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パローナツ、冒険なんてもう遅い異世界。~冒険家を夢見る記憶喪失の魔女と獣は、冒険を諦めた現代異世界を夢と冒険で再点火する。~  作者: 紅茶ごくごく星人
序章 転生者の回生

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0-5 俺たちは魔物だ

来た道を戻る。

ただそれだけだけれど、もう俺の体はへとへとだった。


居住区の真ん中であろうモニュメント近くについたとき、俺はばたりと地面に倒れ込んだ。


放浪性のあるフォレストオオカミたちにとってここは仮の居住区なのだから、そんなに広くはないはず。

それでもこんなに疲労困憊しているのは、間違いなくさっきの件のせいだ。


フォレストオオカミは人間を襲うのか。

最初に爸々に出会ったときに見たステータス画面?では、植物の他に、リスやウサギのような小動物のような肉を食べることが書かれていた。


しかし人を食べるとは書かれていなかった。

ただ単純に、人間を殺して自身の地位を誇示する儀式のような物だったのだろうか。


うつ伏せになったまま「ウゥ〜〜〜」と唸っていると、近くに誰かの気配を感じた。


「おい」


振り向くと、さっきの事件で大きな木から飛び降りてきたオオカミ...パーパの息子タウロだった。


ーーー


「ごくごくごくごくごく...ぱぷぐふぁーーっ!」

俺はタウロから渡された水を勢いよく飲み干した。


「気持ち悪いやつだ」


水というのは偉大だ。飲むだけでこんなにも気力が復活した。きっとLifeSpanの数値も100%に戻っているに違いない。

俺は視界の右上を確認した。


<LifeSpan60%>


何ということか、回復するどころか最後に確認した時より12%も減っている。

ゾンビに水は良くなかっただろうか...?


「その...俺の親父...パーパのことなんだが...みっともないよなあ」


「ン゛?」


「あいつはな、ちょっと前までは...群れの女全員に再婚を頼み込んでたんだ」


は?初っ端話がクレイジーすぎてよくわからない...


「ちょっと前にお袋が死んでな。

当然ジージョやサブロは悲しむわけだ。


それで新しく弟や妹ができればそれも紛れるんじゃないかって...あいつの考えてたのはそういうことだろ。


...でも、全員がそれを断った。

そりゃあよ、あいつが一番お袋のことを愛してたってみんなわかってんだ。

本当はそう簡単に割り切れるもんじゃないはずだってわかってる。だから親父...族長の心の整理が本当につくまでは、族長に夫人を裏切らせるような真似はできないってな。


だけどそんな時、あの人間の女が現れやがった。

でも、人間とオオカミじゃあ子供ができるわけないだろ、御伽噺じゃねえんだから。

なのにあんなことしやがって...あいつは頭がおかしくなっちまった。」


じゃあパーパは人間に子供を産ませるためにあの女の人を襲ったということなのか...?

なんかちょっと違う気がする...

例のステータス画面には、そんなお話の中のオークやゴブリンみたいなことは書かれていなかったし。


だけれど確かにあの取り憑かれたような目は、"頭がおかしくなっちまった"という表現が最も合うと思った。


「だから、あいつの鼻っ面を噛みちぎってでも目を覚まさせたい」

タウロはここまで怒りと諦めの含んだような喋り方をしていたが、実際にはそうではなかった。


「あんたに協力してほしいんだ、頼む」


タウロの真剣な瞳を見て、

俺は「もちろんだ」と言うつもりで、深く頷いた。

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