表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/17

十一画目・度胸と愛情

コメントや反応をください。是非、知り合いに広めてください!よろしくお願いします。


〜次の日・訓練2日目〜


校長「おはよう、今日の訓練はこの施設から北にある"霊山"に登る。そこには強力な宝"文房四宝"のひとつ魂の硯がある、それを取りに行くぞ。」


桜木「まさかまた山道ですの?!」


一二三「そうだ、脚に墨を貯めて走って行くぞ!これも訓練だ。」


慧一・紗織「え〜っ…」


一二三「えっーじゃない、行くぞ!」


5人が墨を使い高速で走り出すッ!


追鳥「あれ?…みんなは?…」追鳥は忘れられていた…。


〜山中〜


深い森を全力で駆け上がる5人…


紗織「はぁはぁ…まだなのぉ?」


校長「まだ半分も走ってないぞ!ハッハッハ」


「あっ、わたくしいいこと思い付きましたの!」桜木が何かを閃いたッ!

「木偏・11画・梟!」(ふくろう)

大きな梟が現れて桜木をつかみ飛行するッ!


紗織「あっ!ズルいっ!!」


一二三「ズルい事なんてないさ…字操師には柔軟な思考が求められるからな。」


一二三は狼にまたがりながら言った。


慧一「あんたもかよっ!!」


[ドシドシドシッ]背後から大きな足音が響いた。


慧一「あっ!追鳥っ!忘れてた…」


[グォォォッ]追鳥は"魘鬼"を使い、鬼の身体能力で5人を追い越して行った!


校長「やるわい…速度を上げるぞい…」加速する校長。


紗織「もう無理…」慧一「紗織ちゃん俺の墨をあげるよ…」

慧一は紗織の肩に手を置き墨を分け与えた。


紗織「ありがとう…///」こんな時でも乙女である。


〜40分程走った〜


校長「ここじゃ…この洞窟の中に宝がある。5人で行きなさい、ワシは先に施設に戻っておるからの。」校長は来た道を戻った。


慧一「いっちゃったよ…」


桜木「まぁ、入りましょ!宝なんて箱に入っているだけでしょう…」


紗織「そうだね!」慧一(そうかなぁ・・


5人は洞窟に足を踏み入れた、中は暗くジメジメしている。


桜木「湿気てますわねぇ」


紗織「うぅっ…コウモリいる…」


奥へと進んでいくが特に何もない。


暇を持て余した慧一が話しかける。


慧一「ねぇ先生と校長ってどんな関係なの?」


一二三「俺は昔、校長のクラスの生徒だった…すごく厳しい人だったよ。」


慧一「へぇ…長い付き合いなんだね!じゃあ先生も校長になって俺は先生になるかも?!…」


一二三「その時は顎で使ってやるよ!」笑いながら言った。


その時、開けた場所が現れた。


紗織「急に広い空間だね…」


桜木「細い道の先に広い空間…ボス戦かもですわっ!」桜木はゲーマーだった。


慧一「あっ!あそこに箱があるよ!」

慧一の指さす方には茶色い木箱があった。


桜木「さっそく、ちょうだいしましょ!」


一二三「待てっ!手前に誰かいる…」


箱の下の階段に何者かが座っていた。


一二三「何者だっっ…!!」


その人物はゆっくりと立ち上がった。


?「宝を取りに来たのか…?」

朽ち果てた体を持ち、しゃがれた声で喋る。


一二三「何者だ?…」


?「私は"鉅子"(きょし)試練を与えるもの…」

鉅子「お前たちがこの宝をもつに相応しいか、器を測る…あれを見ろ」

 指さす先には立方体の黒い大岩があった。

「あれを破壊して見せろ…できれば宝を渡す。」


桜木「そんなの簡単ですわ…」


桜木「木偏・38画・業楼植!!」


5本の太い成木と棘のついた幹が大岩に突き刺さる。が表面に傷がついただけだ…。


桜木「あら…」肩を落とす桜木。


紗織「私もやる!糸偏・41画・絶練線!」


強靭な糸が高速で飛ぶ!が…表面を削っただけだ。

紗織「ダメか…」


鉅子「あの大岩を壊すには、連携が必要だ。使える技を組み合わせ、もっとも破壊力を出せるようにするんだ。」


慧一「よし!力を合わせよう!」拳を鳴らす。


紗織「うん!」桜木「えぇっ!」


慧一「先生もだよ!」一二三「そうだな…。」


桜木「追鳥さんも!」追鳥「おっ!(好き…」


5人から墨のオーラが溢れ出すッ!


桜木「まずはわたくしから!木偏・38画・業楼植!」大岩に鋭い幹が突き刺さり穴が開く!


