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ゴブリンをやっつけろ!2

治安がよくない世界で、あちこちで盗賊が跋扈しているが、これだけの戦力をもつ一行に襲い掛かってくる盗賊などいるはずもなく、現地までは何事もなく到着した。


巣穴から出ていたゴブリンは神聖騎士が一刀のもとに切り伏せる。


私は現地についてからはすぐに6女神様から戴いた神具を装備した。



「コレット殿。疲労を感じたら必ず地上に戻ってください。その際、地上についてきたゴブリンは我々が駆除します。」

クマの副団長さんはそう言ってくれた。

それを繰り返せば、楽にゴブリンが討滅できるかもしれない。

しかし、それをやったら焼き土下座の女神は絶対に私を許さないだろう。


「解りました。その時は頼らせていただきます。」

口ではそう言ったが、私の目を見てクマの副団長さんは私の覚悟を悟った様だった。

そうして、身長130cmほどの私はたった一人でゴブリンの巣穴に入っていった。


神聖騎士と私のメイド、全員が私を祈るような目で見送る。

二人のメイドは本当に祈りを捧げていた。


中に入ると焼き土下座の女神の悪辣な意図に気が付いた。

なんと、神器フレイムボアが光を放っていたのだ。

闇に紛れて奇襲することも考えていたが、正面から正々堂々と打ち破ることをお望みらしい。

中は自然の洞窟ではなく、人工のものだった。

恐らく、古代の墳墓だろう。

自然の洞窟だと予想もしないところから奇襲されることもあるが人工の地下迷宮ならばそう言うことは少ない。

これはありがたかった。


中に入るとどこからか声が聞こえる

『コレット・・・コレット』

何だろうと当りを見回すが誰もいない。

『ここよ、風のアーマードレスよ』


「えっと・・・どなたでしょうか?」


『私よ・・・貴方と遊んだり、空飛んだりしたでしょう。』


「ああ・・・夢じゃなかったんですね。お名前を伺っても?」


『私はウィンディア。風の女神よ

貴方を助けてあげるわ』


「えっ?良いのですか?他の女神様は私を嫌っているのでは?」


『確かにフレイミアお姉さまはあなたのことすっごく嫌っているわ』


(やっぱり・・・・)


『でも他の女神はそうでもない』


「そうですか。教えていただいてありがとうございます。」


『助けてあげる代わりにお願いがあるの』


「何でしょう。私に出来ることなら良いのですが。」

どうせ失敗したら死ぬんだから、多少のことなら目を瞑ろう。

私はこの時そう思った。


『私は六女神の末妹、ずっと妹が欲しいと思ってたの。

もしこの神命が果たせたら私の妹になって欲しい』


なんだ、そんなことか。

全く問題ない。

風の女神様からすると小さな野良犬を拾ってきた感覚なんだろう。

「はい、解りました。でも他の女神様は許さないのでは」


『そうかもしれない。だから内緒で』


女神様に内緒に出来るとは思えないが、風の女神様がそう言うならば出来るのだろう。


「解りました。この神命を達成出来たら、風の女神様のことをお姉さまと呼ばせていただきます。」


『お姉さま・・・ウフフ』


よっぽどうれしいようだ。

どこかあさっての世界に意識が飛んで行ってしまわないか心配になるほどだ。



中に入って10分ほどで最初のゴブリンの一団と会敵する。


『コレット、近づいてくるわ。ゴブリンよ。数は15』

15匹。

かなり多い。


フレイムボアの光で私は丸見えなので遠間から投石や弓が飛んでくるが全てがあらぬ方向に飛ばされる。


『心配しないで、この風のアーマードレスの加護は飛び道具から身を守る力があるの。

風の加護よ。』


飛び道具を警戒しなくてもよいのはありがたかった。

恐らく、風のアーマードレスの神通力を貫通するような魔弓や剛弓ならば当たるのかもしれないが、ゴブリンごときがそんな弓を持っているはずもない。

今回の任務の間は飛び道具は当たらないと考えてよいだろう。


フレイムボアをゴブリンに向けて振る。

ほんのちょっぴり掠っただけだったが、ゴブリンが火に包まれる。


「びっくりするほど強力なメイスですね。」


『フレイミアお姉さまは怒りっぽいけど曲がったことが嫌いなの

だから、そのフレイムボアの力は本物よ』


こちらは掠っただけで相手を倒せるが何せ数が多い。

あっという間に囲まれてしまった。


『コレット、ジャンプしなさい。』


私は言われたとおりに適当にジャンプした。

すると、風が巻き起こって壁にピタリと張り付く。


『今は私が補助してあげたけど、自分の意思で風を起こして好きな方向の天井でも壁でも数秒間は張り付くことが出来るわ。上手く使って』


私が突然消えたように見えたのか、下でゴブリンたちがキョロキョロと当りを見回している。


そう言うことなら。

風のアーマードレスの神通力を使って、軽業師のように壁から壁、天井から柱に飛び移り、死角からゴブリンたちにフレイムボアを叩き込んでいく。


数分で15匹を壊滅させた。しかし如何に弱い魔物とはいえ、数が多い。

私の体を激しい疲労が襲った。



そのころ、地上では。


神聖騎士15人と二人のメイドが私のために祈ってくれていた。


尤も5人はゴブリンがいつ出てきても対処できるように入り口を見張っている。


クマの副団長さんが若手の騎士と話ていた。


「お前、戻ってこれると思うか?」


「・・・本音を言えば難しいと思います。もちろん戻ってきてほしいとは思っていますよ。」


「だよなあ。女神様もなんでこんな残酷な任務をお与えになるのか・・・

この感じだと中規模の巣穴だろう。

中には50体程度のゴブリンと恐らく奥にはホブゴブリンが数体いるだろう。

呪文使いもいるかもしれん。

俺たちが被害を最小限(0)に考えてやるなら、下級騎士なら7人、上級騎士なら5人って所か。

・・・お前、10才の時何してた?」


「ただの生意気な鼻垂れ坊主でしたよ。

近所の野犬にビビって小便漏らしてました。」


「10才なんてそんなもんだよなあ」


「女神様の加護を信じましょう」


(覚悟の目をしていた。

たった10才の子が、強い覚悟の目をしていた。

あの目は見覚えがある。

死を覚悟して進むものの目だ。

今の時代、騎士なら、死を覚悟して魔物と戦わなくてはならないことなどいくらでもある。

激しい戦いで散っていった私の先輩や同僚も同じ目をしていた。

誇り高い騎士の目だ。)


クマの副団長さんはそれっきり沈黙した。



私は最初のゴブリンの集団を殲滅してから、私の小さな体では張りつめた緊張と戦闘の疲労に耐えられず少し休憩して、奥に進んでいた。


途中、同じ規模の集団に2つ遭遇して全滅させたが、タリスマンの加護を3回使ってしまった。

風の加護のおかけでケガはしなかった。

風の女神ウィンディア様がゴブリンの接近を教えてくれたので、問題なく対処することができた。


『コレット、気を付けて、今までより強い敵の気配がある。』


「はい、私も感じます。」


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