蛇は噛むのが商売
昔話だったと思うのだけど、蛇を助けたら別れ際に噛まれて、「恩知らず」と人が悲鳴を上げると、「蛇は噛むのが商売」と蛇が言って去っていく話がありました。助けたから恩返しをしてくれるとは限らないし、生き物はその生き物に相応しい行動しかできないって教訓なんでしょう。
「情けは人の為ならず」と言いますが、自分の善行が目に見える形で報いられるか解りません。
世界史の読み物で、フランス革命前夜、とある貴族の奥方が住まいの周囲の池の蛙の鳴き声がうるさくて眠れないからと一晩中領民に池の水面を叩かせた話が載っていました。西洋人は風鈴の音も蛙の鳴き声も虫の音も雑音にきこえるのよねえ、って話じゃないです。こればっかりがフランス革命の原因じゃないのは当たり前ですけど、当時の貴族の横暴、平民に対して理不尽な要求したのを表す逸話とされています。
自然が近い場所に暮らしていたら、もしくはお城みたいに周囲に池やら堀を張り巡らしていたら、春から夏にかけての時期に蛙がゲコゲコ鳴くのは別に不思議でもなんでもないんですけどね。蛙の鳴き声に騒音苦情ってあるものなのですね。
わたしだって蛙の鳴き声がうるさいなあ、って体験はあります。ゲコゲコ聞こえる上に当時暮らしていたアパートの窓にでけー蛙が張りついて、びっくり仰天しましたが、田畑が側にあれば生き物だっていると知っていましたし、わたしは貴族の奥方じゃありません。そんなものだと過しました。
だからって両生類や爬虫類が好きなわけじゃありません。絶対触りたくありません。蛇は噛むし、蛙はゲコゲコ鳴くものだし。




