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朝(あした)に咲き、夕べに散る


岩崎都麻絵「年が改まりました。明けましておめでとうございます」


惠美子「新年明けましておめでとうございます」


都「なんだかしんみりしてるわね」


惠「新年早々様々な出来事が報道で流れて胸が潰れんばかりに驚いているのよ。震災については自分が体験してきた地震を思い出さずにいられませんから、今寒さに耐えている方々いらっしゃると思うと辛いです」


都「そうは言ってもあんたにできることは限られています。あんたができる範囲で募金なり寄付なりで実行しなさんせ」


惠「そうします」


都「ま、ちょっとあたしも思い出したのは阪神淡路の震災の時は村山富市が首相で、東日本大震災の時は菅直人が首相で、いずれも自民党政権ではなかったということ」


惠「それで?」


都「いえ、なんとなく思い出しただけ」


惠「なあんだ」


都「どうにもできないことで悩んでいる気持ちよりも、ここでは気の紛れる話でも載せた方がよいのじゃないかしら? ご覧になってくださる方も気分転換でこのサイトにログインしているかも知れないし。

 年頭に読んだ本とかないの?」


惠「実家に帰省したらば弟が『薬屋のひとりごと』のコミカライズ版を出してきたので、それを読んでいました」


都「おお、あんたがこのサイトを知るきっかけになった作品ね。面白かったでしょ。

 あんたはさ、エンタメ路線の話を書きたいと思っているのに、実際書きはじめるとしんねりむっつりした話になっちゃって面白味に欠けてるって自覚あるの? 自分の書きたい内容とか、解ってやってる?」


惠「ああもう、あなたは評論家にでもなればあ。

 年末に読んだのは『女子とお金のリアル』(小田桐あさぎ著 すばる舎)と『リスペクト―R・E・S・P・E・C・T』(ブレイディみかこ著 筑摩書房)ですね。ほかにもあるけど、この二冊は読んでいて結構ぐっときました」


都「お金を儲けたいの?」


惠「あるに越したことないし、まあ、金融の知識が得られるかと思って図書館で借りたら違ってましたね。『リスペクト―』はロンドンが舞台で実際にあった事件を基にして描かれた小説です。

 どちらも女性が積極的に動くという意味では共通しています。

 片やお金の使い方と自身の価値を見出してそれを商売に転換していく本。もう一方は公的機関から保護を受けているシングルマザーたちが立ち退き要求に逆らう、反ジェントリフィーケーション運動の話の本。

 あなた、リスペクトの言葉の意味が解る?」


都「尊敬するとか尊重するとか、でしょう?」


惠「そう。「基本的人権の尊重」とか世の中の憲法、法律にはあるけれど、本当に人は社会から「尊重されている」かどうか、「尊重される」にはどう行動したらいいかが問われるの。自らが動き、世の中に出て変えていかなきゃ。『リスペクト―』はそういう内容だし、『女子とお金のリアル』もそういった部分を含んでいる」


都「大自然に人は敵わないけれど、人対人ならってことね。

 一歩踏み出す気分になれるかしら」


惠「ぜひなりたいですね。男性はいつまで経っても少年のままといいますが、女性だってどれほど年を取ろうと夢見る乙女なんだなあと、母や姑を見ていて思いますから自分だって、ね?」


都「永遠の二十八歳は勿論夢見る乙女のまんまです」

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