1-8 おかしな消灯
ルカがまだ隠し持っていた残り1つのソフトクリームをポルテナに渡してから、他の教室も回った。
メルネの、彼女の魔法<動植物との対話>のために与えられている動植物研究室を見にいったりもした。
その後、私とルカは寮の部屋に戻ってきた。
様々な支度をして、もう寝る前だ。
「まさか予備のソフトクリームが2つともなくなるなんて...」
「ルカは食い意地貼りすぎなんだよ」
「...」
ルカはよくわからない表情で私を数秒見ていた。
私はふと思う。
「この部屋とももうお別れなんだね...」
「そうだねぇー...」
「卒業制作発表の翌日が卒業式なんて...予定に余裕がない」
「元々制作発表なんかなかったからじゃない?」
「そうだった...」
「そんなこと言って、ステラちゃんが一番卒業を楽しみにしてたんじゃないですか?」
「まあね。」
そう言ってベッドに入る。
2人のベッドの間にある小さな机に、私とルカはそれぞれのキューブを置く。
一点に宝石をたたえた細身の銀色の腕輪。
私のキューブについた小さな宝石は、黄金色のような、橙色のような色。
ルカのそれはマグマのような赤色と、氷のような透き通る青色が入り組んだものだ。
お揃いの形状をした2つのキューブは、ランプの灯りを反射してきらりと光る。
「それじゃあ、寝ますか。」
「寝ましょうか」
私はランプのボタンを押して消す。
が、謎の手に掴まれる。
「あれ、今日は私の番じゃなかった?」
私たちは1日ごとに交代でランプを消していた。
ルカはそうやったまま黙っていたが、手が離れる。
「ごめんね、間違えたかも。」
「...いや、私が間違えた。」
よく考えたら、昨日も私がボタンを押した気がする。
「ああ...じゃあ一緒に消すってのはどう?」
ボタンを押すと数秒経ってから灯りは消える。
ボタンを通して消灯係に部屋の消灯届いて、1個1個消すのだ。
私もルカも消灯係をしたことがあるが、みんなが寝静まるまで待っていなきゃいけないと同時に、内灯管理室にいるあの時間は謎の特別感があった。
「...うん」
ルカの返事が返ってくる。
私はまた手をランプに伸ばすと、いくつかの指が触れる。
柔らかいような、硬いような、おかしな違和感があった。
ルカの手は今日だけで3回以上は握っているはずだが...私は明日が待ちきれなくて興奮して、感覚がおかしくなっているのだと思う。
ボタンは押し込まれ、元に戻る。
数秒経って、その場は暗闇となった。
そうしたら、私は意外と、すんなり眠りについた。




