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一画目・始まりは突然に

コメントや反応をください。是非、知り合いに広めてください!よろしくお願いします。

――――――――――――――――――――


"漢字"それは私たちにとって最も身近な文字。

さまざまな現象や物体を簡略化し表したもの。


東アジアの一部では漢字を具現化し思いのままに操る人々がいた…


この物語は漢字に隠された不思議な力とその力に魅せられた者たちの欲望渦巻く大乱戦活劇であるッ!


――――――――――――――――――――


〜日本国・関東圏〜


「コケコッコー〜〜!!!」朝になり鶏が鳴く


「うぅっ、もう朝か…」青年が目を覚ます


この男が主人公、"宮本 慧一"(みやもと けいいち)である。

慧一はドタバタとパジャマを脱ぎ、学校に行く準備をする。寝癖のついた黒髪を水で濡らし整える。


「行ってきまーすっ!!」元気よく家を飛び出した!


彼の通う学校は墨客学校(ぼっかくがっこう)

書道を専門とする学校だ。在校生は少なく就職にも不利である、、


「おはよう、慧一」学校につくと一際目を引く美人が慧一に挨拶する、


彼女は"月見里 紗織"(やまなし さおり)

この物語のヒロインである。


慧一「なぁ、宿題やった?"自分が好きな部首を持つ漢字を書いてこい!"ってどんな宿題だよ!」


紗織「確かに変だけど、私は漢字好きだし特に部首なんかは沢山の種類があってワクワクするよ!」


慧一「紗織ちゃん、変わってるよね…」


談笑しながら教室へ向かう。


そんな2人を黒い影があやしげに見つめていた。


教室に着くと早速、先生が入ってきた。


「おーい、席に着け!授業をはじめるぞ〜。」


彼の名前は

"一二三 雄三"(ひふみ ゆうぞう)墨客学校の教師で慧一たちの担任である。


慧一「あっ!先生、髪型変えた?」


紗織「本当だ!似合ってますよ!」


一二三「はぁ…いいから、教科書318ページ…書聖と呼ばれる人物は……」


この日は普通に授業をして一日が終わった。


〜夕方〜


月見里「じゃあ、また明日ね!慧一」


慧一「おう、またな」


学校が終わり2人は帰り道で別れた。


慧一「そういえば今日の授業で先生が"漢字には不思議な力があるんだ、いずれお前たちにもわかる"とか言ってたよなぁ、なんだ不思議な力って?」

疑問符を頭につけながら慧一は石を蹴りながら帰っていた。


………その時………


「きゃぁぁぁっっ」女性の悲鳴が住宅街に響く


「大丈夫ですか!」慧一がすぐさま駆けつける。


「なんだコイツっ…」慧一は驚愕した、目の前に居たのは黒くおぞましく巨大な怪物であった。

腰が抜けた慧一に怪物の腕が巻きつく。


「誰か助けてくれぇ!」慧一は必死に叫んだ。

するとどこからか声が聞こえた。


?「けものへん(犭)・11画・猫 」


巨大な猫が突然現れ、怪物を攻撃する。慧一は弾き飛ばされた。

?「大丈夫か?慧一」


「先生?!…」慧一はひどく驚いた、目の前に現れたのはさっきまで学校で授業をしていた先生だったからだ。


そんなことは置いといて、彼らの前には怪物がいる


慧一「先生あの怪物は何っ!?あとあのデカい猫、先生が出したのっっ??」


一二三「落ち着け、あの猫は俺が出した。味方だよ」少し目を離すと怪物は猫に倒されて、黒い墨があたりに散乱していた。


「もう大丈夫ですよ。」一二三が女性に優しく言う

「ありがとうございます、、」女性は立ち去った。


慧一「先生、説明してよあの怪物はなんだったの?

あとあのデカい猫も」


一二三「話すと長くなるんだが、俺たちが学校で習っている漢字には秘密がある、不思議な力"墨"を使って漢字をイメージするとそれが具現化するんだ」


「????」慧一は困惑している。


一二三「詳しいことは明日学校で話すよ、後これからは、お前たちにもさっきみたいな怪物と戦ってもらうからな笑 気をつけて帰れよ〜」一二三は立ち去った。


「はぁいっ?!」慧一は混乱状態で家に帰った。


〜次の日の学校〜


一二三「って事でお前たちに話すことがある、昨日

慧一が襲われた怪物にな。」


「えぇどういう事??」紗織が先生に聞く。


一二三が続ける「この学校は書道を習う学校だとされているが、それは表向きの話。本当はこの世に蔓延る怪物"墨霊"を殲滅する人材"字操師"(じそうし)を育成する学校なんだ。誰にも言うなよ?」


