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統合失調症の俺が確かに世界を救った話【AI改稿版】  作者: 成葉弐なる


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8/10

8 ショッピング with 香月伊緒奈

ただし車を運転している時に幻聴が聞こえてきたら事故りそうで怖くはあった。しかし、香月さんの明るい声に背中を押され、不安よりも期待が勝っていた。まるで、デートに誘われたような、高揚感にも似た感情が、胸の奥底から湧き上がって**くる。


翌日。出かける前に亜翠さんに話しかけると、『ごめん、私、今日仕事……』と申し訳なさそうな返答があった。やはり、仕事は忙しいのだろう。ならば、幻聴での会話はお預けか……と少しだけ寂しくなった僕だったが、直後に香月さんが弾むような声で『私、今日お休みー!』と宣言した。まさか、香月さんと二人きりで会話しながら買い物に行くことになるなんて。想像もしていなかった展開に、心臓がドキドキと高鳴る**。


『でも運転中は話しかけないでくださいね!』


念のため、釘を刺すと、香月さんは『分かってる 分かってる!』と陽気に応じた。僕は彼女の言葉を信じて車に乗り込むと、片道30分かかる市街地への道程を走り始めた。窓から差し込む朝日が眩しい**。助手席には誰もいないはずなのに、隣に香月さんがいるような錯覚に陥る。不思議な感覚だ。


結局、車の運転中は幻聴と会話すること無く、無事に目的地のアメカジ屋さんに到着した僕は、駐車場で車を停めると、頭の中で香月さんとの会話を再開した。


『着きました!』


『おぉ! 運転お疲れ! んじゃショッピングと行きますか!』


香月さんは嬉しそうに言った。僕は少し、照れ臭くなりながらも、『はい!』と元気よく返事をした。


店の扉を開けると、カウボーイハットを被った店員さんが笑顔で迎えてくれた。店内はウッディな内装で、革やデニムの匂いが鼻腔をくすぐる。アメカジ好きには堪らない空間だ。入ってすぐ左手でアウターのコーナーを見つけた**。種類が豊富で、どれを選んだらいいのか迷ってしまう。


『香月さん、どれが良いと思います?』


心の中で問いかける。香月さんは少し、考え込むようにして言った。


『うーん……見えないからなんとも言えないけど……』


『ですよね。適当に選ぶかぁ』


正直、ファッションには疎い。適当に選んで、後で後悔するパターンも容易に想像できる。


『どんな商品があるか教えてくれれば一緒に選ぶよ!』


香月さんが頼もしい言葉をかけてくれる**。まるで、本当に隣にいるみたいだ。


『分かりました……じゃあまずはこれかな?』


僕はまず、目に入った紺色のPコートを手に取った**。定番アイテムだが、自分に似合うかどうかは自信がない。そもそも、この年齢になってPコートを着るというのもなんだかおかしく思えた。Pコートって若向けじゃないの? ファッションに疎い僕にはよく分からなかった**。


『まずはPコート……取り敢えずLサイズ選んで着てみます』


『おっけー』


試着室へ向かい、Pコートに腕を通す。鏡の前に立つと、予想通り、似合っているとは言い難い。肩幅はギリギリだが、胸と腹回りがパツパツだ。袖丈も少し、短い気がする。ため息が漏れる。


『無理でした……デブですみません』


自虐的な言葉が口を衝いて出る。


『まぁ良いってことよ、自覚があるなら痩せなさい』


香月さんは笑いながら、容赦ない言葉を返す**。しかし、不思議と嫌な気はしない。むしろ、親しい友人にからかわれているような、親近感を覚える。


『はい……XLサイズもPコートはちょっと入りそうにないなぁ』


諦めてPコートをハンガーに戻す。


『他には何があるの?』


香月さんは次の候補を尋ねる。


『普通のロングコートとチェックのやつと、あとミリタリージャケットっぽいジャケですね』


『ふんふん……たっくん、普段はほぼジーンズだっけ?』


『はい』


『じゃあロングコートはなしかな、なんとなく私のイメージに合わないだけだけど……。それとチェックのはなし! オタクはそういうの着ないほうが良いよ! チェックはファッション上級者になってから!』


香月さんは的確なアドバイスをくれる。まるで、スタイリストのようだ。ファッションセンスは皆無に等しい僕にとって、彼女の存在は心強い**。


『じゃあこれですかね? ミリタリージャケット風のフェイクファーのフード付き』


ミリタリージャケットなら、普段のジーンズスタイルにも合わせやすいだろう。色は黒**、紺、緑の3種類あるらしい。


『色はー?』


『黒と紺と緑の3種ありますけど……』


『うーんその中なら緑かな? サイズは? Lサイズ着れる?』


香月さんのオススメは緑らしい。自分では絶対に選ばない色だ。少し、冒険する気分になる。サイズはLサイズで大丈夫だろうか?不安がよぎる**。


意を決して、緑のミリタリージャケットのLサイズを手に取り、試着室へ向かった。腕を通すと、意外にもすんなりと着ることができた。かなり大きめに作られているらしい。鏡に映る自分を見つめる**。悪くはない。むしろ、新鮮な感じがする。


『一応普通に着れました。けど、どうだろうXLサイズのほうがいいのかな?』


『両方着てみて選んだらいいよー』


『そうですね。そうします』


香月さんのススメに従い、XLサイズの緑のミリタリージャケットも試着してみることにした。Lサイズよりもさらに、ゆったりとした着心地だ。オーバーサイズ気味だが、今の流行りなのかもしれない。


『かなり大きいですね。でもこっちのほうが着心地はいいかな』


『ふんふん……どっちにする?』


『うーんどうしよう……』


『迷ったなら、私が決めてあげようか?』


香月さんがファッション上級者ぶってそう言ってくる。ちょっぴり悔しかったが、自分で選んで間違えるよりはましだろう。


『じゃあお願いします!』


『オーバーサイズが少し流行ってるからXLサイズのほう!!』


『分かりました!』


僕は香月さんに言われるがまま、XLサイズのミリタリージャケット風のジャケットを手に取ると、レジへと向かった。会計を済ませ、店を出る。手には新しいジャケットが入った紙袋**。心は少しだけ、軽やかになっていた。まるで、香月さんと一緒に買い物を楽しんだ、デートの帰り道みたいだ。現実は妄想、妄想は現実。曖昧な境界線の向こう側で、何かが、確実に変わり始めている予感がした。

冒頭がなんかちょっと変ですね……。

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