大河ドラマを観た
以前NHKの大河ドラマ『真田丸』(脚本三谷幸喜)で、大坂の陣で井伊の赤備えを見て主人公が「彼の家にも物語があるのだろう」といった感じの台詞を言って、次回作の『おんな城主 直虎』へのエール、番宣の印象を与えた。
テレビの番組選択権が強くないので、大河ドラマは観たり観なかったり。それでも『麒麟がくる』や『青天を衝け』、『鎌倉殿の13人』は毎週観ていた。『青天を衝け』は主人公が渋沢栄一なのに、何故か北大路欣也演じる徳川家康が時々顔を出して解説をしてくれていた。翌年は『鎌倉殿の13人』と決まっていたのだし、「私の尊敬する人物は源頼朝です」とか、「私の愛読書は『吾妻鏡』です」とか言ってくれるのかと思っていたのに、そんな台詞はなかった。メタ的登場人物なんだから、言ってくれてもよかったのに、とちょっと残念だった。
流石は三谷幸喜で、『鎌倉殿の13人』では期待を裏切らなかった。最終回で、次回作の『どうする家康』の主役を張る松本潤が『吾妻鏡』を読んでいる一コマを冒頭に入れた。(『どうする家康』の脚本古沢良太が協力とクレジットされた)
そういうことで、今年の大河ドラマの『どうする家康』が始まった訳だが、CGのお馬さんの動きが連動しててみんな一緒に見えて困ったなあ、って感じもあるが、まあエンタメとしては面白いかも、と思った。
昔、徳川家康が主人公の大河ドラマがあって、それは山岡荘八原作の『徳川家康』。主演は滝田栄、織田信長は当時無名の役所広司、豊臣秀吉は武田鉄矢だった。家康パパの松平広忠が近藤正臣で、於大の方が大竹しのぶ、築山殿が池上季実子、人質時代の家康初恋の相手が竹下景子だったかな。於大の方と家康の対面場面が全く母子に見えなかったと評判だった。昭和の時代のことだし、全く印象が違うよね。このドラマでは徳川家康はきちっと寅年、寅の月、寅の刻生まれとしていた。(寅の刻に相応しく、夜明け前の暗い中でご家中たちが報せを待っていた)
役所広司はこの信長役で一躍有名になった。
今回織田信長役は岡田准一。前に『軍師官兵衛』で主演した俳優なので大物起用となるのだろう。信長の父織田信秀役に、『おんな太閤記』で織田信長を演じた藤岡弘、だ。うわあ、織田信長と本田忠勝を演じた人が松平竹千代の処遇を巡って、岡田准一と睨み合いしている! このままガチで格闘や剣劇してくれたら嬉しい! と本筋と関係ない所で楽しくなってしまった。
人質になった竹千代を可愛がり、鍛えてやっているつもりの岡田准一の信長、しっかり家康のトラウマになっていた。
「白兎のようじゃ」、「食ってやろうか」、などと言いながら手加減なしで相撲というか、格闘技に付き合わせていた。観ていないけど、映画の『ヘルドックス』ってこんな雰囲気だったのかな。
松平家では負け戦で逃げている際に兎を汁にして食べてから運が上向くようになり、以来正月の雑煮に兎を使うと、どっかで読んだのだけど、この家康は兎を食べるのだろうか? そのうちそんな話が出るのだろうか? 共食いになりはしないかと、なんか可哀想になる。
今のところ、頼りない松平元康の成長よりも、初っ端から魔王の風格の織田信長と成長著しい本多平八郎忠勝、脇役が面白い。はははは、わたしはこちらの織田信長だけで充分で、同じ脚本家作品で、別のジャニーズ俳優の織田信長の映画は多分観にいかない。




