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パローナツ、冒険なんてもう遅い異世界。~冒険家を夢見る記憶喪失の魔女と獣は、冒険を諦めた現代異世界を夢と冒険で再点火する。~  作者: 紅茶ごくごく星人
第3章 牧場と偶像とテレポート

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3-23 通し練習終わり!

13回目の通し練習に入ろうとしている。

それでもベルはやる気満々だ。


一方客席の方を見ると...メルネは筋力を鍛え、カイルは武器を森の奥の方に投げては受け止め、ポルテナは何度も鏡を出入りしていた。


最初の5回くらいまではみんな見て感想を言っていたが「これ以上付き合わせるのは悪いので、解散にします」とベルが決めた。

私は当然のこと、アズアズは確認したいことがあるらしく残った。


解散と言っても、他のみんなも会場には滞在している。

たまにカイルがメルネに鍛え方を教えてもらっていたり、ごくたまにメルネがポルテナに筋力修練を強要していたり、それをベアが真似したりしていた。

そのベアの様子をちら見するたび、かわいくて私は笑ってしまいそうだったけれど、ツボに入る前になんとか切り替えていた。


そんな様子でも、結局みんな2回に1回くらいは感想を伝えにきてくれた。


ポルテナは彼女の郵便仕事のお客さんから、手鏡越しに微かに聴こえる歌の感想をもらうたびにそれを教えてくれた。

でもポルテナ自身の感想を聞くと、何度聞いても「良かったです」だった。


1回通しが終わるたびにちょうど戻ってくるポルテナに対して「仕事あるならそっちに集中していいよ」と言うと、「今日は休みだけど明日の分やってる。そしたら明日サボれる。」と返ってきた。


かくいう私は、最初の方はずっと会場の裏に待機して魔法を放っていた。

アズアズは毎回場所を変えてベルを見ていて、その都度メモをとっていた。

その様子を見てからは私も毎回移動して、いろんな場所に立ったり座ったりして魔法を出すことにした。


「お姉ちゃんの魔法、今回も良かったです!私の方はどうでしたか?」

少し離れたところにいるので、大声で話す。


「うん、最高だった!どんどん洗練されていってる!」


「ありがとうございます!」


「ベル!」


「はい!」


「そろそろ終わりにしよう!あんまり歌いすぎて喉壊しちゃったらいけないし」


「...確かにそうですね、気遣いありがとうございます!

じゃあ次で、次で最後にしましょう!もう1回だけお願いします!」


「...う、うん!」


「...もしかして、疲れちゃいましたか?だったらごめんなさい、すぐに休みましょう!」

こちらへ向かおうとするベルを私は止める。


「ううん、大丈夫。もう1回やろう!アズアズもいいよね?」


遠くからアズアズは腕で大きな丸を作って見せた。


「よし、じゃあちょっと待ってね!」

私は周囲を見渡し、走っていく。


この会場は遺跡のような石柱がたくさんある。

壊れた柱で、断面が危なそうなものは撤去したり、触っちゃいけない感じの飾りつけをしたりしたが、

運よく綺麗に残っていたものは触っても大丈夫な飾り付けにしてある。


私は良さげな石柱に手をかけ、登ろうとする。


「...くっ」


しかし私の筋力じゃ、どうしても上まで登りきれない。


わかっていた。

以前会場に来た時も登ろうとしたが10分くらい粘っても上手くいかなかった。

その時と比べるとメルネに鍛えられているけれど、それでもこの感触ではすぐに登れそうには思えない。


このままベルを待たせるわけにもいかない。

でも、石柱には登るのを諦めるつもりもない。


だから私はこの魔法を練習していた。


「ふう...」

深く息を吐いて力を抜く。

私の体を風が伝い、揺らめき、層になって私を包む。

風は私を包んだまま、土を蹴り空へ跳ねる。


私はちょうどいい瞬間を見計らって目を開き、必死に目の前の硬い石質のそれを掴む。

掴むのに集中したので魔法は解けて、下に向かって足がぷらんと垂れる感覚を感じた。


私の手が掴んでいるのは、石柱の平らな天の部分だ。

私は力を込めて、なんとか這い登った。


「はあ、はあ...」

石柱の一番上に座った私。


「お待たせー!」

私はすぐに思いっきりベルに手を振った。


見渡しがいい、心地よい景色。


でもそれに見惚れるまもなく、私は舞台に向かって魔法を出した。


今回の通しも、ベルの動きは完璧だった。もちろん、私の魔法もベルにばっちり合っていた。

魔法を使いすぎて、鼻血がでているのに気がついた。

こんなの久々だ。


それが終わって石柱から降りたら、鼻血に気がついたメルネに担がれて、反省会をするでもなくすぐに帰らされ就寝した。

「ほっほっほっ!」

担がれ運ばれる私。メルネだけでなく、全員がほっほっと言っている。なんだこの掛け声は。


「ほっ!」

ベッドに寝かされた。


「ほ...」

シーツを掛けられ、


「ほっ」

灯りを消される。


扉は閉じられた。


ベルの喉の心配をして切り上げたのに、私の鼻の心配をされて終わったみたいになってしまった。くやしい。

準備メモ ライブまであと3週間

進行度:79%/100%

会場→アズカットが土地の許可取得済、設営も完了 25%/25%

歌と演出決め→通し練習はばっちり!でもアズアズに何か提案があるみたい 24%/25%

衣装→完成!着た状態で歌も歌った! 25%/25%

告知→日時は告知完了!次はライブをする旨、その次は当日案内する旨を 5%/15%

最終通し練習→0%/10%


筋力修練、歌唱修練、本番を想定した通し練習は定期的に継続して行う。

↑継続中です!


記入者:アズカット・デレクタ、ベル・ロスヒハト、ステラ・ベイカー

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