三画目・修行は続くよ
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その後、別のチームが鍵を探し出しみんなで晩飯にありつくことができた。
〜食事中〜
一二三「今日の訓練は上場だ、鍵を探し出し、おまけに"全チーム"が墨霊を討伐したんだからな。」
桜木「えっ?全チーム?私たちだけではなくて?」
一二三「あぁ、本当はお前たちの素養を見るために敢えて墨霊を放置してた。すまない…だが世界の未来のためなんだ…」複雑な顔をしている。
「あんなの余裕だったよ」ニヤケ顔で男が言った。
彼の名前は"城ヶ崎 帝"(じょうがさき みかど)
保有部首は"土"(つちへん)
彼も慧一のクラスメイトだが年はすこし上である。
紗織「で、先生"世界の未来のため"ってどういうことですか?」
一二三「言ってなかったな昨今、墨霊の動きが活発になっている。それは漢字の力を独占し世界を支配使用とする勢力の仕業なのさ。その恐ろしい計画を止めるために字操師たちが立ち向かっているが、うまくいっていない。中にはあっち側についてしまった字操師もいる。災難だよ…」
慧一「俺たちもその計画を止めるために戦うの?」
一二三「いずれはな…」
「とにかく、今日は飯食って寝ろ。明日は
字操師同士の戦い方について訓練する。おやすみ」
一二三は食堂を出た。教師がいなくなった途端生徒たちは自由になる。みんなでどんちゃん騒ぎしながら食事をして、楽しんだ。
〜次の日〜
一二三「今日は字操師同士の戦い方についての訓練だ。まず、相手の部首がわからない限り、迂闊に攻撃できない。慎重に様子を見ろ、そして相手の力量
すなわち墨の量を判断するんだ、漢字は具現化すると体の中の墨を消費する。墨が尽きると具現化できず袋叩きにされる。実際にやった方が早い。誰か2人前に出て戦ってくれ。」
空気が静かになった所で1人が手を挙げた。
城ヶ崎「俺がやるよ」ニヤケ顔で言った。
一二三「もうひとりいないか?」シーン
城ヶ崎「腰抜けばかりだな^_^」
慧一「やります!」昨日紗織が襲われたのを見て強くなりたいと慧一は思っていた。
一二三「よし、2人向かい合え。本当の戦いだと思ってやるんだ。」クラスの全員が息を呑む…
最初に動いたのは、慧一だった!!
慧一「金偏・13画・鉞!!」
城ヶ崎「おぉ〜斧か、かっこいいねえ」
慧一「うおぉぉっ!」声を上げ即座に飛び掛かる!
城ヶ崎「こわいねぇ〜...」目に力が入る
城ヶ崎「土偏・16画・壁!」
彼の足元から分厚い壁が競り上がった、慧一は攻撃を吸われ斧が壁に突き刺さった。
「くっっ…」すかさず、斧を引き抜き壁の裏へ周りこむ、
「そうはいかねぇ、」城ヶ崎は体の向きを変えた
城ヶ崎「13画…塊!!」上空から土の塊が慧一目掛けて落下した。
一二三「具現化を覚えて3日でこの戦闘…恐ろしいな。お前たち見ておけこれが字操師同士の戦いだ!!」生徒全員が固唾を飲んで見守る。
紗織「頑張って慧一!っ」
その声を聞いて慧一は次の一手に出る。
「10画・針!」上空の土の塊にニドールのような針が刺さり撃ち落とす。そして間髪いれず慧一は大きく斧を振りかぶった。
城ヶ崎「しまった、やられるっ….」その時、、
[バタンッッ]慧一は地面に倒れた。
一二三「墨を使いすぎたか…城ヶ崎もういい戻れ!」
城ヶ崎「ふぅ….危なかったぜ….」彼の表情からは余裕がなくなっていた。
紗織「大丈夫っ!?」慧一のもとへ走り出す紗織
慧一「う、うん。体の力が抜けたよ、これが"墨を使いすぎた"ってことなんだな。」グッタリしている。
一二三「今のような戦いは序の口だ、世の中にはもっと高度な字操師がゴロゴロいる。」
「ドキドキしますわ…」「僕も…」桜木と日輪は胸に手を当てた。
一二三「よし!この後はそれぞれが自分の部首の性質と戦闘方法を考えろ。この訓練施設にあるものは自由に使っていい。解散っ!!」
その号令と共に生徒たちは思うがままの訓練場に向かっていった。
―――――
「ねぇ、城ヶ崎ぃ、さっきのわざと手加減してあげたの?」女が城ヶ崎に甘えた声で話しかける。
彼女の名前は"菱形 瑠璃子"(ひしがた るりこ)
城ヶ崎とは友達以上恋人未満の関係である。
城ヶ崎「まぁな、でも"金偏"だとは思わなかったよ。」
菱形「金偏って、なんか特別なの?」首を傾げる。
城ヶ崎「あぁ、昔聞いたことがある、漢字の力をこの国に持ち込んだ男がいて、そいつの保有部首が"金偏"だったと。漢字文化の持ち込みを拒絶した勢力を皆殺しにしたんだとさ…御伽話だよ。」
