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Bones To Love

 小学生くらいの頃、わたしは理科の本を読むのが好きだった。その延長線上でもなかったのだが、怪獣とか恐竜が好きだった。当時女子の間で流行っていた『キャンディ・キャンディ』は周囲がもてはやすほど面白いと感じられなかったし、どういう結末になったのかも知らなかった。郷里で金八先生の放送はまだされていなかったが「たのきんトリオ」の人気だけは田舎にも来ていた。どこがいいのか、わたしにはサッパリ解らなかった。

 でも小学生が一人で自分の好きだけを言っていられる訳がない。みんなが夢中になっているから面白いところがあるのだろうと、理解しようと努めた。

 わたしはわたしで、テレビでゴジラの映画を放送した、弟が親に買ってもらった恐竜の本を読んでみたら面白かった、そういった話を自分からした。ただ同級生たちはわたしの話に乗ってはくれなかった。男子に特撮や恐竜が好きな者はいた。しかし小学生の高学年くらいからは性差を意識し始めて、男女で分かれて行動する時期でもある。わざわざ男子が遊ぶ中に入る勇気はなかったし、向こうも女子を招き入れたいと思っていなかっただろう。

 そんなこんなで小学生のわたしは己の趣味嗜好は変わっているのだろうか、と思った。わたしが趣味の話題で人と盛り上がれないと大分寂しかった。高校、短大と進み、大人になると、世の中、様々な人がいる、いて当たり前だと知り、ひとまず安心した。

 今年のお盆の帰省時に、山形に行くかどうかの話をしていて、わたしは時間が空いたら山形県立博物館に行きたい、良人に言った。企画展示が「Bones」と骨なのだ。色々な動物の骨格標本の展示がされる。二男も興味を示した。で、帰省して、見学することになった。(めでたしめでたし)

 わたしと良人と二男、何故か父も加わって博物館に行った。常設展示のおおよそ部分はわたしが子どもの頃と変わらない。昔と変わって増えたのは縄文の女神の展示ブースで、ヤマガタダイカイギュウの骨格模型やケサランパサランは変わらずわたしを迎えてくれる。

 企画展示のブース、「Bones」はなかなかの圧巻だった。同じ動物の剥製と骨格標本が同じポーズで並べられて展示されているのはなかなか興味深い。お猿が木の枝にぶら下がっているポーズでの剥製と骨は、残酷かも知れないがユニークでもある。当たり前だが蛙も魚も脊椎動物だときちんと解るし、キリンの頭や首の骨など、大きな動物の骨は大きい。鳥や陸上、水中の生き物、それぞれの姿を見て、最後にこの企画の目玉でもある虎の剥製と骨格標本を見た。先に虎を見た家族が「あの子どもの虎はなんだ?」と話していた。

 見て納得した。成体の剥製は威厳があったが、側にいる子どもの虎の剥製はどう見ても某石膏ボードのマスコットキャラクターみたいな顔になっているのだ。

 剥製を作るにも色々あるらしいから、まあ、縫いぐるみみたいになるケースもあるらしい。

 楽しい見学だった。

 別の時に、家族旅行で福井県立恐竜博物館に行った。リニューアルしたばかりだとかで、こちらはどんなところなのかとワクワクしていた。様々な恐竜の骨格標本や福井で発見された恐竜の説明など、博物館を去るのが惜しいくらい面白くて、楽しかった。

 福井の恐竜博物館に行こうと言い出したのはわたしではない。しみじみと思う。同じような興味を持つ人と一緒に出掛けるのは嬉しいし、感想を言い合うのは実に楽しい。

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