教室がシーンと静かになる、慧一もシーンとしている。


1人の生徒が声をあげる、

「やっぱりね、この学校に入ってからずっとおかしいと思っていたの。異常に学校の塀が高いし、漢字を書いただけで息切れするほど疲れることもある、この前なんて黒い影が学校の周りをウロウロしていたわっ!」彼女の名前は"桜木 弓"(さくらぎ ゆみ)育ちのいいお嬢様である。


一二三「桜木は勘がいいなぁ、とにかくココは普通の学校じゃない。そして今日から特別授業を開始する。みんな校庭に集合だ。」


「ちょっと待って!!」慧一が手を挙げる。


「昨日みたいな怪物といきなり戦えた言われたってそんなのできっこ無い。俺は嫌だ。」


「そうか」一二三は頭を掻いた。

一二三「もう一つ伝えておく、墨霊に対抗できるのはお前たちだけだ、一般人にはできない。それにこの学校に通っているだけで、墨霊は狙ってくる。身を守る力をつけなければならない。だから覚悟を決めてくれ。」教卓を強く叩いた。


紗織「私、やります!」紗織が突然声をあげた。


「えぇっ!?」慧一が驚く、紗織は続けて言った

「私ね、お父さんが小さい頃に家で死んじゃったの、その時黒い怪物を見たの。小さい頃の記憶だから見間違いかと思ってたけれど、あれが"墨霊"ってやつなら私はお父さんの仇がとりたい。」


一二三「そうかもしれない、墨霊は無差別に危害を加えてくるからな。とにかく戦う覚悟ができたやつは校庭にあつまってくれ。」一二三は教室を出た。


紗織「私は戦うけど、慧一はどうする?」 


慧一「俺にも大切な人がいるから、守るために戦うよ。」慧一は笑顔で言った、紗織は言葉の意味を理解する前に校庭へと向かった。


〜校庭〜


一二三「集まったな!と言っても少ないな、」先程の教室から人数はどっとへった。


「腰抜けばかりなのよっ!」桜木がドヤ顔で言った


一二三「まず最初に説明する、墨霊とは人が恨みや嫉妬を込めて文字を書くとそれが具現化して出現するものだ。そして、俺たち字操師とは漢字を強くイメージして具現化するものだ。どちらも人の想いから生まれる厄介なものさ。」


一二三「今からお前たちには、"自分の部首"を探してもらう。頭の中で漢字を感じ、ピンときたらそれを声出せ。まず俺が見本を見せる。」


一二三「けものへん(犭)・10画・狸 」

ボンっという音と共に狸が現れた、「おぉ〜」生徒一同は驚いた。


一二三「こんな感じだ、難しい事はない。自分の部首とそれを含む漢字とその画数を口で言えば具現化する。よしっ!では今から頭の中で自分の部首を探せ落ち着いて、目を閉じ深呼吸をしろ。」


「ふぅ〜」生徒たちは息を吐いた。10分ほどの沈黙が流れる。すると、、

生徒達の身体から墨のオーラが滲み出すッ!

