十四画目・ド覚悟
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蒜山 草子 保有部首不明
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宮本 慧一 保有部首"金"
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蒜山「さぁ…大塩様の戦闘の間、時間を稼ぎますよ。」静かに拳を握り構える…
慧一…(あの構えは体術使いか?
蒜山「永字八法…」一瞬にして姿を消すッ!
慧一「なっ…」
蒜山「サク!!」瞬間に背後に周り、強烈な蹴りを放つッ!!
[バックォッ!]蒜山の蹴りが慧一の脇腹にヒットした。
「ぅっぐ…」声にならない声を出し、慧一は吹き飛ばされだ。
蒜山「卑怯ですいません、手は抜かない主義なので…」いやらしく微笑む。
慧一「間違ってないよ…俺は強いからね。」
ニヤリと笑い返しハッタリをかました慧一
今の一撃で"覚悟"が決まったようだ。
慧一「オラぁッ!!」墨を身体中に回し攻撃を仕掛ける!
蒜山「あなたも体術ですか…付き合いますよ。」
2人は連続の体術を繰り出しぶつけ合った。
その打撃は空気を揺らし、蹴りは地面を削った…。
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〜場面は切り替わる〜
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陽毬 優雅 保有部首"⻌"しんにょう
vs
一二三 雄三 保有部首"犭"けものへん
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陽毬「足止めなんだけど、殺っちゃえそうだ!」
大きく目を開き、一二三を見つめる…
一二三「舐められたもんだな…」
陽毬「行くよっ!!26画・迅通速"じんつうそく"!!!」
砂埃を巻き上げ、超高速で一二三の周りを走るッ!
その速さは目視では確認できない…
一二三「頼む…21画・猫 狼!」2匹の獣が一二三の前後に構える。
陽毬「可愛い動物使って、自分は戦わないのぉ?」
痛い所を突かれる一二三…
陽毬「ドラッぁ!!」一二三に飛び掛かるが素早い猫パンチに間合いを狂わされ速度を落としたッ!
陽毬「うぅん…厄介だなぁ、アレ使うか!」
目を閉じて、呼吸を整えた…
陽毬「臨書"りんしょ"!!!」
地面に"⻌"の文字が刻まれ、陽毬の周囲は特殊な墨で形どられたッ!!
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"臨書"とは、体内の墨を外部に浸透させる事で、自身の墨の使用量を軽減する技である。周囲に特別な環境を作り出すこともある、高等な技で習得は難しい…
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陽毬「これやると、墨の節約がいらないんだよねぇ!なんも考えなくて良いから楽なんだっ!」
一二三…(その若さで臨書…恐ろしいな
一二三「っ…36画・獰猛狗"どうもうけん"!」
大型の土佐犬が召喚され、一二三を守る!
陽毬「かったるいなぁ…さっさと行くよっ!!」
陽毬は連続の技を繰り出し、獰猛狗がそれに対抗し攻撃をいなす…。
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〜場面は切り替わる〜
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筒井 佐賀 保有部首"弓"
vs
桜木 弓 保有部首"木"
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桜木「あなた!部首はなんですの?!教えてくれなきゃ私、不利ですわ!!」
素直に聞いちゃう桜木…
筒井「えぇ…ゆ、弓偏だけど…」
困惑しつつも答えてしまった筒井。
桜木「ふーん、わかりましたわ。」
筒井「き、君の部首は?…」
桜木「教えませんわっ!!」
ツンとした表情で切り返すッ!!
筒井…(えぇ…
お嬢様の気質についていけないのであった…。
桜木「いきますわよ!38画・業楼植"ごうろうしょく"」
筒井の下の地面から大きな木々がうねり生えるッ!
筒井…("木"か、拘束と防御だな…
瞬時に木々を回避し大きく回り込む!
筒井「弓偏・18画・強引弓"きょういんきゅう"」
大型の弓で的確に桜木を狙い打つ。
桜木「21画・木檗"こはく"!」桜木の周囲を大木が包み、矢を受け止める。
筒井…(ちょっと本気出すか。)目に力が入る!
筒井「34画・弩強張弔"どきょうばちょう"」
それは禍々しく暴力の象徴のような弓が2つ出現し、筒井の両脇に浮遊したッ!
筒井「ついでに…筆法・スナイ!」
ゾウ足の墨霊を筆法によって召喚する、筒井も防御と攻撃を兼ね備えた字操師であった。
桜木「困りましたわ…手数の多さで負けてます。」
筒井「大人げなかったかな…?」
桜木「やれるとこまでやります!…"杖"」
[ポンッ]一本の杖を握る桜木。
筒井「いけっ!!!」号令と共に、スナイと弓が桜木に集中砲火ッ!
(うぅっ、、)桜木は墨を杖に流し込み、木々を生やし攻撃を凌ぐしかなかった…
筒井「そんなんじゃ、持たないよっ!!」
墨を上げて弓の火力は上がっていくッ!
桜木…(も、もうダメ…ウグッッッッ
木々は無惨に削り取られ、桜木は弓の矢とスナイに叩きのめされた…
筒井「足止めの予定だけど…殺っちゃってもいいかな?」筒井は墨を流し、矢が桜木の脳天めがけて放たれるッッ!!
