チャンス!」紗織が縄を大きく振る、墨霊の足に一撃を入れたッ。


「私もっ!」「10画・(こん)!」床から木な根っこが生え墨霊の足に絡みつく。


「ナイスっ!」紗織がすかさず墨霊の顔に縄をふりつけた。


その時、墨霊の目から熱線が放たれ、紗織と桜木に直撃するッ!


紗織・桜木「「キャぁっっ!」」


日輪「ヤバイ!」日輪は車輪を墨霊の顔に当て熱線をずらす。


慧一「紗織ちゃんっ!」取り乱す慧一。


「金偏・10画・釘!」釘で墨霊の頭を床に固定する

[ヴォオォォァラ]恐ろしい雄叫びをあげ、墨霊の体が変態する。背中から翼が生え、周囲には触手が無数に伸び始めた。


―――――


一二三「まずいかっ?!!」


一二三が"けものへん"で動物を具現化しようとした時、背後から男の声がした…。


?「こんにちは」


一瞬、一二三の動きが止まる。声を聞いただけで只者ではないと理解したからだ。


男は続けた「墨客学校教師の一二三雄三さんですね?」男は丁寧な言葉遣いで尋ねた。


一二三「そうだが、それがどうした」一二三は警戒を高めた。


男「わたしは、"諸事情"により墨客学校の字操師を狩っているものです。そして貴方もその対象なんです。」男は眉毛をあげてニヤリと笑った。


一二三「そうか、俺を殺すならせめて名前ぐらい名乗ったらどうだ?」汗をかく一二三


男「これは失礼しました。わたしは"蒜山 草子"

(ひるぜん そうし)と申します。以後、お見知り置きを…まぁ"以後"なんてありませんが…」


蒜山が言葉を終えると同時にヒフミが動いたッ!


「けものへん・10画・狼!」具現化するなり蒜山に飛び付く狼、普通の狼の2倍は大きい。


蒜山「好戦的ですねぇ…だが…遅いっ!!!」


一二三「なっ…?!」一瞬にして一二三の背後に回る蒜山。


蒜山「永字八法・ソクっ!」強烈な打撃が一二三の脇腹に入るッ!


「ぐおぉ..」一二三は壁に直撃した。

一二三「はぁ…っ…〜"八法"の使い手か、、」


蒜山「いかにも」優越感溢れる顔でこたえた。


―――――――――――

"八法"とは、字操師は墨を人体に纏い、身体能力を底上げすることができるが。その中でも手脚に墨を集中させる漢拳体術の一つである。

―――――――――――


一二三が次の一手を考えている時、馴染みのある声がした。


「あれ?一二三先生じゃね?」「ホントだ!」

そこに居たのは、学校をサボって映画デートをしていた城ヶ崎と菱形であった。


一二三「お前ら、学校サボったなぁ…っ」


城ヶ崎「先生!ボロボロじゃん?!」


菱形「なんかやばい感じ…?」状況を理解していない2人。


蒜山「そこの2人は教え子ですか?なら墨客学校の字操師ということですね?…死んでもらいます。」


飛びかかる蒜山に、先ほどの狼が喰らいつくッ!


蒜山「チッ、邪魔ですねぇ」


城ヶ崎「なんか分かんないけど、戦うかぁ…」


菱形「しょうがないけど、せっかくのデートが台無し…もう」構える2人。


城ヶ崎「土偏・19画・土壁」一二三の前に土の壁が、現れ守られた。


一二三「すまない…」情けないと感じている顔だ。


菱形「さんづくり・26画・影彪(かげひょう)

虎の形をした黒い影が床に現れた。

  「いけぇっ!」床を泳ぐように影の虎が蒜山に向かう。


蒜山「くっ…影に打撃は効きませんねぇ。なら本体を狙うっ!!」上空に蹴り上がり狙いを定める。


蒜山「八法・ド」縦に振り下ろした手刀で菱形を狙う。


城ヶ崎「させるか!16画・土塊」硬い土の塊が上空の蒜山目掛けて飛ぶ。


一二三「10画・狽」2匹目の狼が現れ、蒜山の着地を狙うッ!