一二三(そろそろだな…


桜木「来たわっっ!!先生、私ピンと来ました!やってみます!」

一二三「よし、やってみろ!」


桜木「木偏・7画・杖っ!!」ボンッッ

すぐさまその場に木でできた杖が現れた。

「やりましたわ〜」桜木は笑顔で飛び跳ねる。


紗織「私もできそう!」間髪入れず紗織が動く。

  「糸偏・10画・紙!」

ひらひらと一枚の紙が現れた。


紗織「でも紙一枚じゃ戦えないよ…」


桜木「私も杖一つじゃ…」落ち込んだ様子の2人。


一二三「大丈夫だ、今はそれでいい。」

その後次々と生徒たちは自分の部首を見つけ、具現化させていった。そして、最後に残ったのは慧一だ。


一二三「慧一どうだ、できそうか?」


慧一「今考えてるんだっ!」焦りから苛立つ慧一


一二三「イメージするんだ戦いを大切な人を守るんだと、、紗織が好きなんだろ?」ニヤッと言った。

そしてその言葉でスイッチが入った。


慧一「来たっ!"金偏"(かねへん)・10画・針」

裁縫で使うような針が一本だけ具現化した。

「やったぁできたじゃん!慧一!」紗織が喜ぶ。


慧一「"金偏"それが俺の部首…」


一二三("金偏"だと、、)一二三は心の中で驚いた。


一二三「よし!全員できたな、今日はここまで、このまま帰宅していい。無闇にその力を使うな、必要な時だけだ。解散っ!」


 生徒たちは自信に満ちた顔で帰路に着いた。

慧一「驚いた、俺の人生どうなるんだ?でも少し楽しくなってきた。」少し戸惑いながらも状況を飲み込んだ慧一であった。



〜生徒が帰った後、校長室にて〜


一二三「報告にまいりました。」


校長「入ってよいぞ。」


一二三「本日、生徒たちに具現化を教えました。全員が自分部首を見つけ、具現化まで達成しました。」


校長「豊作じゃな」にこやかに笑い髭が動く。


校長「で、わざわざ報告に来たからには、何かあったんじゃろ?」


一二三「ええ、それが生徒の一人に"金偏"を使ったものがいまして、、」


校長「そうか、金偏は"あの人"が使っていたのと同じじゃな。」


一二三「ですから、報告したのです。"あの人"は凄まじい人でしたから、その生徒も暴走しないか心配で、、」冷や汗を流す一二三


校長「心配することはない、いざという時はワシが抑える、それに漢字を具現化するには多少気が荒くないといけないのじゃよ。ハッハッハッ」大きく口を開けて笑い髭がモサモサ揺れる。


一二三(はぁ、大丈夫かなぁ、、)


〜つづく〜


〜人物紹介〜

"宮本 慧一"(みやもと けいいち)

この物語の主人公、年齢18歳/黒髪で短髪/身長は175cm/保有部首は"金"(かねへん)/幼い頃から書道を習いその流れで墨客学校に入学した。やる時はやる男である。紗織のことが好き。


"月見山 紗織"(やまなし さおり)

ヒロイン、年齢18歳/黒髪ロングで普段はポニーテール/身長174cm/保有部首は"糸"(いとへん)/墨客学校には漢字が好きで入った。幼い頃に父親を墨霊の攻撃でなくしている。


"一二三 雄三"(ひふみ ゆうぞう)

墨客学校の教師で慧一たちの先生である。年齢41歳/白髪混じりの黒髪/身長184cm/保有部首は"犭"(けものへん)/あまり笑わないが、冗談は通じる。教師の仕事が終わると字操師として墨霊を討伐して腕を磨いている。


"桜木 弓" (さくらぎ ゆみ)

慧一のクラスメイト、年齢17歳/明るい金髪/身長160cm/保有部首は"木"(きへん)/実家がお金持ちのお嬢様で高飛車な性格。常に自信に満ちているので元気を貰える。鼻の形が可愛い。


〜用語解説〜

"墨客学校"(ぼっかくがっこう)

墨客学校とは、主人公"慧一"たちが通う書道専門学校である。高い壁に囲まれ厳重に警備されている。入学は10歳から可能でお金さえ払えば何年でも在学できる。授業内容は、書道と漢字の成り立ちの理解、常用漢字の暗記、墨汁作りなど書道に関すること全てである。表向きは"書道を通し漢字の理解と心の発達"と言っているが、実際は漢字を操り"墨霊"を討伐する"字操師"を育成する学校である。その為、入学試験には体力テストがある。


"墨霊"(ぼくれい)

墨霊とは、人が恨みや嫉妬を込めて文字を書くと現れる霊である。現実だけでなくSNSなどの電子空間でも人が悪意を持って文字を打つと、具現化する存在である。具現化すると無差別に人を襲うが、中には明確な意思を持つ墨霊も存在する。墨霊を討伐するとあたり一面に黒い墨汁のようなものを撒き散らす。(洗っても中々落ちないので、字操師は嫌がる)


"字操師"(じそうし)

字操師とは、不思議な力"墨"を使い漢字を具現化し操る存在である。基本的には墨客学校で育成されるが、稀に生まれつき漢字を操れるものもいる。

1人一つの部首を持ち、それを含む漢字を具現化する。

具現化できるものは、"物質から概念まで漢字に関係するもの全て"である。中には暴れる物もあるが、うまく操るのは字操師の力量である。


"墨"(すみ)

墨とは、漢字を具現化するのに使うエネルギーである。字操師によってその総量は異なる。墨の使用量は具現化する漢字の画数に依存する。


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