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輸入品目

 中学生の時、昭和五十八年(1983年)、ソ連の戦闘機による大韓航空機撃墜事件が起こった。大韓航空の旅客機が領空侵犯したとかで撃ち落された事件で、何故戦闘機が民間機を撃墜したか、ソ連と、航空会社の大韓航空、それぞれが自分は悪くないと言い張り、国民が少なからず客として乗っていたアメリカ合衆国はソ連の責任を追及する態度だったと記憶する。

 ソ連からの輸入品をボイコットしよう、なんて話題も出て、バラエティ色のあるニュース番組で、ソ連からの主な輸入品を紹介していた。キャビアなんて縁のないものから、歯の詰め物に使う金属まで出てきた。

 今回のロシアのウクライナへの攻撃で、また(ソ連ではなくロシアだが)経済制裁を科すると、不足するかも知れない品目がニュースで紹介された。

 パラジウム、歯科治療で歯の詰め物に使う金属がまた出てきた。採掘される場所が決まっているのだろうし、歯の治療方法、齲歯部分を削ってその箇所を埋めるやり方が変わらない限りパラジウムは必要であり続けるだろう。埋める箇所の大きさと予算によって、材質がプラスチックかパラジウムかセラミックかになるかの違いだ。もっと安価で摩耗に強く、人体に影響の出にくい素材が開発されるかどうかはまだ解らない。身体の健康には歯も含まれる。気を付けたい。

 荒川弘の『銀の匙 Silver Spoon』の最終巻で、主人公の元同級生がロシア、それもシベリアの大地で農業を始め、主人公にロシアと北海道を結び付けようと持ち掛ける。温暖化の影響で永久凍土が農業に使えるようになったと語っていた。見渡す限り、地平線の向こうまでの麦畑。少年漫画らしくも農業への夢を託す壮大な終わり方だった。

 国家情勢が変わったら、またどうなるか解らなくなっちゃうなあ、とこの漫画を思い出した。資金や多少の資材は持ち出せても、土地とそこにある農作物は引っ剥がして持ち出せない。

 ロシアは小麦を輸出している。蕎麦もだ。

 日本の食料自給率の低さに危うさを感じる人は多いかも知れない。全面的に米飯だけにしろと言われても、ほかの食材での値上がりや不足が心配されている。

 報道を聞くたび、ウクライナでの惨状を知り、何故こんなことになるのだろうと、胸が痛む。かつてのソ連でウクライナはホロドモールの大打撃を受けた。現在、停戦に至らなければ、耕作を始めるどころではない。ふたたび飢餓が人工的に作り出されるとしたら、ロシアはまた国際的な非難を受けるだろう。

 岸田首相は、六年前プーチン大統領が来日した時には外務大臣だった。遅刻魔のプーチン大統領を出迎える為、二時間半空港で待機していた。為政者は相手に恐怖を与えるのはいいが、不信と軽蔑を抱かせてはいけない。当時の岸田外務大臣が待ちぼうけを喰らって、どんな感情を抱いたか知らない。

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