表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
パローナツ、冒険なんてもう遅い異世界。~冒険家を夢見る記憶喪失の魔女と獣は、冒険を諦めた現代異世界を夢と冒険で再点火する。~  作者: 紅茶ごくごく星人
第2章 大蜘蛛の遺跡

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

52/124

2-1 ネコニス空間消滅!?

><><><


「はっ!」


俺は目を覚ました。


目を覚ました俺を強烈な違和感が襲った。


地面がない。

足が床についていない。

ずっと落下しているような感覚。


しかしそのおかげで上下左右360°見渡すことができた。

すると大きな違和感の正体をもう一つ見つけた。


この空間は、真っ白になっていた。

何もない。


死ぬたびに来ていたこの空間、転生の間とでも呼ぼう。

今までは真っ黒だった転生の間が、真っ白に変わっている。


どこにも、何もない。

それでもあたりを必死に見回すと、小さな影が見えた。


近づと、それはネコニス様だった。

ネコニス様は腕を頭の後ろに組み、仰向けになっていた。


「ネコニス様!」


ネコニス様は少しの間無反応だったが、遅れてこちらを向いた。


「ああ、おかえ—いや。」

そう言ってネコニス様は起き上がった...というのも地面がないので変だが、とにかく横向きから縦向きになった。


「ゴブリ・インパクト、かっこいい名前ですね」


「はい。...この空間は?」


するとネコニス様は真顔で言った。

「いなくなったんです。あなたに命を託したから。」


「?」

意味がわからなかった。


彼女はフードを深く被り、淡々と言った。


「失った誰かと再び会いたいのなら、勇者の剣を探しなさい。

残りのチャンスはあと2回です。」


「そのつもりです。でも、勇者の剣がどこにあるのか...」


「仕方ありませんね。ヒントをあげます。」


「ネコニス'sヒ〜ント!

私のネコニスという名前がヒントです。


ネコニスとは、

動物のキャットちゃんを意味する<ネコ>と

頂、いや...()()を意味する<ゼニス>を掛け合わせた言葉です。


これはどちらもあなたの元いた世界の言葉ですね。

パローナツの頂点、そこに私はいて、勇者の剣もそこにあります。」


「頂点?」


「はい!ほとんど答えですね。」

ネコニス様はちょっと困った感じの笑顔で微笑んだ。


笑顔で微笑んだってのは頭痛が痛いみたいでおかしいかもだけど。

でも本当に、ネコニス様はちょっと困った感じの笑顔で微笑んだ。


「頂ってことは一番高いところ?」


「さあ。でも、頂じゃなくて()()です。」


「頂きも頂点も同じじゃないですか!」


「同じじゃないです」


そしてネコニス様は俯いた。


「...」


そう思ったら、

彼女は俺の方に駆け寄ってきて、何も言わずに両手を握った。


「...」


「...」


沈黙が流れる。


「...戻ってきてください」

ネコニス様が小さな声でぼそりと言った。


「何で...」


俺にそこまで肩入れする理由がよくわからなかった。


ネコニス様は離れた。


「じゃあ、次の転生の準備を始めますね」


そしてまたあの笑顔をして、準備をはじめた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