菱形「へぇ〜」興味なさそうに答える。
「ねえこの訓練が終わったら、映画見に行こうよ!見たいホラー映画があるの!」
城ヶ崎「また、ホラーかよいいけど。」
2人はいい雰囲気である。
―――――
それから生徒たち各々の思うがままに訓練をした。
日輪「いくよ!桜木!」
桜木「どんとこいですわっ!!」
日輪「車偏・30画・輝輪!!」
いきなり、複数の漢字を合わせた字操をみせる日輪。その技で具現化されたのはメタリックな輝きを放つ巨大な車輪だった。
桜木「やりますわね!」桜木が構える。
「木偏・7画・杖!」小さな杖が一本現れた。
日輪「そんなんじゃ止められないよ?!」焦り気味に言った。
桜木「問題なしですわ!この杖に墨を込めてっ…」
「えぃっ……!」桜木が墨を込めて杖を振ると
地面から大きな成木が2本出現した。
その木に弾かれ、日輪の車輪はあらぬ方向へ飛び跳ねた。
日輪「やるね!でもまだ終わってない!」日輪が手を車輪の方に向け墨を込めた、車輪は向きを修正し、桜木に向かい速度を上げる。
桜木「ふんっ…私だって。」杖を投げ捨て続けた。
「木偏・8画・板!」桜木から車輪の方向に、分厚く大きな板が何十枚も現れ、車輪の衝撃を受け止め、やがて車輪は動きを止めた。
日輪「わぁ…すごいな、桜木さんの木偏は防御型なんだね。」日輪は口を開けながら言う。
桜木「ふんっ!自分の身は自分で守らなくてはねっ!!」腰手を当てて自慢げな顔である。
―――――
〜一方その頃〜
紗織「じゃあ慧一やろっか!」
慧一「おう!いつでもこい!」
紗織「糸偏・22画・縦糸」
紗織の周囲から縦の糸が出現し慧一めがけて飛んでいく。
慧一「速いっ…金偏・23画・鉄釜」
次の瞬間、慧一は大きな鉄釜の中にさっぱり隠れた。
紗織「あっ!ズルい!」紗織の放った縦糸は鉄釜に当たりブチっと千切れ消えた。
慧一「今度は、俺の番だ!10画・針っ!!」
数本の針が紗織に飛ぶ。
紗織「あっっ!!」紗織は反応が遅れ、針が腕に刺さってしまう。
慧一「あっ…ごめんね!!どうしよっ…」
顔が焦りでいっぱいになる慧一。
紗織「大丈夫、こんなこともできるんだよ。」
「糸偏・16画・縫」
小さな糸が紗織の体から生えて、傷口を縫い始めた。
「す…すごい。」慧一は驚いた。
紗織「昔ねお父さんが、裁縫が得意でよくぬいぐるみとか作ってもらってたんだ。だから、自分の部首が糸偏ですごく嬉しいな。」紗織はニコニコしながら言った。慧一はこの笑顔を絶対に守ると決めた
―――――
一二三「そこまで!全員集まれ、これで施設での訓練は終わりだが、最後に"とっておきの技"を見せてやる。少し退がれ!」
生徒たちは、一二三から距離をとった。
[ふぅ〜]一二三が息を整える。一瞬目に殺気が宿りすぐさま動いた。
一二三「"漢字創成"」
[ゴォーー]という音と共に一二三の周囲に墨の力が噴水のように湧き上がる。
一二三「"十干十二支"(じっかんじゅうにし)」
一二三の言葉と同時に具現化された十二支たちが煙を吹き上げながら現れる、どれも大きく。異質な見た目をしている。
「ふぅ〜こんな感じだ。」
[っ・・・]生徒たちはポカーンと呆気に取られている。
一二三「今のが、字操師のとっておきの技"漢字創成"だ。"一時的に自分の部首を含まない漢字を使える勿論、自分の部首に関係する対象でなくてはならない"。俺は"けものへん"だから動物を具現化できたんだ。」
紗織「すごい…」慧一「わぁ…」
一二三「大技であるからに、墨の消費量は甚大だ。
ここぞという時に使え、まぁお前たちはまだ使えないが、いずれできるようになる。いや…ならなきゃな。」
一二三「ってことで、2日間の訓練はこれで終わりだ。明日からは、今回組んでもらったチームで墨霊討伐に向かう。心の準備をしておくように。」
一二三「あと、帰りも山を下って歩いて帰るぞっ」
生徒たち「え〜〜〜〜」
なんやかんやありながら、それぞれが自分戦い方を理解し訓練は終わった。
まだ物語ははじまったばかりだ・・・
〜つづく〜
〜人物紹介〜
"城ヶ崎 帝"(じょうがさき みかど)
ナルシストで常に余裕の表情。年齢24/紺色の髪/身長179cm/保有部首は"土"(つちへん)/友達は少ない、水が苦手。
"菱形 瑠璃子"(ひしがた るりこ)
城ヶ崎とはいい雰囲気 年齢23歳/ピンクの髪色/身長164cm/保有部首は"彡"(さんづくり)/ホラーと甘いものが好き。