ーその時ー
?「女の子いじめちゃダメだよ?…」
甘い声になびく髪、一目でわかるイケメンが割り込んで攻撃を弾いたッ!!
筒井「あんた、誰だ??」
邪魔が入り不機嫌になる筒井…
「僕はヨリヒコ…墨客学校のものだよ…」
その正体は"薬師寺 ヨリヒコ"であった!
ヨリヒコ「まだやるなら、僕が相手だ…」
「艹・12画・葱"ねぎ"」
一本のネギを剣のように握る…
筒井「ネギぃ?!」びっくりして声が出た。
ヨリヒコは次々と弓の矢を捌き、墨霊に致命的なダメージを与えて討伐してしまった…
筒井「ネギ一本で…」
ヨリヒコ「この程度余裕さ、毎日野菜食ってるから。」
筒井「・・・」ポカンと言葉を失う筒井。
その時、大地が大きく揺れたッ!
後方から大塩の漢字創成で発生した大量の水が迫っていたのだッ!!
ヨリヒコ「やべぇ…なんだあの高波は…」
筒井「大塩様の仕業さ…あんたらじゃ止められないよ。」誇らしげに笑みを浮かべる
ヨリヒコ「どうする…」
少しの沈黙の最中、桜木がヨロヨロと立ち上がり口を開いた。
桜木「……"漢字…創成"……」
筒井・ヨリヒコ「なっ…?!?!」
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絶体絶命のピンチに駆けつけたヨリヒコだが
押し寄せる高波に思考が遅延した。
その時、瀕死に近い桜木が体を起こし口を開いた!
一体彼女の"漢字創成"とは?!
〜つづく〜
〜人物紹介〜
"宮本 慧一"(みやもと けいいち)
この物語の主人公、年齢18歳/黒髪で短髪/身長は175cm/保有部首は"金"(かねへん)/幼い頃から書道を習いその流れで墨客学校に入学した。やる時はやる男である。紗織のことが好き。
"月見山 紗織"(やまなし さおり)
ヒロイン、年齢18歳/黒髪ロングで普段はポニーテール/身長174cm/保有部首は"糸"(いとへん)/墨客学校には漢字が好きで入った。幼い頃に父親を墨霊の攻撃でなくしている。
"一二三 雄三"(ひふみ ゆうぞう)
墨客学校の教師で慧一たちの先生である。年齢41歳/白髪混じりの黒髪/身長184cm/保有部首は"犭"(けものへん)/あまり笑わないが、冗談は通じる。教師の仕事が終わると字操師として墨霊を討伐して腕を磨いている。
"桜木 弓" (さくらぎ ゆみ)
慧一のクラスメイト、年齢17歳/明るい金髪/身長160cm/保有部首は"木"(きへん)/実家がお金持ちのお嬢様で高飛車な性格。常に自信に満ちているので元気を貰える。鼻の形が可愛い。
"追鳥 司"(おどり つかさ)
慧一のクラスメイト 年齢25歳/髪を結んでいる/身長172cm/保有部首は"鬼"/影が薄く、よくいないと思われる。
"校長"(こうちょう)
墨客学校の校長である。本名"馬鈴 真左エ門"年齢81歳/白髪とモサモサの髭/身長181cm/保有部首は不明/常に楽観的であり、スケベじじいでもある。
"大塩 十三郎"(おおしお じゅうざぶろう)
墨滅会幹部 年齢38歳/黒髪/身長200cm/
保有部首は"氵"(さんずい)/葉巻を愛している。
"蒜山 草子"(ひるぜん そうし)
"諸事情"により墨客学校の字操師の殲滅が目的。年齢不明/身長183cm/綺麗な顔立ち/保有部首は不明/"八法"の使い手であり身体能力が並外れている。丁寧な言葉遣い。
"筒井 佐賀"(つつい さが)
墨滅会所属 年齢不明/赤髪/身長180cm/保有部首は弓偏/筆法を使い墨霊を具現化する。
"陽毬 優雅"(ひまり ゆうが)
墨滅会所属の字操師 年齢18歳/派手な髪色/身長180/保有部首は不明/大きい目が印象的、声がデカい。
"薬師寺 ヨリヒコ"(やくしじ よりひこ)
墨客学校の元生徒で現在は諜報員として活動。年齢28歳/イケメンにしか許されない髪型/身長188cm/保有部首は"艹"(くさかんむり)/諜報員なのにイケメンなのでとても目立っている。雪咲とは元クラスメイト。
〜用語解説〜
"漢字創成"(かんじそうせい)
漢字創成とは、字操師がここぞという時に出す大技である。字操師体内の墨を大量に消費するため、連発することは不可能に近い。技の概要と条件は"一時的に自分の部首を含まない漢字を使えるが、自分の部首に関係する具現化対象でなくてはならない"
"臨書"(りんしょ)
体内の墨を外部に浸透させる事で、自身の墨の使用量を軽減する技である。周囲に特別な環境を作り出すこともある、高等な技で習得は難しい…