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Cold Turkey

惠美子「なんだかとっても久し振りのような気がするわね」


岩崎都麻絵「そうね。お久し振り」


惠「何をしていたの?」


都「別に……。ただまあ、二人で話しているとなんだか「ゆっくりしていってね!」みたいかなあと」


惠「それこそ別に雑学解説してないし、ただ女二人で駄弁っているだけだし、わたしたちは饅頭じゃないんだからいいじゃない。

 こちらは更年期のブレインフォグと夏の暑さで何にもする気になりません」


都「あなたの頭の中がぼんやりしているのはいつものことで、年齢とは関係ない気がするけど?」


惠「酷いわね。永遠の二十八歳の元気を分けて欲しいわ」


都「はっはっはっは。月経のわずらわしさをまた体験したかったらあげるわよ」


惠「あっ、それはいらない」


都「(言うと思った)

 それはそうと、表題の”Cold Turkey”って何? ウイスキー?」


惠「それは”Wild Turkey”じゃない?

 たまたま聞いていた洋楽のタイトルが”Cold Turkey”ってやつで、ジョン・レノンの曲です。曲が進んだら、突如ヴォーカルのジョン・レノンが唸ったり叫んだり、挙句悶えて喘いで、と魂消ました。「コールド・ターキー」って開高健のエッセイでも出てきた単語で、これは開高健が遺体安置所(モルグ)に行って、そこで人間が肉塊に成り果てた姿を見ての感想が書かれていました。だからって訳でもないんですが、「コールド・ターキー」って単に七面鳥の料理だけじゃない、俗語かなんかがあってと思ってたんですよ、不吉なことで」


都「ジョン・レノンの喘ぎ声でドキッとしたのね。オノ・ヨーコと名前を呼び合うだけの曲があるっていうし、二人でベッドに入って記者会見する人たちだから」


惠「だってモルグの印象をコールド・ターキーで表した小説家がいるのに、これは一体どんな意味で使われる言葉かと驚くし、興味は湧くでしょう?」


都「それでどうだったの? (にやにや)」


惠「検索したら「コールド・ターキー」ってイケナイお薬の禁断症状って出てきた」


都「(大爆笑)」


惠「あなた知ってた?」


都「いやあ、正確には知らなかった。でもホラ、ビートルズは若気の至りで色々あったし、ルーシーがお空での歌もホントのところはアレだっていうしからさ」


惠「はあ……」


都「まあ、がっかりしなさんな。”Cold Turkey”は残り物の七面鳥を食べて食中毒になったのをネタにしたって話もあるから、そっちを信じていればいいじゃないの。有名人もカッコ悪い一面があるってことで。

 いかがだったでしょうか!」


惠「自分で言ってりゃ世話ないわ」

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