十三画目・根性
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大塩 十三郎 保有部首"氵" & ソウケツ
vs
馬鈴 真左衛門(校長) 保有部首"石"
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校長「どうした?…かかって来るがよい。」
いつになく真剣な眼差しの校長…
大塩「一つ聞くが、"20年前の選択"あれは正しかったと思っているか?」
校長「あぁ、間違ってはいなかったと思っている。現にお前も一二三も生きているからな…」
大塩「俺の心はあの時で止まったままだっ!こんな思いなら死んでいた方がマシだろっ!!!」
校長「だからと言って、字操師の殲滅とは許されることではないな…」
校長は真っ直ぐ大塩を見て言った。
大塩「話にならないのは、あんたの方だ…」
大塩の体全体に墨のオーラが滲み出すッ!!!
大塩「氵・56画・潤滑淫泡洗!」
大量の泡の集まりが現れ、大塩の身体を包み込んだ。大きな天使の羽のようだ。
校長「変わらないな、大きな身体をしとるが内気なんじゃよお前は…」
大塩「うるさいっ!!」周囲の泡が、校長目掛けて飛ぶッ!!
校長「59画・磐磴硨碣」
広範囲がゴツゴツとした岩場に代わり、上空から石の塊が泡に当たり相殺した。
地面の岩場に落ちた泡は、重い音をたて岩を大きく削り弾けた。
大塩(石偏は環境に干渉する…おのずと向こうの有利になる。なら…
大塩「ソウケツ!援護しろっ!」
ソウケツ「ヴォォッ…」素早く校長の後ろに回り込んだ。
校長(この歳で2対1はきついのぉ…
大塩「おらあっ!」墨を脚に込めて、踏み込み校長に飛び掛かるッ!
「29画・泡漸求!」
泡の塊が一本の剣に変わり、校長に切り掛かる。
「ふぅんっっ!!」校長は腕に墨を込め、剣を受け止めたッ!
校長「正面からの攻撃…戦いに向かない性格なんじゃよ…」情け深い顔で話す。
「ガオッッ」[ドン!!]後ろからソウケツが校長に体当たりをかます!校長は身体をのけぞり飛ばされた。
「くっ…14画・碧…」
校長の拳が碧色の美しい石で覆われ、墨のオーラが溢れ出すッ!
「はっっ!」一気に距離を詰め、連続の漢拳体術で大塩の周囲の泡を弾いていく。年齢からは考えられないほどの速度だッ!
大塩(っち…衰えしらずが…隙を作ればやられる。ここで"部首を奪う"のは無理そうだな…
「ソウケツ!!」大塩は距離を取り、ソウケツが攻撃を引き受けた。
校長「この墨霊…他とは違うな」ソウケツから異質を感じ取った校長であった。
大塩「勝負を急ぐっ…」
大塩は高く飛び上がり構えに入ったッ!!!
「漢字創成 - 進海走乱 -(しんかいそうらん)」
一瞬の静けさの後、轟々と音を立て大地を揺らしながら、何処からともなく全てを飲み込むほどの水が見渡すかぎりの周囲を濁流で包み込んだッ!!!!
校長の石偏で形成した岩場は跡形もなく沈み、周囲は"海"そのものに変貌した…。
校長は瞬時にそれを感知し、上空へ飛び上がり海上に石で小さな足場を作っていた。
大塩「"環境の上書き"これぞ漢字創成の真髄…ですよね?先生…」誇らしげな顔で校長を見る。
校長「"氵"の強大な力、お前には不釣り合いじゃな…本来は墨霊を討伐し世に安定をもたらすのが使命じゃが…」
大塩「説教はいらねぇッ!!」
「34画・激流波!」海上から背丈をはるかに超える高波が迫るッ!!
校長「泡風呂小僧が…」目つきが変わり、墨を全開にした校長は構えに入ったッ!
「漢字創成 - 大同炭礦 -(だいどうたんこう)」
校長の足元一面が石炭に覆われた。
「これで足場ができたわい…」
「28画・礌砲!」石の塊が波を相殺する。
大塩「ただが、石炭だ。無駄に墨を消費しただけだな…」
校長「どうかな?」一瞬の隙に大塩に殴りかかる!
大塩「くっ…」
校長の体術は大塩を圧倒していた!周囲の泡と波はすでに事切れている…
大塩「っ…アレをやれソウケツ!俺諸共でいい!」
[ガゥオォォ]ソウケツは羽を生やし上空を旋回していた。
校長「あっ…すっかり忘れてあったわい」
急降下したソウケツは校長と大塩の付近で口を開いた…。
「- 説文解字 -」
校長と大塩はソウケツに体内の墨を逆流され、大きく臓器を攻撃されたッ!!
