3-12 重要な筋肉と華奢な冗談
「お願いします!」
メルネはお辞儀した。
「お願いします!」
ベルも同じように言った。
「...」
こういう時「中途半端にこられても迷惑だ」と嫌がる人もいるだろう。
でも、私は嫌がらない。
だって...メルネは中途半端じゃない。
動機はともかく、やると決めたら責任を持って必ずやり遂げる人。それがメルネ・フロウデンだ。
私は学院で過ごして彼女を見て、知っている。
知っているから、任せられる。
「...わかりました。アズカットさんもカイルさんもよろしいですか?」
私は言った。
アズアズは私の方を向いて少し驚いたような反応をしたがすぐ
「主役はベルさんなんだから、本人がその様子なら、断る理由もないでしょ?」
と微笑んで言った。
「同じくだ」
カイルもそう返した。
「それでは...ええと、メルネさんの役割は—
「今は全然平気だけれど、もしかしたら私も本番になったら緊張してしまうかもしれない。」
ベルが言った。
「ベルさん自身が大丈夫でも、それ以外にも何か不測の事態が起きてしまうかもしれない。
隕石が落ちてきたり、ドラゴンが飛んできたりするかもしれない。
...そんな時のために私がベルさんをムキムキに鍛えます!
体力があれば緊張もトラブルもなんだって跳ね飛ばせますから!」
「だからメルネちゃんは、私の筋肉担当、がいいです!」
ベルは天使のような笑顔で言った。
「体力担当じゃダメなのかしら...まあ名前はともかくとして、確かに精神的にも肉体的にも体力は必要ね」
「筋肉担当...いい響きです。私も筋肉担当になりたいかもしれません」
「ええっ!?」
アズカットは驚いたけれど、ちょっと嬉しそうな顔をしたのがわかった。
きっと、私のジョークがウケたということだろう。
「ジョークですよ。ちょっと堅苦しい口調が皆さんを不安にさせているのでは、と反省したので。」
それを聞くと一転して、アズカットは「うむむ...」とすっぱい顔をした。
どうして?
「むしろあなたがそういうみたいな口調で話す方が不安よ!
学院でだって、先生にもそんな偉そうな言い方はしなかったじゃない?」
「...え、偉そうですか?」
そこにいるみんなが顔を縦に振った。