桜木「あの穴を狙いましょ!」


一二三「よし!続け!けものへん・11画・猫!」

大きな猫がより穴を広げる。


追鳥「鬼部・34画・魕魂(きこん」

追鳥の腕が異形の鬼の腕に変わり放った打撃が飛ぶ


桜木「連続の打撃!すごい!」


紗織「後ちょっと…41画・絶練線!」

大岩に大きくヒビが入るッ!


慧一「よし…決めるっ!32画・錘錬ッ!!」

[ドォォォッッンン]大きな音と共に大岩は崩壊した。


鉅子「見事だ…宝は持っていけ…」

鉅子の体は砂のように消えていった…。


桜木「さぁ!宝の中身はなんでしょ?」


[ガラガラ]木箱を開ける桜木…


桜木「なんですのこれ?硯ですわ。」


慧一「みせて!」慧一が硯に耳を当てると海の波の音が聞こえた。


慧一「なんだこれ?変なの…」


紗織「まぁ…取り敢えずお宝ゲットでいいのかな?」


一二三「そうだな、施設に戻ろう…」


箱の中身はただの硯だった…だがいつか役に立つ時が来るだろう。


―――――――――――――――――――


〜字操師訓練施設〜


桜木「戻りましたわ〜」


校長「おぉ…戻ったか早かったな。」


慧一「この硯、何使うの?…」


校長「いつか役に立つから持っておきなさい。」


校長「さて、今日最後の訓練といこう。字操師にとって最大の切り札とは何かわかるか?」


桜木「漢字創成でしたよね?…」


校長「そうじゃ漢字創成じゃな、慧一君以外はまだ使えんようじゃが…何かのきっかけで使えるようになる。特に自分より強い相手との戦いで目覚めることもあるのぉ…」


校長「そこでじゃ…今からワシと手合わせをしよう…本気で良いぞ!」上着を脱ぐ校長


桜木「えぇ…校長先生と?!」


紗織「いいの?一二三先生」


一二三「せっかくだから、やってみろ、いい経験になる。」


校長「ほらほら、行くぞー」準備体操をしている

慧一「こい!」紗織「よし!」桜木「準備よしですわ!」


校長の体全体に墨のオーラが巡るッ!

校長「石偏・28画・礌砲(らいほう)!」

周囲から大きな石の塊が4人めがけて飛ぶッ!


紗織「はやっ?!」


桜木「21画・木檗!!」

4人の前に木の壁ができ、石を防いだ!


慧一「うぉぉっ!13画・鉞」


慧一は回り込み鉞に墨を込めて振りかぶる!


校長「若いだけに動きが俊敏だの…じゃが…」

次の瞬間、校長はまるで瞬間移動のように消えた!


校長「場数では負けとらんのよぉ…」


[バッ!!]瞬時にして慧一含む3人に打撃を入れたッ!!!


慧一「っ!!」紗織「わっ?!」

桜木「なっ!??」


追鳥「俺も居るぞ!29画・魂魄(こんぱく)

追鳥の腕が鬼の腕に代わり、校長へ鬼の鉄槌が降る!!


[ドッッ]勢いよく飛ばされた!


校長「ふむ…やるのお、少し本気を出そう…」


「石偏・59画・磐磴硨碣(ばんとうしゃっけつ)


大きな振動と共に、大量の大石があたり一面を覆うッ!さらに、上空から無数の石が大雨のように落下するッ!


追鳥「ちっ……」追鳥は石を砕きながら大人しく身を引いた。


慧一「すげぇ……」桜木「なんという技…」


校長「ホッホッホ…"環境を自分の有利に書き換える"これこそ字操師の本領なんじゃよ!」


追鳥「それ、俺達にもできるのか?」


校長「部首にもよるが工夫次第で、できるじゃろうな….」


校長「よし!今日はここまで、また明日も訓練じゃ…ゆっくり休むのじゃよ…解散!!」


[ドサッ]疲れから地面に倒れ込む慧一


慧一「はぁ…日輪たちは今どうしてるかなぁ?…」


紗織「元気にやってるんじゃないかな!」


慧一「会いたいなぁ…」


〜つづく〜

〜用語解説〜

"文房四宝"(ぶんぼうしほう)

弘法の筆・工匠の墨・川上の紙・魂の硯の4つの宝、強力な力を持つ。


"校長"(こうちょう)

墨客学校の校長である。年齢81歳/白髪とモサモサの髭/身長181cm/保有部首は不明/常に楽観的であり、スケベじじいでもある。


"漢字創成"(かんじそうせい)

漢字創成とは、字操師がここぞという時に出す大技である。字操師体内の墨を大量に消費するため、連発することは不可能に近い。技の概要と条件は"一時的に自分の部首を含まない漢字を使えるが、自分の部首に関係する具現化対象でなくてはならない。"

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