校長・大塩「ぐふぉっ!…」2人は口から血を吐き、石炭の山に落下した……
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少し時間を遡る、生徒達は同じく墨滅会の3人に囲まれていた…
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蒜山「さぁ…遊びましょうか。」
一二三「いいか!紗織と追鳥はゴリラの墨霊と、慧一は蒜山という男と、桜木は筆法使いと戦え!!俺はあのガキと戦う。」
一同「「「「はい!」」」」
陽毬「なんだとぉ!ガキじゃねえわっ!!ぶっ殺す!!!」陽毬は子供のように怒った!
蒜山「陽毬さん、落ち着いて。」
筒井「いや、お前はガキだぞ陽毬…」
陽毬「お前も言うのかよぉっ!」
慧一(こいつら仲良いなぁ…
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校長と大塩の両者はソウケツの攻撃で戦闘不能に、しかしまだ戦いは終わっていない。
墨滅会の若い字操師たちは慧一たちの前に立ち塞がったままだ!両者の小競り合いから、新たな感応が生まれるやもしれない…
次回!生徒たちの覚醒をお楽しみに!
〜つづく〜
〜人物紹介〜
"宮本 慧一"(みやもと けいいち)
この物語の主人公、年齢18歳/黒髪で短髪/身長は175cm/保有部首は"金"(かねへん)/幼い頃から書道を習いその流れで墨客学校に入学した。やる時はやる男である。紗織のことが好き。
"月見山 紗織"(やまなし さおり)
ヒロイン、年齢18歳/黒髪ロングで普段はポニーテール/身長174cm/保有部首は"糸"(いとへん)/墨客学校には漢字が好きで入った。幼い頃に父親を墨霊の攻撃でなくしている。
"一二三 雄三"(ひふみ ゆうぞう)
墨客学校の教師で慧一たちの先生である。年齢41歳/白髪混じりの黒髪/身長184cm/保有部首は"犭"(けものへん)/あまり笑わないが、冗談は通じる。教師の仕事が終わると字操師として墨霊を討伐して腕を磨いている。
"桜木 弓" (さくらぎ ゆみ)
慧一のクラスメイト、年齢17歳/明るい金髪/身長160cm/保有部首は"木"(きへん)/実家がお金持ちのお嬢様で高飛車な性格。常に自信に満ちているので元気を貰える。鼻の形が可愛い。
"追鳥 司"(おどり つかさ)
慧一のクラスメイト 年齢25歳/髪を結んでいる/身長172cm/保有部首は"鬼"/影が薄く、よくいないと思われる。
"校長"(こうちょう)
墨客学校の校長である。本名"馬鈴 真左エ門"年齢81歳/白髪とモサモサの髭/身長181cm/保有部首は不明/常に楽観的であり、スケベじじいでもある。
"大塩 十三郎"(おおしお じゅうざぶろう)
墨滅会幹部 年齢38歳/黒髪/身長200cm/
保有部首は"氵"(さんずい)/葉巻を愛している。
"蒜山 草子"(ひるぜん そうし)
"諸事情"により墨客学校の字操師の殲滅が目的。年齢不明/身長183cm/綺麗な顔立ち/保有部首は不明/"八法"の使い手であり身体能力が並外れている。丁寧な言葉遣い。
"筒井 佐賀"(つつい さが)
墨滅会所属 年齢不明/赤髪/身長180cm/保有部首は弓偏/筆法を使い墨霊を具現化する。
"陽毬 優雅"(ひまり ゆうが)
墨滅会所属の字操師 年齢18歳/派手な髪色/身長180/保有部首は不明/大きい目が印象的、声がデカい。
〜用語解説〜
"20年前の選択"
大塩と馬鈴そして一二三の3人には、忘れ難い過去がある。その出来事の影響で大塩は墨滅会に入ったと考えられる… 詳細は後ほど。
"部首を奪う"
どうやら他の字操師から部首を奪い、複数の部首を保有する方法があるらしい…
"漢字創成"(かんじそうせい)
漢字創成とは、字操師がここぞという時に出す大技である。字操師体内の墨を大量に消費するため、連発することは不可能に近い。技の概要と条件は"一時的に自分の部首を含まない漢字を使えるが、自分の部首に関係する具現化対象でなくてはならない。"