二画目・新しい日常
コメントや反応をください。是非、知り合いに広めてください!よろしくお願いします。
〜墨客学校校庭〜
一二三「さぁ!もっと走れ!そんなんじゃ字操師になれないぞ!」
生徒たちは校庭を何周も走らされていた。
「はぁ..はぁ....はっ...」慧一は汗だくで息を切らしている。
「もう少しだよ!頑張ろう慧一」紗織は慧一を励ます、黒髪のポニーテールがゆさゆさ揺れる。
一二三「そこまで!集合しろ。」
生徒たちは、疲れ切ってうなだれながら集合する。
一二三「お前たちには、体力の向上そして筋力が必要だこれからは毎日、体育だぞ!」一二三は笑いながら言った。
「先生ー、そういうのいいから早く実戦がしたいでーす。」1人の生徒が声をあげる。
彼の名前は"日輪 新太郎"(にちりん しんたろう)
保有部首は"車偏"(くるまへん)慧一や紗織より年下である。
一二三「ダメだ、お前たちは少し漢字を具現化しただけで、全く戦闘に使えない。今は訓練だ。」
「えー、、」新太郎は残念がる、彼は刺激を求めている。
「ちょっといいですか、先生」桜木が手を挙げた
「先生が先日言っていた墨霊とはどんなものでしょうか?」
一二三「墨霊は恨みのこもった文字から生まれる、そして人に危害やわ加える存在だ。倒せるのは漢字を操る字操師だ。手強いのがゴロゴロいるぞ。」
一二三「それでだ、突然だが明日から校外学習に行く。場所は山奥にある訓練施設だ、歴代の字操師たちも訓練した場所だ。今日の授業はこれで終わりだ、解散っ!」一二三は何処かへ行った。
「校外学習で訓練か・・」生徒たちはもう驚かない。墨霊というものを理解し、守りたいものがそれぞれにあるからだ。
「すっごく疲れたね。」紗織が慧一に話しかける。
「うん、クタクタだよ。」慧一は下を見ている。
紗織「先生っていつも突然だよね、でも明日からの校外学習も頑張ろうよ、私楽しみ。」笑顔で言った。紗織はかなりタフである。
〜次の日、校外学習〜
一二三「よし、集まったな。ここは墨霊の多い山奥だはぐれないようにしろよ。」
慧一ら生徒一同は郊外学習のため山奥にいた。
慧一「こんな山奥までくるのにまさか徒歩だとはおもわなかったよ。はぁ」
紗織「でもいいじゃん、クラスのみんなで山登りなんて楽しい!」笑顔である。
桜木「お二人とも!歩くのが遅いですわよ。」
スタスタと急勾配を登る桜木、とても元気だ。
日輪「おぇ〜っぇぇ」日輪は吐いていた。
一二三「着いたぞ、ここが墨客学校が秘密裏に所有する字操師訓練施設だ。」
そこにあったのは、禍々しいオーラを放つ寺のようなものだった。辺りには刃物や火災の跡が無数に目視でき、障害物や暴力的なアスレチックがあった
「ゴクッ…」生徒たちは息を飲んだ。
一二三「早速、訓練を始める。このクラスの中で4人組のチームを組んでもらう。そして施設の中に隠した"鍵"を探し出せ、その鍵は食糧庫を開けるための鍵だ探し出せなければ晩飯は抜きになる、わかったな?」到着早々、訓練が始まった。
紗織「ねぇ慧一、一緒に組もうよ。」
慧一「もちろん」慧一は内心飛び跳ねるほど喜んだ
紗織「そこの2人もどう?」目線の先には桜木と日輪がいた。
桜木「まぁ、組んであげてもいいですわよ?」
日輪「みなさん、よろしくお願いします。」
こうして慧一チームができた。他にも4人組のチームがもう一つできた。彼らの紹介は後で。
一二三「組めたな?よし、始めっ!!」
一二三の号令と共に2組のチームが一斉に動き出す。
紗織「どこから探そうか?」
桜木「あの、コンテナの山が怪しいですわ」
桜木が指をさしたさきにはコンテナが無造作に山積みになっていた。
慧一「行こうっ!」慧一は紗織に良い所を見せたいのである。
「まってよー」日輪は追いつくのに必死だ。
―――――
その頃一二三は神妙な面持ちだった。
(最近、墨霊の出没が活発になっている…やはり人々の心が荒み、文字を無闇につかっているからか…
ただでさえ字操師は"あの事件"で枯渇しているんだ彼らには必ず一人前になってもらわなければ……)
一二三の言う"あの事件"とは漢字の力を独占しようとした勢力とそれに反対した勢力の字操師同士の殺し合いである。
―――――
慧一チームはコンテナの山に登っていた。
桜木「みなさん、ありました〜?」
紗織「こっちにはないー」
