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詩全集

雪解け

作者: 那須茄子

君の髪が

冬の風に靡いた

赤らめた頬を

隠すように


冷たい世界が降りる中

ほろ苦いチョコを齧ったみたいな顔して

手に息を吹きかける少女

微笑むたびに

寒いねなんて当たり前のことを呟く




君の髪が

冬の風に靡いた

少し垂れた

鼻水を隠すように


銀色に囚われてた世界の中

無邪気にはしゃぐ少女一人

純白に染まる雪玉を

頬に擦りながら

寒いねなんて当たり前のことを呟く




君の髪が

冬の風に靡いた

潤んだ瞳を

隠すように


灰色だけが残された世界の中

体温が感じられない身体を

静かにそっと投げ出す少女

最後に

寒いねなんて当たり前のことを呟く


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