蒜山「だりぃなぁ…クソが…」苛立ちから言葉が乱れる。墨を脚に集中させ天井を強く蹴り距離をとって回避した。


蒜山「3対1は予想外です。今日のところはお暇させていただきます。勝負はまたの機会に、ご機嫌よう。」


一二三「待てっ!!」


まばたきする間に蒜山は姿を消した。


「なんだったんだぁ?」「さぁね?」

城ヶ崎と菱形はよくわかっていなかった。


―――――


一方、慧一たちは墨霊の攻撃に耐えていた。


桜木「皆さん、わたくしから離れないでください!」

桜木の木偏の力で周囲に木をはやし攻撃から身を守っていた。


日輪「このままじゃ、いずれやられるよ!」


慧一「わかってる、今どうにかする!」


墨霊の触手による連続攻撃と目からの熱線は"木"だけでは耐えられなかった。


紗織「糸偏・30画・縛練(ばくれん)

最初に動いたのは紗織だった。縛練で触手を絡めとり墨霊の体制を崩す。


続けて動いたのは日輪だ

「車偏・36画・轟輝(ごうき)」激しい輝きと音で墨霊の耳と目を潰す。熱線を止めたッ!!

  「もう、僕は墨がないよ!」


紗織「私も、使い切った!」2人は全力を出しきったのだ。


慧一「あとは2人でなんとかする!桜木行けるか!」


桜木「はい!ですわ。」


紗織(慧一…かっこいい…)こんな状況でも乙女だった。


慧一「金偏・13画・鉞」横たわる墨霊の首をはねるッ!「いまだっ!!」


桜木「木偏・24画・棘棺(とげひつぎ)!」

墨霊を無数の棘が着いた棺が永遠の眠りに導く。

[バタンッ]棺が閉まり、墨霊は静かになった。


日輪「やったぁ!倒せたんだね!」


桜木「凄いですわ!わたくしたち!」


抱き合う2人…喜びも一瞬であった。…


[ドッォーーーン]爆発音と共に墨霊が棺から羽を広げ舞い戻る。


日輪「ぇ……」桜木「あら……」紗織「……」

唖然とする3人、だが慧一は次の思考に移っていた。


慧一(もう…"あれ"をやるしかない…一か八か勝負だッ!!!)

"あれ"とは訓練で一二三が見せた"とっておきの技"である。


慧一「みんな…俺やってみるよ、大切な人が3人に増えたからね。」


息を整え、慧一が構えた・・・


彼の周囲に墨のオーラが発生する・・・


「"漢字創成"・・・」


〜つづく〜


〜人物紹介〜

"雪咲 瞳"(ゆきさき ひとみ)

墨客学校の教師である。年齢27歳/艶のあるロングヘア/身長170cm/保有部首は"冫"(にすい)/一二三に気がある。スタイルがいい。


"蒜山 草子"(ひるぜん そうし)

"諸事情"により墨客学校の字操師の殲滅が目的。年齢不明/身長183cm/綺麗な顔立ち/保有部首は不明/"八法"の使い手であり身体能力が並外れている。丁寧な言葉遣い。


〜用語解説〜

"八法"

八法とは"ソク・ロク・ド・テキ・サク・リャク・タク・タク"の8つからなる、漢拳体術(かんけんたいじゅつ)である。

体内の墨を身体に巡らせ、身体能力を向上させる。

8つの技はそれぞれ、(ソク・一点集中の打撃)(ロク・横殴りの打撃)(ド・縦の手刀)(テキ・前蹴り)(サク・右脚の横蹴り)(リャク・左腕はらい)(タク・左脚はらい)(タク・右脚はらい)である。

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