慧一「ここにも無いよ、」鍵は見つからないようだ
日輪「あっ、なんかキラキラしたものが奥に見える!あれかも?」日輪がその物体に手を伸ばす。
-その時-
[ドッオオォォォン]大きな爆発音と共に、慧一たちは吹き飛ばされた。
そこに現れたのは4mほどあるミミズのような怪物だった。4人は一斉に視線を向ける。
紗織「もしかて、これが墨霊?……」
桜木「なんと恐ろしい、」
「ふぅわーん」日輪は頭を抱えて怯えた。
慧一「間違いないこれが墨霊だ、あの時見たやつと似てる。」慧一は覚悟の決まった顔をしていた。
4人は突然の出来事に固まってしまった。
一二三「何をしているっ!あの墨霊を倒さなければやられてしまうぞ!俺は手を貸さないからな自分たちでどうにかするんだ!!」一二三は生徒に試練を乗り越えて欲しいのだ。
最初に動いたのは意外にも日輪だった。
日輪「車偏・22画・車輪!!」
日輪の前に巨大な車輪が現れた、「いけぇっ!」
車輪は高速回転しながらミミズの墨霊めがけてぶつかった、墨霊は仰け反った。
桜木「すごい…わたくしも!!」桜木もそれに続く
「木偏・17画・檜っ!」
すると墨霊のいる地面からヒノキが槍のように飛び出し、墨霊の身体に直撃する。
「やったわ、わたくしも、闘える!」
紗織「すごい…….」驚いた紗織は気を抜いていた。
慧一「紗織ちゃんっ危ない!」墨霊の長い体が紗織を激突する。「きゃあっ」紗織は飛ばされた。
慧一「クソがぁ…絶対に勝つ…」怒りが湧いた
「金偏・13画・鉞」
慧一の右腕に斧が現れる、「おらぁっ!!」
墨霊に対して斧を強く振った、ミミズのように柔らかい肌に斧は刺さり黒い汁が吹き出した。
桜木「紗織さんっ 大丈夫かしら?!」
紗織「大丈夫、私も戦いたいっっ…!」立ち上がって、構えをとる紗織。
「糸偏・15画・縄…」
紗織の右手に縄が現れた、その形は歪で太さが統一されていなかった。
「えぇいっっっっ!!」大きく振りかぶり、その縄を墨霊に打ちつけた。
「ギャオオゥゥッ!」墨霊の肌が剥がれ落ちる。
桜木「みなさん!協力しましょう!全員でなら勝てますわぁっ!!」その言葉を聞き、無言の連携が始まった。
桜木の檜が墨霊を貫き、日輪の車輪が墨霊の攻撃をいなす。紗織の縄で体を拘束した。
紗織「やったぁ、倒せるかも…」
墨霊は必死になって頭にあるキラキラしたところを手で抑えた。
日輪「あの、キラキラしたとこが弱点なのか?」
慧一「任せろ!」高くジャンプした慧一が弱点に向かって斧を振り落とす。[グォォォアォッッ]墨霊は叫びを上げ、黒い汁を撒き散らしながら消えていった
「よっしゃぁぁぁっ!!」「やりましたわー!」
4人は抱き合って喜んだ。
―――――
一二三(なんて連携だ…)
一二三は後続を育てるという自分の役目を果たそうとしていた
―――――
桜木「まってください、みなさん、私たち鍵を探していたのでは?…」
「あっ……」この後必死になって鍵を探した。
〜つづく〜
〜人物紹介〜
"宮本 慧一"(みやもと けいいち)
この物語の主人公、年齢18歳/黒髪で短髪/身長は175cm/保有部首は"金"(かねへん)/幼い頃から書道を習いその流れで墨客学校に入学した。普段はおとなしいがやる時はやる男である。紗織のことが好き。
"月見山 紗織"(やまなし さおり)
ヒロイン、年齢18歳/黒髪ロングで普段はポニーテール/身長174cm/保有部首は"糸"(いとへん)/墨客学校には漢字が好きで入った。幼い頃に父親を墨霊の攻撃でなくしている。
"一二三 雄三"(ひふみ ゆうぞう)
墨客学校の教師で慧一たちの先生である。年齢41歳/白髪混じりの黒髪/身長184cm/保有部首は"犭"(けものへん)/あまり笑わないが、冗談は通じる。教師の仕事が終わると字操師として墨霊を討伐して腕を磨いている。
"桜木 弓" (さくらぎ ゆみ)
慧一のクラスメイト、年齢17歳/明るい金髪/身長160cm/保有部首は"木"(きへん)/実家がお金持ちのお嬢様で高飛車な性格。常に自信に満ちているので元気を貰える。鼻の形が可愛い。
"日輪 新太郎" (にちりん しんたろう)
慧一のクラスメイト、年齢16歳/紫に近い黒髪/身長168cm/保有部首は"車"(くるまへん)/脱力した猫背の青年だが、日常に刺激を求めている。字操師になって沢山戦いたいと思っている。