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パローナツ、冒険なんてもう遅い異世界。~冒険家を夢見る記憶喪失の魔女と獣は、冒険を諦めた現代異世界を夢と冒険で再点火する。~  作者: 紅茶ごくごく星人
第1章 冒険家たちの邂逅

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1-20 いってらっしゃい

私は目を覚ました。

いつも通り、まだ外が暗い。


私は起き上がる。


昨日荷物から出しておいたそれ

桶に置いておいた水石を火で炙る。


石から水滴がボタボタと出て、桶に溜まり始める。


水滴が桶いっぱいになるまでに時間が経つ。

そしてその間火を維持し続けることで、だんだんと寝起きだった意識がはっきりとしてくる。


水が溜まった。

私は魔法の火を出すのをやめ、桶に手を突っ込む。


炙りだしたてのぬるま湯で顔を洗う。


「はあっ。」


顔を布で拭き、桶の水面で顔を見る。


「よし。」


服を着替える。

旅のために用意してもらった服。


ウェステリア魔法女学院には、卒業した生徒に杖が送られる風習がある。

杖を使うことによって、キューブから腕、手、杖、杖の先から発射、といった具合に導線ができ、魔法の使い勝手が良くなる。


しかし、後輩メルネ・フロウデンの『動植物と会話する』のような、あまり杖による導線が必要ない魔法だったり、

そもそも入学前に親類からプレゼントされていたりして既に杖を持っている場合は、

希望するものを何でも、と言っても物によっては要相談ではあるが、基本的に希望したものが送られる。


私の場合はこの服。そして引いて持ち歩けるをカバンをいただいた。

2つもいただいていいのかと聞くと、旅の装備が欲しいという要望だったので、カバンも服もその一部という話だった。


この服の仕立て屋がイドラ先生のお知り合いということだったので、とても感謝していて、感謝せねばならない。


「よし!」


そして私は、静かに部屋を出た。


ーーー


時間はちょうど夜明け、その暗闇に日の光が差しはじめていた。

門のところまで来ると、人影があった。


イドラ先生だった。


「待っててくれたんですね...ありがとうございます。」

朝早いので、静かに、でも確かに伝えられる音量で言った。


「その服、似合ってますよ」


「ありがとうございます」


イドラ先生は私に卒業証書の入った筒と、手紙を渡した。


「あの...?」


東部(ヒシカグラ)にバリトノ・コマチという人がいます。

私の古い友人で、立派な仕立て屋です。」


「もしかして、この服を作ってくださったのはその方ですか?」


「ええ、コマチ...彼女が。」


手紙を持ったまま、私の手にもう片方の手を被せた。


「昨日、彼女に手紙を送りました。

何か困ったことがあればそこに訪ねて、彼女にこの手紙を渡してください。」


「...」


「すみません。

でも困ってなくても、彼女に会って一言、私が元気だということだけ伝えておいてほしいのです。」


「いえ、そんなことまでしてくださって、ありがとうございます。

わかりました。お礼はもちろん言いたいと思っていたので!」


「ありがとうございます。」


結局イドラ先生に心配をかけて人に連絡までさせてしまった。

でもその人に会ってみたいと思っていたので、まるっきり良くないことだったわけではなかった。


「何かあったら、本当に些細なことでもコマチに相談してください。

...コマチはすごいんです!

彼女は服を作ることの他に、人生相談が本当に得意で...!

でもその後相談に合った衣類を作って買わされるので、商売も得意です。」


「そうですか」

イドラ先生が嬉しそうに話しているのを見て、自分も笑顔になる。


「そうなんです」


「そんなに嬉しそうに話してくれるなんて思いませんでした。

コマチさんと仲が良いんですね」


イドラ先生は「ご、ごほん」と咳払いする。


「でも今一番嬉しいのは、あなたのことです。

あなたが初め学院に来て、旅をしたいと言っていたのを聞いて、

私はあなたに強く当たってしまいました。


でも今、あなたが実際に旅に出るところに立ち会えて、とても嬉しいです。」


私を見つめるイドラ先生。


「ステラさん。あなたはとても、素敵です。」


イドラ先生は、私に親指をたてた。


私も同じポーズをして返す。


「それじゃあ、いってきます!」


「...いってらっしゃい!」

^ivi^[ネコニス'sTips]

パローナツ東部・ヒシカグラは独特な文化を持つ地域で、火山と温泉が有名です!

また、パローナツのほとんどの人の名前は「ボルカニア・ベイカー」のように「名前・姓名」の順が一般的ですが、

ヒシカグラ生まれの方の名前は「姓名・名前」の順になっていることが多いです!

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